概要
鉄人兵団とは「大長編ドラえもん・のび太と鉄人兵団」に登場するロボット集団のこと。メカトピア星から人間を奴隷とするためにワープを繰り返して地球に侵攻してきた。
生身で宇宙空間を突破可能で、恐らくタキオンを利用したと思われる通信網も持つ。
主戦力であるロボット兵を始め、個々の戦闘力はひみつ道具がなければ太刀打ちできないほどであるが、耐久力についてはそう高くはないらしく空気砲やショックガンで容易に撃破できる程度。
しかしその本領は物量作戦であり、「何千何万体壊されようと、代わりのロボットは無数にいる」と明言されている。
本編中で登場した地球侵攻部隊だけでもドラえもん達を敗退寸前(かろうじて命はあったものの継戦能力は完全に失われており、実質的には全面敗北した状況)まで追い込み、タイムマシンで3万年前のメカトピア星に向かったしずかとリルル(1986年版では2人と共にミクロスも3万年前のメカトピア星に向かっている)によって歴史改変という反則技で辛うじて勝利できた程。
しかもリメイク版では攻撃力が跳ね上がっており、オリジナル版以上の列強と化していた。ドラえもんシリーズに登場した敵対勢力では、文句無しに最強クラスの軍勢である。実際、原作者をして「映画史上最強」とまで言わしめ、先述の反則技以外の解決法を思いつけなかったと吐露させている。
社会体制
『新』においては、『旧』で否定されたはずのメカトピアにおけるロボットたちの階級が言及されており、貴族制度があった(正確には鉄人兵団襲来直前で貴族制が崩壊している)。メカトピアは完全な軍事国家であるため兵士が一番偉く、諜報員であるリルルや土木工作員のジュドは下級扱いであった。下層階級は「娯楽」すら鉄人兵に奪われる立場にあり、鉄人兵団の「人間狩り」はいわば下層階級の更に下の、国民扱いすらされない家畜を連れてくることにより労働環境を改善しようとする政策とされている。
つまりは
- 旧鉄人兵団:国民の階級制度は無くなった→民衆間の差別意識も払底されたので、奴隷のように国民を働かせることが出来なくなった→だったらその代替手段として人間を奴隷にするぞ
- 新鉄人兵団:国民の階級制度は無くなった→だが民衆の間では旧来の差別意識は未だに残っている→差別意識から目を逸らす(上見て暮らすな下見て暮らせ理論)ために人間を奴隷にするぞ
という流れになっており、しずかちゃんからは「まるっきり人間と同じじゃない」と呆れられている。
どっちの社会体制にしろ、身体能力が鉄人たちより劣る(『新』でピッポが断言している)うえに食事や睡眠も与えねばならない人間を奴隷化するのは非効率的な気もするが…。
メンバー
地球攻撃部隊総司令官
全身金色のセミに似た姿。長いマントを羽織っている。
リメイク版では容姿が全体的に派手になっていた(カブトムシに似ている)が、性格は変わらず部下を無情に切り捨て、窮地となれば自分だけ脱出するような冷酷非道な司令官である。
『ギガゾンビの逆襲』では終盤の雑魚敵ゴールドマスターとして出てくる。
副司令官
(CV:龍田直樹)
リメイク版に登場。カマキリのような姿をした、哀れな中間管理職。
巨大要塞
リメイク版に登場した鉄人兵団の移動要塞。蜘蛛のような形状をしており、足を閉じることで飛行可能。
でかい図体の割には量産型土木重機に過ぎないザンダクロス1機に投げ飛ばされ、足を捥がれて串刺しにされるなどイマイチ頼りない。
狙撃兵
最も多い部隊。ジャミラのように首と胴体がくっついており、ジェットスクランダーのような翼で空を飛ぶ。手にした熱線銃は一撃でビルを倒壊させるなど高い攻撃力を持つ。
『ギガゾンビの逆襲』では終盤の雑魚敵メタリッカーとして登場。
下級兵
全身が鋭利な突起になっている兵隊。武器を持たず、素手で襲い掛かってくる。
マンティス
(CV:鉄人ドラアナ団)
リメイク版に登場したメカトピア兵士たち。『旧』における下級兵に相当。目からビームを撃てるほか、前腕部に人間捕獲用の伸縮性の檻を内蔵している。名前や外見はカマキリのイメージだが、再起動し暴れるジュドの所へ急ぐ際には猿のような四足歩行を行っていた。
回想シーンによれば、昔は労働階級だったらしい。しかし現在では兵士となっているので、ジュドを「壊れたら作り直せばいいだろこんなゴミ」呼ばわりしている。
輸送兵
非戦闘員。UFOキャッチャーを人間型にしたような形状で、侵略基地の物資搬送を行っていた。
『新』での回想でも、マンティス同様労働階級であった。