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ミラクルドラゴングレイブ

みらくるどらごんぐれいぶ

ミラクルドラゴングレイブとは、ドキドキ!プリキュアに登場するアイテムの一つ(メイン画像の槍)

概要

ドキドキ!プリキュア』に登場するプリキュア三種の神器の一つ。「あらゆるものを貫く光の」と言われている。

ちなみに「グレイブ」とは槍ではなく薙刀の事だが、この武器においては形が本当に槍に似ているので『』と訳されている。

(劇中では突くだけでなく薙ぎ払ったり振りかぶったりする使われ方も多いので、アクション演出としては薙刀のそれを意識しているのは間違いない)

1万年前のプリキュア、キュアマジシャンが所持していた武器で、トランプ王国の王室の宝としてアン王女に受け継がれていた。もしかしたら彼女はマジシャンの子孫で父が使っていたものだと思われる。

ジコチューがトランプ王国に侵攻した際、アン王女が手にし、その槍の力でキングジコチューを石化させた(本気を出せば槍の力でキングジコチューを消し去ることさえできたらしい。そうしなかった理由はマリー・アンジュの項目参照。ただし、重大なネタバレが含まれます)。

石突きにはダイヤとクラブを模った飾りが付けられており、穂先はトランプのスートを複雑に組み合わせたような独特の形状をしている。アニメでは穂先のアップがあまり描かれないためか、pixivの絵によっては穂先の形状がまちまちである。攻撃に使用する場合はその穂先が黄金の光に包まれる。さらにその光を光線として敵に射出することも可能。

プリキュア三種の神器」という概念は第30話で初めて示唆されたが、ミラクルドラゴングレイブは第7話の回想シーンで先行して登場しており、この時点でアン王女=槍使いというイメージを視聴者に強く印象づけている。

モデルは日本神話の三種の神器のひとつ草薙剣天叢雲剣)。

「ドラゴン」が名前に入っているのは草薙剣の伝承である八岐大蛇になぞらえたものと思われる。

本編での扱い

トランプ王国崩壊後は、王宮の地下室に突き刺さり封印されていた。ジコチュー陣営にとっては自らを滅ぼしかねない危険な代物であるが、この槍を上手く自らの力になるように管理したいという思いもあったようだ。

しかし(イーラ曰く変な)魔法がかかっていたのかジコチュートリオが触れればダメージ(電撃)が加わる為、ジコチュー陣営は入手することも壊すこともできなかった。マーモ曰く、ジコチュートリオがアン王女を捕獲しようとしているのは、この槍の封印を解かせるためでもあるという。

ジコチュートリオは「プリキュアならば神器の正統後継者として、封印など無視して槍を手に入れることができてしまう」と考えており、プリキュアたちに槍が奪われることを警戒していた。

もっとも、プリキュア側は槍の現在の在処を知らなかったうえに、トランプ王国へ自由に行く手段も持っていなかったので、プリキュア側が独力で槍を見つけることはかなり困難だったと思われる。

しかし39話ではジコチューのナンバー1になる野心を変わらず秘めるベールが、プリキュアを利用して槍を引き抜かせた上で横取りする計略を立て、あえて槍の在処の情報をプリキュア側に伝える。だがその目論見は相田マナたちに見抜かれ、逆にマナたちはベールに騙されたふりを続けて槍の在処まで案内してもらうことにした。槍のある場所まで来た時点でマナ達はベールに案内御苦労さまとネタばらし。この時点でベールの計略は半ば破綻しかけていた。

だが諦めるのは早かった。途中経過はどうあれ、引き抜いてもらって力ずくで奪いとれば結果オーライだった。すでにベールの意図がバレてるのに槍を奪われるような隙をプリキュアが見せるとは思えないのだが、もはやベールには姑息な策略をする余裕は残されていなかったのだ。そしてプリキュアたちがこの槍を引き抜き、いよいよ力づくで奪う作戦に移る···はずだった。ところが、プリキュアですら抜くことができないという予想外の事態に見舞われる

そこに長い眠りから目覚めたレジーナがプリキュアたちを倒すために戦闘に参加。しかし、レジーナが眠りについている間に成長を続けたプリキュアたちとの間には実力差があり、レジーナはプリキュアたちに押し負けてしまう。

マナはレジーナに自分たちの仲間に戻るように説得する。

だがレジーナは、自分が父キングジコチューから離れたら、一人ぼっちにさせてしまうとそれを強く拒否。絶体絶命のレジーナは、父を守るための力を得れるならば何を犠牲にしてもよいとの気持ちで、祈るかのように槍に手をかける。

結果、槍はいとも容易く引き抜かれ、矛先は金色ではなく紫色に変色し覚醒。槍はレジーナの所有物となった。

ミラクルドラゴングレイブの入手により、かなり水をあけられていたプリキュア達との力量差が埋まり、レジーナはプリキュア達に撤退を余儀なくさせるほどの力を得た。

しかし第47話ではレジーナキュアハートの命がけの説得によって、愛する相手だけを見てそれ以外の世界を見ないのでは、その愛する相手も自分も不幸になると気付かされる。その心に呼応するかのように、槍の矛先は元の金色に戻った。

所有者の資格についての考察

レジーナにとってみれば、父親であるキングジコチューを封印した仇のアイテムであり、尚且つ彼女もジコチューの一員であるのにも関わらず、他のジコチュートリオが触れることすらままならなかった槍を見事に使いこなしている。

そこでなぜ彼女が槍を使えるのかという謎が出た。

ベールは「槍がレジーナを選んだ」と発言しており、レジーナが神器の所有者に必要な条件を満たしているのは確かのようだ。

ベールは「一万年前のプリキュアの武器なんだから、プリキュアにしか使えないアイテムなんだろう」と考えていたが、これはあくまでただの推測にすぎない。

そもそも、プリキュアではないアン王女が槍を使えていたのだから、プリキュアであるかどうかは重要な条件ではないのだ。

三種の神器の一つである「マジカルラブリーパッド」を守護していたメランは、キュアエースに覚醒する前の亜久里に「水晶の鏡を手にすることが出来るのは伝説の戦士プリキュアだけだ」と語り、亜久里に神器を渡さなかった経緯があるが(第30話)、これについては、あくまでマジカルラブリーパッドの使用条件に「プリキュアであること」が含まれるだけで、他の神器も同じ条件である必要はない。

レジーナがミラクルドラゴングレイブを引き抜いた39話では、槍がなぜ彼女を所有者として認めたのかについては謎のままであった。

これについて、主に次の2説が視聴者の間で推測されている。

  • 「誰かを守りたい」という想いに反応した

同じプリキュア三種の神器の一つである「マジカルラブリーパッド」はプリキュアならば誰でも使えるようなものではなく、キュアハート達がリーヴァ・グーラとの戦いで「絶対にあきらめない心」を発露したことで現在の形に覚醒している。

一万年前の所有者であったキュアエンプレスも不屈の心を持つプリキュアであり、それゆえに神器は力を貸していた。

同じように、ミラクルドラゴングレイブも人間の強い思いに反応するのではないかという説がある。

レジーナは槍を手にする直前、「私がパパ(キングジコチュー)を守る」という想いを強く抱いている。

その「大切な人を守ろうとする愛の心」に反応して覚醒したというわけだ。

この時点でのレジーナは父キングジコチューの洗脳を受けていて、父への依存心が強制的に増大されている。レジーナの父への思いが「人為的に植え付けられた歪んだ感情」であるならば、「仮にも神器と呼ばれるアイテムが、そんなまがい物の思いに反応するものなのか」という違和感への指摘もある。

ただし、これについては、まがい物の思いに反応してしまったからこそ、聖なる槍がジャネジーに染まってしまったのだという考え方もできる。

作中においては、マナが「レジーナの父への愛は本物だ」と信じており、逆に亜久里は「レジーナに愛なんてない」と否定的な立場をとっていた。

  • アン王女との繋がり

ミラクルドラゴングレイブはもともとはアン王女を所有者として認めていた。

アン王女が神器に認められた経緯については作中で語られていないのだが、とにかく、アン王女には槍の所有者たる資格があったということである。

そこで、ミラクルドラゴングレイブはレジーナをアン王女だと誤認してしまったのではないかという説がある。

レジーナは「キングジコチューの娘」とされているが、彼女はある時点から過去の記憶が一切なく、その出自が謎に包まれている。ベールも一瞬「こいつジコチューじゃないんじゃないのか?」と推測している。

そこで、レジーナにはアンジュ王女と何らかの繋がりがあるという説がでている。

また、変身前の姿はレジーナに、キュアエース変身時の姿がアン王女に似ており、両者と何らかの関係を劇中で示唆されている円亜久里が、39話中では足止め役を買って出ておりミラクルドラゴングレイブを抜くチャレンジをしていないので、亜久里が手にしていたらどうなっていたのかという疑問が示されている。

その後のネタバレ

以下からの記述には、本作の核心部分のネタバレが含まれます

亜久里とレジーナの正体はアン王女の分身体であった。

そうなると、やはりミラクルドラゴングレイブはアン王女でないと使いこなせないアイテムという説が有力といえる。

ただし、レジーナの父への思いが槍を覚醒するためのキーになったという見方も否定はできない。

レジーナがエターナルゴールデンクラウンの導きで自分が王女であることを知った後でも、キングジコチューに施されていた洗脳から完全に解放された後でも、槍はジャネジーに穢れたままであった。

だが、レジーナがキュアハートから本当の博愛の意味を教えられたときに黄金の輝きを取り戻した。

槍はレジーナの洗脳された感情ではなく、その底に秘められている本心に呼応していたのである。

「愛のためならば、何だって犠牲にできる」という考えはレジーナが槍をはじめて手にしたときの偽らない本心だった。歪んだ形であってもレジーナは本心から父を愛していた。

ゆえに、その本心としての歪んだ愛に反応して、ミラクルドラゴングレイブは歪んだ形で覚醒したのである。

結果的に、上記の二つの説のどちらでも正しいと言えるだろう。

更なる関連タグ

サタンサーベル:同じく一つの存在のみが使いこなせるアイテム。