1905年に結党されたロシアの政党については⇒立憲民主党(ロシア)を参照
曖昧さ回避
- 立憲民主党(2017-2020):2017年衆議院選挙の際に、民進党の事実上の解党に伴って結党した政党。下記の結党に伴い解党した。当項目冒頭で解説
- 立憲民主党(2020-):2020年に上記政党と国民民主党、民主党系無所属議員が合同して結党し、2021年に社会民主党の一部が合流した政党。当項目で主に解説。
立憲民主党(2017-2020)
概要
立憲主義、草の根民主主義を掲げ、2017年10月2日に結党(届け出は翌3日)し2020年9月14日に解党した政党(英称:The Constitutional Democratic Party of Japan,CDP)。結党当時の略称は「民主党」だったが、国民民主党との協議の結果、2019年4月から解党まで「りっけん」だった。報道時の表記は立憲民主、立憲、立民、立等
党史
2017年の衆議院議員総選挙を目前に民進党は党内部のごたごたなどもあり勝利は不可能との予測がされており、党勢の回復が党運営の課題となっていた。
それを見た民進党代表の前原誠司は希望の党への合流を提案、「民進党の出馬予定者は全員希望の党に全員合流する」と説明し、党所属国会議員の同意を得たものの、希望の党代表である小池百合子は「憲法改正」、「集団的自衛権への賛成」そして「他の政策は党代表へ一任する」ことを合流条件に提示した(いわゆる排除の論理)。さらに日本維新の会と協定を結び「大阪府には共倒れ防止のため候補者を立てず、東京都には維新の候補は立てない」ことを約束してしまった。
これにより一部の党員、具体的には民進党リベラル派や大阪府から出馬予定であった候補者の大半などが合流を拒否、あるいは不可能となり、民進党国会議員団は分裂することとなった。
また、北海道など、「野党共闘が比較的成功していた地域」からも不満は続出した。
「党首自らによるクーデター」と言えるこの事件は、右派に属する前原がリベラル派を排除することを目的としていたとみる人も存在する。
結果、民進党の立候補者は次の3つに分裂した。
- 希望の党:上述した政策に同意し、小池百合子氏に「排除」されず公認を得られた者
- 新党:「排除」され希望の党の公認を得られなかったか、そもそも希望の党の政策に同意できなかった者
- 無所属:上記以外で諸事情から無所属での出馬となった者(例:山尾志桜里)や自らの意思で無所属で出馬した者
この「新党」が、先の民進党代表選で敗れた枝野幸男が党首となった立憲民主党である。
選挙の結果、公示前の17議席から大躍進し55議席を獲得。衆議院における野党第一党となった。この時点では参議院に議席を有していなかったが、民進党の正式な解党に伴って入党や会派入りが増え参議院でも野党第一会派となった。
当初は民主党系政党との合流には消極的であったが、2019年の参議院選挙の結果を受けて方針を転換、国民民主党との合流を目指した。しかし、立民側を存続した上で国民を解党、吸収合併することを目指した立憲民主党と、双方が解党し対等な上で新党を結党することを目指す国民民主党との認識の違いから一旦破談となる。その後2020年7月に立民側が譲歩した形で両党解党の上での新党結成案のもと合併協議が再開。同年9月14日に解党し、民主党(国民民主党の合流推進派が分党した暫定政党)、無所属の会と共に新「立憲民主党」へ移行した。
政治的思想・立場
立憲民主党は「立憲主義の回復」を旗印にしており、旧民主党の右派と左派が同居する包括政党としての性格を継承しつつ、保守派の多くが抜けたことから左派色の強い政党となった。
民進党が取り組んできた日本共産党などとの野党共闘は継続し、マスメディアなどではリベラル派政党とみなされることが多いが、枝野は「右でも左でもなく民主主義と立憲主義を前に進める」政党であるとしており、亀井亜紀子など保守・右派的傾向の強いとされる人物も合流している。一方で本党には有田芳生のように左翼と見なしてよい議員も所属しており、枝野と福山哲郎の両名に代表される中道を軸に、右派から左派まで幅広い議員が在籍する民主中道政党ともみなされる。
実際、代表である枝野幸男は保守本流を自称しており、幹部の福田哲郎や蓮舫と共に伊勢神宮を参拝するなど保守的な行動を行っている。また、彼は革新政党である日本社会党ではなく保守政党である日本新党出身である。
立憲民主党(2020-)
概要
2020年9月15日に上記の政党と国民民主党の大部分と民主党系無所属議員、2021年に社会民主党の一部が合流して結成された。
母体となった前身政党と名前、代表が同一だが、1998年の民主党結党時とは異なり法人上も新たに設立されたため完全な新政党である。「立憲主義と熟議を重んずる民主政治を守り育て、人間の命とくらしを守る、国民が主役の政党」とし、続いて自由と多様性の尊重、共生社会の創造、国際協調、未来への責任を果たすことを基本理念に掲げる。公式カラーは青。
政策
内政
- 日本国憲法の三大原理(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)を堅持
- 立憲主義を深化させる観点からの憲法改正議論を行う
- 草の根民主主義に基づく熟議
- 適切な政治・行財政改革の実行
- 実効性のある公文書管理及び情報公開の徹底、透明で公正な信頼される政府の実現
- 地方自治の確立
社会
- 人権が尊重される社会、ジェンダーや性的指向、性自認、障害の有無、雇用形態、家族構成などによるあらゆる差別に反対
- 選択的夫婦別姓及び同性婚の合法化
- 持続可能な社会の実現のため、再生可能エネルギーへの転換と共に脱原発
経済
- 公正な配分による格差是正、大きな政府
- 新自由主義の否定
外交・安全保障
新型コロナ対策
積極的な検査を中心とした「ZEROコロナ」
国会議員
余談
この党名は民主党が維新の党と合併する際に民主党側が提示した新党名でもあった。
英称として「Constitutional Democratic Party of Japan」と定めているが、戦前の二大政党であった立憲民政党の英称も「Constitutional Democratic Party」である。