「この桜吹雪……散らせるものなら——散らしてみやがれッ!!」
プロフィール
概要
本作の主人公で、「遠山の金さん」こと遠山金四郎景元の末裔。 漢字表記は「金次」。
「ヒステリアモード」という特殊な体質であり、作中屈指の実力と異能生存体っぷりを発揮している。
高校2年に進級する始業式の登校時に『武偵殺し』事件のチャリジャックに巻き込まれ、『武偵殺し』を追っていた神崎・H・アリアと出会うことになる。
風魔陽菜とは武偵高では『戦兄妹(アミカ)』の関係であり、情報収集や隠密行動のパートナーとして重宝している。
父や兄の様にヒステリアモードを使いこなし立派な武偵になろうとしていたが、とある事件をきっかけに武偵を諦め、普通の高校に転校して普通の生活を送ろうとしている。そのため、試験をボイコットしEランクに降格している。
しかし、アリアのパートナーとなったことで、アリアの一件が終わるまで、武偵を続けることにした。
使用する拳銃は、「ベレッタM92F」の改造モデルと、父の形見の「デザートイーグル50AE」。
ナイフ系では兄の形見のバタフライナイフとシャーロック・ホームズ戦後に手に入れたスクラマ・サクスである。スクラマ・サクス破損後はマニアゴナイフに改修され、それを使用している。
また補助武器としてオープンフィンガーグローブ「オロチ」を使用し、これらの装備の改造は装備科の平賀文に依頼している。
容姿
日本人らしい黒髪に、キンジを目の敵にする女子曰く、少し目つきが悪いところ以外は普通の男子高校生で存在感は薄い。その目つきは後述の暗い性格を感じさせるらしい。
自己評価は低いが、顔つきは整っている。アニメ版ではヒステリアモード中の女性に対する目つきは少し和らぐ。
女装すると兄と同じくかなりの美人になる。その時は黒いメーテルに似ている為、クロメーテルと呼ばれており、オランダのFacebookで美人と騒がれるほど。しかも作中の大半の人物に女装と見抜かれない出来栄え。
性格
性格は自他共に認める非社交的で他人から距離を出来るだけ置こうとする傾向がある、いわゆる「根暗」であるが、強襲科を辞めた今でもキンジに一目置く生徒は多い。
峰理子、ジャンヌ、ワトソン、ヒルダ、ジーサード、ジーフォースといった、かつては敵だった相手をも味方に変えてしまうカリスマ性を潜在的に秘めている(当人は指摘される度に否定している)。
他人と距離を置いているように見えて実際は仲間思いであり、ヒステリアモードでない通常モードでも「男は女を守るもの」という信念を持っている。
中学時代に女子にヒステリアモードを利用され、それ以降は女性との関わりを極力避けてきたこともあり、恋愛面には非常に鈍感である。にも関わらず思わせぶりな言動や態度、前述のカリスマ性も相まって、アリア、白雪、理子、レキなど本編開始時辺りから4人のヒロインにフラグを立てている。しかも巻を追うごとに彼に落ちる女性は増えている。その辺りはやはりライトノベルの主人公というべきか。
また、これもラノベの主人公らしいといえばらしいのだが、キンジにも朴念仁の気配がある。これはヒステリアモードの暴発を防ぐ為に女性関連の知識を得るのを避けていたという理由付き朴念仁という珍しいパターン。
が、その無知ゆえに
- 喧嘩状態だったアリアと仲直りする為、誕生日にアクセサリーとして指輪を渡す。しかも「ちょうどいいサイズだったから」と薬指にはめてあげるという、どう見てもアレと勘違いされても仕方ない渡し方をする。
- ジーフォースの暴走を抑える為に家族をでっち上げて静止役を白雪に頼む際、俺の家族になってくれと発言する(しかも教会のすぐ傍で)というアレと勘違いされても仕方ない依頼の仕方をする。
- 理子の「(こっちの意味の)付き合って」発言を(コミケ等々に)付き合ってと解釈して了承。
と女性を避けるどころか自分自身で盛大に地雷を踏み抜くパターンも多い。
ヒステリアモード
正式名称は『ヒステリア・サヴァン・シンドローム』でありHSSと略される特異体質。遠山一族だけに伝わる能力のようなものだが、現実ではサヴァン症候群に当てはまり一種の発達障害に分類される。
性的興奮によってβエンドルフィンが一定以上分泌されると、神経伝達物質を媒介し大脳・小脳・精髄といった中枢神経系の活動を劇的に促進させる。この覚醒した状態では思考力・判断力・反射神経などが通常の30倍にまで向上し、常人離れした活動を可能にする。
特にキンジは未完成ではあるものの、歴代の遠山一族の中でも最高の潜在能力を秘めており、アリアと共に死線を潜り抜ける内にその力を覚醒させていく。
なお、ヒステリアモード時のキンジは女子を何が何でも守りたくなってしまい、尚且つ女子に対してキザな言動を取ってしまう、恐ろしい程のジゴロキャラへと変貌する。そのため、中学時代はヒステリアモードを女子に利用され、独善的な「正義の味方」にされていた。
また、この覚醒状態に至ることをキンジ本人はヒスると称している。
その能力の本質は「女性を守って、魅力的な男性を演じて子孫を残す」能力である。故に前述のように異性のことを最優先で考える思考を優先しがちになるという欠点がある。
その他、脳への負担は無視できず、覚醒作用の多用は脳溢血を起こすリスクを増やしてしまう。
本人は「普通の武偵になる」と決意しているが、普通どころか巻数が進むたびにHSSでの戦闘力が人間外れになっていく(弾丸を斬る→弾丸を打ち返す→それを指で行う→弾丸を素手で掴む→絶対無敵のレーザー攻撃をアリアのサポート込みで防ぎきる→接射を銃弾と同速度で体を動かし軽傷で済ます→心臓停止で死亡するも脳まで活動停止する前に自身に心臓マッサージを施し復活→受けると即死する技を受けるも即座に自身を蘇生)。
更には超人ランクでは100位以内に入っており、イ・ウー壊滅や極東戦役での功績から、「不可能を可能にする男」の意を込めて『哿(エネイブル)』なる二つ名で呼ばれるようになる。原作15巻ではアリアと合わせて香港刑務処から『臥龍鳳雛(眠れる龍と鳳凰の雛の意。キンジは臥龍の部分にあたる)』、香港武偵局からは『Enable(エネイブル)&Quadler(カドラ)』と呼ばれている事が判明、さらには公安0課から“武偵高2年生の課程を終了した生徒を役職に付かせてもよい”という協定のもと事件をでっち上げて引き抜きされかける(ただし、キンジが留年したため失敗)と多くの人物から目をつけられるになる。
この体質は遺伝的であるがゆえ、父や兄も同じ体質である。また、父の遺伝子は国外に流出しているため、戦闘能力上昇作用に目をつけたアメリカの組織によって人造人間として意図的に生み出された弟や妹が存在することが判明した。
派生種
通常のヒステリアモードはヒステリア・ノルマーレと呼ばれ、状況に応じて様々な派生が存在する。各名称はヒスったキンジ自身が独自に名づけたものである。
- 女性を他の男性に取られた際に覚醒する女を奪う「ヒステリア・ベルセ」(ノルマーレの1.7倍の能力)
- 死の危機に瀕した際に発現する「ヒステリア・アゴニザンテ」
- ベルセを何度も経験した者が複数の女性を傷つけられた際に発現する王者のHSS「ヒステリア・レガルメンテ」(通常の1.2×傷つけられた女性の数分の累乗倍)
- 眠っている際に発現する「夢ヒス」
- しばらく性的興奮がしなくなるかわりに体にあまり力が入らなくなり攻撃力が皆無になる「ヒステリア・ワイズマン」
恋愛フラグを立てた人物
キンジへの好意を何らかの形でアピールしている者に限る
※が付く者は敵味方関係以前に色々と問題がある人物
- 神崎・H・アリア
- 峰・理子・リュパン4世
- 星伽白雪
- レキ
- 中空知美咲
- エル・ワトソン
- 遠山かなめ※
- 鏡高菊代
- 望月萌
- リサ・アヴェ・デュ・アンク
- カツェ=グラッセ
- 山根ひばり
- ベレッタ・ベレッタ
- ネモ・リンカルン
- 安達ミザリー
- 乙葉まりあ※
関連イラスト
関連タグ
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作中の変遷(ネタバレ注意)
原作12巻で武偵高に提出していた転出申請が受理され、“退学”と言う名の転校で東池袋高校へ転入。憧れの「一般人」になる。
しかし、武偵としての生活が長過ぎたため、かえって慣れない「普通」の生活に四苦八苦する事に。その最中に起きた事件をきっかけに自らが本来居るべき場所を自覚し、再び武偵を続ける事を決意。転入二週間で東京武偵高へと戻った。
が、散々事件に巻き込まれ続けた結果、
- 武偵がそうそうしないはずの留年をしてしまう
- 通例に従い他の武偵高に編入しようにも強すぎるために日本国内での受け入れを拒否
- 唯一OKだったローマ武偵高でも事件のせいで定期試験を受けられず中退
- 仕方なく起業して結果を残すことで武偵資格の失効を食い止めるが、事件に巻き込まれ続けて高認に落ちる
東京大学を目指して高認に挑む中卒のフリーランス武偵となっている。…これどういう作品でしたっけ?
冒頭のプロフィールの「所属」をネタバレ込みで書き直すと以下の通り。
所属 | 東京武偵高校2年A組→東池袋高校2年2組(XII巻)→東京武偵高2年A組(XIV巻)→東京武偵高2年C組(XXII巻)→美浜外語高(XXII巻)→ローマ武偵高校3年E3組(XXIV巻)→遠山武偵事務所社長(XXVI巻)→フリーランス(XXVII巻~) |
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…平穏とは程遠い人生を送り続けている。