「10万3000冊は、全て使えば世界の全てを例外なくねじ曲げる事ができる。
私達は、それを魔神と呼んでるの」
「……、じゃあ。私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
「祈りは届く。人はそれで救われる」
曖昧さ回避
インデックスとは、
- ライトノベル『とある魔術の禁書目録』の登場人物。またはその作品の略称。キャラクターについては本項で記述する。
- 索引、付せんのこと。
- indexファイルのこと。
- ゲーム会社、ATLUSの旧社名。かつての親会社の名前もインデックス(インデックス・ホールディングス。以下インデックスHD)である。
プロフィール
正式名称 | Index-Librorum-Prohibitorum(ラテン語で禁書目録の意) |
---|---|
身長 | 148㎝ |
年齢 | 不明(見た目は14,5歳程度) |
髪の色 | 銀 |
目の色 | 緑色 |
魔法名 | 「dedicatus545」(献身的な子羊は強者の知識を守る)。 |
CV | 井口裕香 |
禁書目録(インデックス)
完全記憶能力によって10万3000冊の魔道書を記憶する生きた「魔道書図書館」。その力を利用して教会から世界中の魔道書を見せられ、それら全てを暗記する魔術のデータベースとして作られた。
本名・年齢など本人に関わるデータのほとんどが不明。外見から年齢は14歳前後と見られているが、それも推測に過ぎない。
呼び名や所属、所有する能力が初巻である旧約1巻で判明して以降、新たに判明した設定はなく、考察できるネタもわずかなので、上条当麻や御坂美琴、アクセラレータのように設定が多く、考察も多数ある他のメインキャラクターと比べると特徴が少なく、個性が弱い。
また、作中で大きく成長したり気持ちが変化した美琴やアクセラレータなどと違い、成長や気持ちの変化はなく、本人のイメージは登場した頃のままである。
※設定が少ないのはインデックスを常に安全圏に置くために、出番がなくても話に大きな影響を与えないようにするため、成長や気持ちの変化がないのは大切なインデックスのイメージ(作者曰く「平穏な日常の象徴」)を固く守るため、と考えれば一応は納得できる。
彼女を手にした者は魔術の神「魔神」の領域にまで到達できる。そのため、近代魔術師に狙われている(彼女は旧約1巻で黄金夜明や薔薇十字のような結社を例に挙げた)。学園都市へも自分を狙ってきた魔術師たちから逃げ延びる目的でやって来た。
とある事情で学園都市へ到着する以前の『思い出』がない(※能力の欄を参照)。
見た目の年齢に比べて性格や精神年齢が幼いのも、これが大きく影響していると思われる(『思い出』がない彼女は知識だけ持って産まれた新生児のようなもので、おまけに上条と違い科学の知識や常識のない彼女にとって、科学の街『学園都市』での生活は毎日が新発見である)。
語尾に「~なんだよ」「~かも」を付けた口調で喋る。日本人の名前を呼ぶ時は「とうま」や「ひょうか」などひらがなで表記される。
電脳戦機バーチャロンとのコラボ外伝「とある魔術の電脳戦機」においては、バル・バドス使い。
噛み付き癖
上条当麻が彼女以外にフラグを立てたり微妙に回収すると頭部(若しくは腕・全身)に噛みつく習性を持つ。
実はこの「噛み付く」という行為をするのは上条に対してのみで、照れ隠しややきもちに類する感情表現であるかどうかは、インデックス自身気が付いていない。
食
賞味期限の切れた物も熱を通せば問題ないという鋼鉄の胃袋の持ち主。
外見に似合わず非常に食欲旺盛かつ大食いで、腹を空かせて食事をねだることが多い。反面、空腹がいつまでも満たされないでいると機嫌が悪くなり、その矛先は主に上条に向かう(実際、原因の大部分は上条にあるのだが)。
機嫌は悪くなるが、長時間食べられなかったからといって気絶したりはしない様子。
食べても太らない体質なのかは不明だが、大量に食べても彼女の体格に変化は見られない。
能力
10万3000冊もの魔道書を暗記する完全記憶能力。一度知覚したものは雨粒の数だろうと円周率だろうと完璧に記憶し、忘れることができないというもの。
既存の魔術であれば一瞬でその全貌を見破り、また未知の魔術に対しても高い解析能力を発揮する。しかし自力で魔力を精製できないため、基本的に戦闘能力はほぼ皆無。
ただし魔術師相手ならば、詠唱に横やりを入れその術の照準を狂わせる『強制詠唱(スペルインターセプト)』や、集団真理を利用し相手の精神を一時的に崩壊させる『魔滅の声(シェオールフィアー)』等を使って応戦出来る。
「自分は魔術が使えない」と教会側に教え込まれているらしく、また同僚でありかつての親友であるステイルや神裂もそれを信じていた。
しかし魔術が使えない本当の理由は、教会側(ローラ=スチュアート)が彼女に仕込んだ『自動書記(ヨハネのペン)』と呼ばれる魔術に彼女の全魔力が注がれているため。
完全記憶能力のせいで記憶容量に限界があるため、「一年周期で記憶を消去する必要がある」というのもインデックスを完全に道具として扱うための教会側の都合のいい嘘である(魔力=体力であるため、彼女の摂取したカロリーのほとんどは魔力としてここに貯蔵されているのかもしれない)。
自動書記(ヨハネのペン)
彼女の裏切りを恐れた教会側が彼女の魔術を封じる為のものであり、また10万3000冊の危機には彼女の人格を乗っ取る形で起動し、敵対者をその圧倒的な魔術でなぎ払う。インデックスの生命の危機等の特定条件下で自動的に発動する。また、遠隔制御霊装により強制的に発動させることも可能。
発動時はインデックスの人格や感情は消失し、瞳の中に魔法陣が浮かぶ。また、インデックスには発動時の記憶は無いらしい。
10万3千冊の魔道書の知識を総動員し、相手の能力の特性を解析する。そして、最適な対抗手段を用いて相手を排除する。対象が幻想殺しのような魔術以外のものでも対応可能。
旧約1巻において幻想殺しを「竜王の殺息(ドラゴンブレス)」によって押し戻すなどの成果を見せており、その威力と応用性は絶大。
旧約22巻でも遠隔攻撃が可能な「赤い天使の翼」、竜王の殺息を変質させた「神よ、何故私を見捨てたのですか(エリ、エリ、レマ、サバクタニ)」、更には北欧神話において無敗を誇る「豊穣神(フレイ)の剣」などで猛威を奮った。
ステイル曰く「彼女と戦うことは、一つの戦争を迎えることに等しい」。
自動書記モードのインデックスは、オッレルスと同じく『魔神』に近い存在とされている。
読者からは「ペンデックス」「ペンさん」と呼ばれる事が多い。
インなんとかさん
守られ系ヒロインとしては絶対的な彼女だが、その反面メインヒロインとしての活躍には空白期間が多い(出番そのものは多いが、プロローグやエピローグ、幕間など話の本筋から離れて登場する場合が多く、脇役扱いが基本)。その時期に出来た弄りネタである。しかし、現在ではアニメ新規層(主に原作未読者)がこのネタを好んで使用しており、完全に蔑称として浸透している。
ネタが蔑称として浸透した後に作られたアニメ2期は、インデックスが文句無しにメインヒロイン扱いだった原作のロシア編と同時進行だった為、このネタを使う者は容赦なく「に●か」扱いされていた。
また、アニメ超電磁砲(通称アニレー)の大ヒットからインデックスを貶めて御坂美琴を推す者も急増し、当時の原作読者の一部はそのアンチテーゼ的に美琴を嫌うなど、二重三重に被害(※)が発生してしまった。
※原作美琴ファンの肩身まで狭くなっていた。5ちゃんねる(2ちゃんねる)やしたらばが活発的だった時期の悪しき過去と言えばそれまでだが。
更にややこしいのが、2期放映時に原作が「新約」に移行してからは暫く本当にインデックスの出番が無かった事。風評被害ではなくネタが事実となっていた時期が存在する。彼女の暗黒期と言えよう。
もともとシリアスなキャラクターではなく、彼女の場合は周囲の人物によって物語の中心(=シリアスな非日常系のバトルアクション)から意図的に遠ざけられているので、話に出てこない時は上条さんたちが頑張ったんだと思ってあげよう。
考察ネタ
インデックス=リリス(とある魔術の禁書目録)説
黎明期よりアレイスターと容姿が似ているインデックスは、アレイスター=クロウリーの第一子である、リリスのクローンか同一人物ではないかと考察されていた。もしくは史実におけるリリスの妹のローラ・ザザ・クロウリーやその子孫といった説も。
インデックス=ベイバロン説
上条当麻=ハディート説や御坂美琴=ヌイト説に比べるとマイナーだが、ファンの間で密かに囁かれている考察の一つ。
1つ目の根拠が、インデックスが旧約2巻で拾って飼い始めた三毛猫にスフィンクスと名付けこと。
ベイバロンは『ピラミッドの都市の入り口』であり、スフィンクスはピラミッドや神殿の『守護者』として有名である。
2つ目の根拠は、ベイバロンの語源は『古代都市バビロン』であり、バビロンの意味は『神の入り口』だということ。
作中では、インデックスが記憶している10万3000冊(※現在は10万3001冊)の魔導書の知識を使えば『魔神』になれる、と言われている。インデックスは存在そのものが『魔神の入り口』と呼べる。
3つ目の根拠は、新約19巻で美少女化したアレイスターが手に入れた、銀髪・翠眼のインデックスによく似た姿は、「ベイバロンをイメージソースにした肉体」だということ。
※おまけとして、インデックスの魔法名「dedicatus545」の数価545はゲマトリアで「歯」や「噛む者」の意味らしい。
鎌池作品におけるメインヒロイン
作者である鎌池和馬が神秘的なイメージを抱くのは「真っ白な、スカートの長いワンピース系の衣装を纏った少女」であり、無意識に中心核に据えてしまうのだとか。つまり髪も衣装も白銀系のインデックスは鎌池にとって理想形と言える存在なのかもしれない。
インデックスを除くとメインヒロインでは、
- 白き女王(未踏召喚://ブラッドサイン)
>>全てが白。色んな意味で頂点。
- ベアトリーチェ(ぶーぶー)
>>銀髪だが衣装は…。
- 縁(インテリビレッジの座敷童)
>>座敷童の本来の色は「白」。では彼女の「チゾメ」の赤い着物とは…?
- アイネ(アポカリプス・ウィッチ)
>>こちらはインデックスというより白き女王の系譜。
ちなみに鎌池はこの傾向を意識し、某金髪お姫様にあえて真逆の属性を付与した。
絶対的存在
インデックスの蔑称のせいか、鎌池作品のメインヒロインが不遇だと思っている者も存在するが、これは大きな誤解である。むしろ編集時点で完結済みの3作品(※)はいずれもメインヒロインが「絶対的な存在」で、間違っても不遇などとは言えない。
※『インテリビレッジの座敷童』、『未踏召喚://ブラッドサイン』、『最強をこじらせたレベルカンスト剣聖女ベアトリーチェの弱点 その名は「ぶーぶー」』のこと
インデックスの場合は身の安全の確保と、大切な特有の雰囲気を守るため意図的に「ヒロインらしさ」を排除されているだけなので、人気がないわけでも存在感がないわけでもなく、むしろ忘れた頃に大切な役割を果たしてくれるなど、出番がなくても存在感のあるとても不思議なキャラクターである。
鎌池作品のメインヒロインはいろんな意味で強者ばかりだが、インデックスには是非ともこの面子の後に続いて欲しいものである(もっとも、インデックスや彼女と同じくちょくちょく空気化する『ヘヴィーオブジェクト』のお姫様の方が、その他の鎌池作品のメインヒロインよりも人気・知名度ともに圧倒的に上なので、強者・絶対的存在と呼ぶには疑問があるが…)。
余談
- インデックスのモチーフ
作者のはなしでは、インデックスのモチーフはファンタジーものお決まりの不思議な力を持った魔法の本で、それを女の子として擬人化したものが彼女らしい。
- ローラ=スチュアート(●●●●●)のデザイン
はいむら曰くローラのデザインはインデックスの成長した姿を想定しているらしい。登場巻やデザイン、ファーストネームから彼女はローラ・ザザ・クロウリーではないかと初期の時点で言われていた。
関連イラスト
絵師はいむら氏によるイラスト
関連タグ
シンコウウインディ(噛み付き癖があることで共通している)