概要
専用ソフト『ジャイロセット』、『ブロックセット』を用いて、画面から送信される光信号を受信して動作するロボット。
平たく言えば「ファミコンを使って動くロボット」ということである。
海外版での名称はR.O.B.(Robotic Operating Buddy) 。
『ジャイロ』は付属するコマをロボットが回し、本体下部に設けられたAボタン、Bボタンに対応する場所に置かせる*事でゲーム中のゲートが連動して動く仕掛け。
『ブロック』は画面上に表示される指示の通りにロボットがブロックを積めるように、プレイヤーが画面上の博士を操作してプログラムを作成してロボットを動作させる。
後者に関してはブロックが正しく積めたかどうかのフィードバック機能が無いため、プレイヤーが目視でチェックして成否を判定するという方法を取っている。
1985年にご家庭のファミコンと連動してロボットに芸を披露させる、「ロボットにプログラミングをして動かす」という非常に先進的な遊びを提案したものの、あまりにも時代に対して早すぎたのかサードパーティ製のゲーム等は登場せず、本機で遊べるゲームはこの2本だけに終わった。
正しくプログラミングして/操作していても、現実世界での物理法則により、上手く積めずに崩してしまったり、コマ同士が接触して落下してしまったり、動きがゆっくりなのでアクションゲームである『ジャイロ』では中々もどかしかったり、若干おドジな部分もあったりする。
後に『スーパーマリオブラザーズ』の爆発的ヒットによりファミコンブームが到来するも、上記のような事情から、知る人ぞ知る埋もれたハードという立場だった。
その他ゲスト出演
時が流れ90年代後半になると、任天堂ハードで発売されたソフトに様々な形でゲスト出演するようになった。
数あるゲスト出演した作品の中でも最も有名なのは、隠しキャラとして登場し、直接操作が可能な『マリオカートDS』と『スマブラ』シリーズだろう。
それ以前にも『星のカービィ3』『メイドインワリオ』『F-ZERO GX』等に背景キャラとしてさりげなく出演している。また、『スターフォックス64』のセクターXに登場するボス「HVC-09」も、ファミリーコンピュータロボットをモデルとしている。
マリオカートDS
隠しキャラクター「HVC-012」として登場。
専用カート「HVC-BLS」(『ブロックセット』の型番と同じ)、「HVC-LGS」を持つ。重さはクッパと並んでトップ。
「どうやって運転すんの?」と思ったら、なんと腕を左右にスイングしてハンドルを切る。クラクションが電子音だったり、声の代わりにモーターの動作音がしたり、クラッシュすると頭のLEDが点滅したりと細かなこだわりが感じられる。
重量級でありながら加速やコーナリング性能に優れるが、ドリフトは苦手。
ちなみに海外版では商品名のR.O.B.になっていて、カートの名前も異なる(ROB-BLS、ROB-LGSになっている)。カラーリングもきちんと海外仕様。
おどるメイドインワリオ
ナインボルトのステージのボス「スターフォックス」にまさかの乱入。武器はスナイパーライフル。囲んでいるブロックが点滅した時にアーウィンの銃撃を当てれば倒せる。
大乱闘スマッシュブラザーズ
ロボット名義で『大乱闘スマッシュブラザーズX』から参戦。シリーズ唯一の周辺機器枠である。
アドベンチャーモード「亜空の使者」では重要な役を務めており、「亜空軍」の戦力として行動の異なる幾つかの量産タイプが多数出現する。
高い復帰力と2種類の飛び道具、判定の強さを揃えた迎撃型ファイター。
地上攻撃は発生も速く、判定も強いが、スマッシュ攻撃の発生は標準的なため、スマッシュ攻撃による撃墜はあまり得意ではない。それ故バースト難に陥りやすいという欠点を抱えている。空中攻撃も、空中ニュートラルや空中後など、判定は非常に強いが発生前に潰されてしまいやすいという一長一短な性能。さらに、食らい判定も大きいので復帰阻止、着地狩りにも弱い。そのため、飛び道具で牽制し、接近してきた相手を迎撃する立ち回りが基本になる。
最後の切りふだは作品によって異なる。
『X』では「拡散ロボビーム」。単発ダメージもふっとばしも弱いが、通常必殺ワザ以外の行動が自由に可能。
『スマブラ3DS/WiiU』も続投し、必殺ワザの性能も若干変化した。
とくに下投げからの上空中攻撃のコンボは繋がりやすいほどに強力で撃墜コンボとしてよく使われていた。
最後の切りふだも変形してビームを放つ「スーパー拡散ロボビーム」にパワーアップしたが、こちらも攻撃範囲とふっとばしは控えめ。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』でも続投。ここで必殺ワザに強化が入る。
とくに大きいのは横必殺ワザ「アームスピン」。吹っ飛ばし力が上がった。今まで微妙な性能だったが撃墜手段としても使われて実戦で使えるほどに。上必殺ワザ「ロボバーナー」も途中でキャンセル可能になることで復帰阻止に少し強くなった。
代わりに下投げが相手を埋める仕様に変わったので上空中攻撃でのコンボが不可能になった(地上でのコンボ主流へ)。
最後の切りふだは「誘導ロボビーム」。追尾するレーザーを多数発射した後、念願の巨大ビームを放つ。
参戦名が「ロボット」と至極単純であることについては、スマッシュアピールで突っ込みがなされている。
余談
長期使用を前提とした高耐久性を第一とする任天堂製品においてディスクシステムをも凌駕する圧倒的脆弱性を誇り、任天堂ハードの中でも極めて繊細な取り扱いを要求される純正機器である。
これは、徹底的なコスト削減の代償として商品の要点であるアーム動作を司るギアすらもその対象としたためであり、アーム動作用ギアとモーター動力伝導ギアを仲介する連結ギアを一体化させなかった事によるパーツ脱落が故障原因の大半を占める。
これを取り上げた『ゲームセンターCX』中のミニコーナー「プロジェクトCX」でも、
ロケハン中に2台も故障する事態となり、故障原因の追求が叶わなかったために追加購入した3台目でようやく収録を乗り切った。
関連イラスト
関連タグ
光線銃シリーズ…動作原理が同じである。スーパースコープも同様。
ヴァルガード…頭部デザインが似ているためファミコンロボと呼ばれている。
ピクミン2…作中でロボットの頭部と4色のブロックがお宝としてカメオ出演。頭部は『オヤジのおもいで』・ブロックはそれぞれ『~のジャイロブロック』と名付けられた。
奇跡のカーニバル…AAのモデルとなった。
ソリッド・スネーク…彼の無線で、上記の白い機体と赤い腕の秘密が判明する。
メタルギア…スマブラにスネークが参戦している関係でスピリッツバトルでは大抵メタルギアのスピリットはロボットに憑依している。メタルギアとの唯一の違いはそもそも脚がない。ただし、腕に関しては「サヘラントロプス」というのがいるが。