クー・フーリン(Fate)
くーふーりん
プロフィール
概要
第五次聖杯戦争にて召喚されたランサー(Fate/staynight)の真名。
『Fate/staynight』ではランサーとして召喚されているものの、ルーン魔術のスキルと戦闘時の荒々しさを伝える逸話から、他のクラスに対しての適性も持つ。他作品ではランサー以外にもバーサーカー・キャスターのクラスで登場している。
ケルト神話の代表的英雄であり、母国では中央郵便局に銅像があったり絵本になっていたりと絶大な人気を誇るが、日本ではクー・フーリンどころかケルト神話自体が無名に等しい。昨今では、ゲームの影響によりケルト神話が認知され出しているとはいえ、日本での書籍は極一部の例外を除くと、全て再話・翻案レベルのものしかなく、深く知るにはまだまだハードルが高い。
クラス適性について
上記以外にも本人の発言と描写等からセイバー・ライダーの適性も持っているものと思われる。伝説でのクー・フーリンの特徴は扱った武器の多さにあり、剣、投げ槍、長槍、短槍、直刀、戦車、投石器、戦闘用ダーツ、盾、といった様々な武器を扱っている。また武器戦闘以外に、素手や水中戦も行う。fateにおいてはホロウでの発言から弓も扱えるとされる(ケルトにも弓も存在するが、基本的にケルトの戦士は投石器が主流)。しかし、ただの猪戦士という訳ではなくオガム文字を扱った魔法を使用している場面もありかなり多才な印象が強い。
- セイバー
輝く剣「クルージーン・カサド・ヒャン」を所持していたという伝承からか、あるいは叔父貴との縁からか「セイバークラスでの召喚ってのも、いつか試してみてほしいもんだ」と発言するなど英霊としての多彩さが窺える一幕もある。親友であるフェルディアとの戦いも「お互い決めた武器で戦おう」と提案し始めは互いに短い槍で戦い、その後は長い槍、その後は剣と色々な武器で互角にやりあっている。最期の死地に向かう時に赤く光る剣を装備しているが、これはカサド・ヒャンではないか?という説もある。
『Fate/hollow ataraxia』で美綴に「何か武芸をされているのですか?」と質問された際に、「ん?まあ一通りな、剣でも弓でも戦車でも。本業は槍なワケだが」と応えていることから、クラス適正があるかはともかく剣も扱えることは間違いない。
- ライダー
伝承では専用のチャリオットを所持していたともされ、未登場の宝具に「戦車の宝具」がある事からライダーの適正すらも仄めかされている。エクステラでは「鏖殺戦馬セングレン」という馬について語られるシーンがある。クーフーリンは「灰色のマッハ」と「黒色のセングレン」という愛馬を持ち、ケルトの戦車は二頭馬であるため、この二頭が戦車を引くのだがマッハの方がメジャーにも関わらず何故セングレンの方の名前が採用されているのかは不明(ケルトでは騎乗馬として扱うより戦車が主流であるので、セングレンとは別にマッハも所有しているとすると、また話がおかしくなる)。「クルージン・カサド・ヒャン」の逸話ばかり出されるがスカサハに鎌型戦車の操り方を教わっており、御者がいなくても戦車も扱えるとされている。
・灰色のマッハ
スリャヴ・フアドゥの山にあるリンの湖で出会った馬。マッハは「軍馬の王」と呼ばれるくらい偉大な馬であり、セングレンよりメジャーである所以はここにある。「その槍にて王は落つ」とあるが、1人は英雄の王であるクー・フーリン、もう1人は御者の王であるローグ、そして軍馬の王であるマッハである。石柱に身体を縛り力尽きた主人を見て、自身もゲイボルクで貫かれ瀕死の状態であったにも関わらず、主人の魂が体内に宿る限り、英雄の光が主人の額で輝きを放つ限り彼を護ろうと、歯で50人、四つの蹄はそれぞれ30人を殺す。最期は首と右腕を切られた主人のもとに向かい寄り添うように息絶えた。
- ランサー
クー・フーリンは土地・知名度補正やマスターの魔力の強さによって宝具が増減することが明言されておりそれらが強いほど伝説通りの強さに近づく。アイルランドで召喚されれば「城」「戦車」「不眠の加護」が追加される。
「城」の宝具は逸話として城を押して相撲したというものがある。
「不眠の加護」については宝具ではなくスキルではないかといわれることもあるがcomplete materialの記述から宝具であると思われる。ただし元となったと思われる逸話が2つあり、
このうち1であればスキル、2であれば宝具であると推測される。
能力
ステータス
保有スキル
クラススキル
対魔力(C) | 魔術への耐性。二節以下の詠唱による魔術は無効化できるが、大魔術・儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 |
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陣地作成(B) | キャスターのクラス特性。魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。師匠の宝具である『門』をアレンジした陣地を作ることもできるが、おとなげない師匠がパクリ認定して襲ってくるため秘中の秘。 |
狂化(EX)(C相当) | 聖杯への願望によって誕生したバーサーカークラスなため、Cランク相当でありながら、論理的な会話は可能。しかし如何なる詭弁を弄しても効果がなく、目的に向かって邁進する以外の選択を行わないため、実質的に敵対者との会話は不可能であるといえる。 |
保有スキル
戦闘続行(A) | 所謂「往生際の悪さ」。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。『EXTRA』ではグレードを耐久と入れ替えているため(C)に下がっている。 |
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仕切り直し(C) | 戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。 |
神性(B)、(C) | 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされ、(B)ランクは半神半人を意味する。オルタ時はC。 |
固有スキル
ルーン(B) | 北欧の魔術刻印・ルーンを所持し、キャスターのクラスにも適合できるほどの知識と腕前を持つ。『staynight』『FGO』問わずランサークラスの場合(面倒くさいので)封印しているという説明がある。 |
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矢よけの加護(B)、(A)、(C) | 飛び道具に対する対応力。使い手を視界に捉えた状態であればいかなる遠距離攻撃も避ける事ができる。ただし超遠距離からの直接攻撃、および広範囲の全体攻撃は対象外。「攻撃対象を目で確認した状態であるならば、いかなる遠距離攻撃をも避けることが可能だとされる。また対象が黙視出来ない状況であっても大抵の飛び道具に対応できる(Fate/complete material vol.03より)」。キャスター時はA、オルタ時はC。 |
ルーン魔術(B)、(A) | スカサハから与えられた北欧の魔術刻印、ルーンの所持。ルーンを使い分けることにより、強力かつ多様な効果を使いこなす。攻撃以外で主に使用するのは対魔力スキル相当の効果、千里眼スキル相当の効果、パラメーターを上昇させる効果、等。これらはすべて一時的なものであり、同時複数の使用はできない。キャスター時はA。 |
獣殺し(B+) | 魔獣や野生生物に対する特効。魔獣の性質をよく知るクー・フーリンは、獣の殺し方を知っている。 |
精霊の狂騒(A) | クー・フーリンの唸り声は、地に眠る精霊たちを目覚めさせ、敵軍の兵士たちの精神を砕く。精神系の干渉。敵陣全員の筋力と敏捷のパラメーターが一時的にランクダウンする。 |
complete materialにある「矢避けの加護」の記述では広範囲の全体攻撃のことを「武器の攻撃範囲が着弾時に爆発する広範囲タイプの攻撃」、超遠距離からの直接攻撃のことを「ただ単にリーチが長い武器の直接攻撃」として説明している。
刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:2~4
- 最大捕捉:1人
ランサーが編み出した対人用の刺突技。槍の持つ因果逆転の呪いによる必殺必中の一撃。
「心臓に槍が命中した」という結果をつくってから「槍を放つ」という原因を作る。
回避には因果操作を回避出来る幸運の高さ、ランサー自身が放つ神速の槍さばきを躱す技量の二つが必要であり防ぐには槍の魔力を上回る防壁を用意するしかない。
仮に心臓を穿てなくとも当たれば負傷と回復阻害の呪いを残し魔力消費の少なさにより連発も可能で対人効率が良い。
アニメUBWの作中やUBW後期OPではビームを放つ様子(通称:ランサービーム)が確認出来たが、恐らくアニメの演出の都合と思われる。原作だと足元に放った槍があり得ない軌道で曲がるというだけであり(槍は曲がっていないし伸びてもおらず、だからこそ異質と記述されている)、見映え的にはっきり言って地味..というのと原作でもその後のセイバーの詳細説明がないと「槍の軌道が曲がるだけの技」とプレイヤーは勘違いしやすいため初お披露目の宝具にしては凄さが伝わりにくいところがある。武内氏の遠距離から因果逆転出来たら?という旨の質問に対し、「そこまでいくとランサーの父親筋の能力になる」ときのこ氏は応えている。
突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~40
- 最大捕捉:50人
- 由来:クー・フーリンが師匠スカサハから授かった魔槍
魔槍ゲイボルクの本来の使い方。魔槍の呪いを最大限開放して渾身の力で投擲する。
「刺し穿つ死棘の槍」とは違い心臓に命中させるのではなく、一撃の破壊力を重視している。生前より更にその威力は増していて、相手に向かって無数に分裂していき一発で一部隊を吹き飛ばす。
因果逆転程の強制力はないが、一度ロックオンすれば「幾たび躱されようと相手を貫く」という性質を持つため標的が存在する限りそこが例え地球の裏側だろうと飛んでいくだろうと推測されている。
穿ちの朱槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B/B+
- 種別:対人/対軍宝具
- レンジ:2~4/5~40
- 最大補足:1人/50人
クー・フーリンが師匠スカサハから授かった朱色の槍、および必殺の槍術。
槍の持つ因果逆転の呪いにより、真名解放すると「心臓に槍が命中した」という結果を作ってから「槍を放つ」という原因を作る。『stay night』のランサーが使う『刺し穿つ死棘の槍』のオリジナルであり、効果はほとんど変わっていない。対人刺突、対軍投擲、の二種の攻撃法を持つという点も同一である。Extra版はより刺々しいデザインになっている。
灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)
- ランク:B
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~50
- 最大捕捉:50人
無数の細木の枝で構成された巨人が出現。巨人は火炎を身に纏い、対象に襲い掛かって強力な熱・火炎ダメージを与える。
宝具として出現した巨人の胴部の檻は空であり(厳密には人型の木人形が代わりに入っている)、そのため、巨人は神々への贄を求めて荒れ狂う。
これはルーンの奥義ではなく、炎熱を操る「ケルトの魔術師」として現界した光の御子に与えられた、ケルトのドルイドたちの宝具である。
大神刻印(オホド・デウグ・オーディン)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~80
- 最大補足:500人
真名解放とともにスカサハより授かった18の原書のルーンを全て使用することで開放される宝具。
北欧の魔術神オーディンの力が開放され、敵拠点に大規模な魔力ダメージを与える。更に、生存している敵のバフ効果を全解除し、各能力パラメーターを1ランク減少させ、常時発動型の宝具を有していた場合は1~2ターンの間停止する。
極めて強力な奥の手だが、オーディンによる使用制限が掛けられている可能性もある。
抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルク)
- ランク:B++
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~50
- 最大捕捉:100人
ホーミング魔槍ミサイル。クー・フーリン本来の宝具。またしても別の文字が当てられている。
オルタの場合は自らの肉体の崩壊も辞さないほどの全力投擲であるため、通常の召喚時よりも威力と有効範囲が上昇している。
敵陣全体に対する即死(心臓破壊)効果があり、即死にならない場合でも大ダメージを与える。
(ルーン魔術によって「崩壊する肉体を再生させながら」投擲しているため、クーフーリンがダメージを受けることはない――途方もない苦痛を除けば、だが)
噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)
- ランク:A
- 種別:対人宝具(自身)
- レンジ:-
- 最大捕捉:1人
荒れ狂うクー・フーリンの怒りが、魔槍ゲイ・ボルクの元となった紅海の怪物・海獣クリードの外骨格を一時的に具象化させ、鎧のように身に纏う。攻撃型骨アーマー。
バリエーション
プリヤランサー
こちらはランサークラスでの黒化だが、あくまでクラスカードが実体化した存在。