人間ってほんと愚かだよねぇ。無駄なことに命かけちゃったりしてさ
実写版キャスト:本郷奏多
概要
中性的な容姿・服装をしており、性別は不明。ちなみに、一人称には男性的な「俺」「僕」や女性的な「私」「あたし」などではなく、「このエンヴィー」という独特な言い回しを使う(ただし、マルコーにやられて弱った時は、「俺」「私」と二つの一人称を使っていた。アニメ「FA」ではカットされているが、原作では「僕」も使用している)。
一見するとひょうきんで、人を小馬鹿にするようなキャラだが、その性格はラストから「仲間内で一番えげつない」と称されるほどに残忍で狡猾。どこまでも人間という存在を「ゴミ虫」「虫けら」と見下しており、人間同士が争い合う様を嬉々として観察している。
ホムンクルスの中では特に感情が豊かで、かなり饒舌。人が決して触れてほしくない所に敢えて触れたり他人の神経を逆撫でする事を好んだりと性格が悪い。
普段は飄々とした体を装っているが激昂しやすく、特に自身の容姿に関して触れられると一気に怒りのボルテージが上がる。また、自分が見下されると怒って冷静さを失う。
変身能力を有しており、年齢・性別を問わず、犬や馬などの動物にも変身出来る。変身対象にほぼ制限はないが、あくまでエンヴィーが得た情報に左右されるため、決して完全というわけではない。実際に、マース・ヒューズ中佐を殺害する際、マリア・ロス少尉に変身したが、彼女の左目に泣き黒子があるのを知らずに変身したため、偽者だと見破られている。
見た目は細身だが実際の体重はかなり重いもので、当人の正体が巨体であることを示唆している。
その一方で、危機的状況を脱する為にエドの要請を憎まれ口を叩きながらも受け入れて共闘する時にはそれなりに律義な一面を見せている(「FA」版の担当声優である高山みなみの発言より)。
人気投票ではホムンクルス達の中で唯一毎回TOP10入り(第1回目:9位、第2回目:5位、第3回目:6位、第4回目:6位)している(他に10位以内に入ったホムンクルスは第4回7位のグリードのみ)。
正体
原作とそれに沿った2009年アニメ(FA)と、2003年アニメで差異がある。
原作漫画及びアニメ2009年アニメ版FAにおける正体と結末
巨大なトカゲのような体の表面に無数の人の顔や体が生えたグロテスクな怪物であり、核である賢者の石の残量が1になると哺乳類の胚のような姿になる。この状態ではまともに行動できなくなり、大きさも大人の掌ほどにまで小さくなる。しかし、他人の肉体を乗っ取って吸収し、直接賢者の石の残量に還元することで元の大きさに戻ることが出来る。アニメでは声のトーンも変わる。怪物姿の際も、胚のような姿の際も、体色は爬虫類のような緑色をしている。
最後の対決の際に、ロイ・マスタング達に自分がヒューズを殺したことを明かし、更には彼の死を侮辱するなどしてマスタングを挑発したことで彼の怒りを買い、凄まじい炎の猛攻で半死半生にまで追い詰められる。往生際悪く、ヒューズに変身してマスタングを油断させようとしたりマスタング本人に変身してリザ・ホークアイを欺こうとしたりしたが、それらの卑劣な策も通用しなかった。遂には体を燃やし尽くされて本体が残ったところをマスタングにとどめを刺されかけるが、憎しみに囚われる彼を見かねたエド達に止められる。
それでもなおエド、スカー、マスタング、ホークアイを十八番の口車で誘導し同士討ちを狙うも、既に他者への憎しみを捨てていた4人には通用せず、逆に「人間を嫌っている一方でその人間を羨み、嫉妬していた」という自身の本質を、最も嫌っていた人間であるエドに理解されてしまい、その屈辱に耐えきれなくなり、自ら賢者の石を剥がして自害する。その際初めてエドのことを「鋼のおチビさん」ではなく本名の「エドワード・エルリック」と呼んで消滅していった。
なおその最期を見届けたマスタングは「自死か…卑怯者め」とやるせなさそうに呟いている。
実力ではマスタングに敗北し、エドに本質を理解されたことで精神的にも追い詰められた末に破滅するという形となった。
2003年版アニメ及び劇場版における正体と結末
ダンテとホーエンハイムの間に生まれた息子が水銀中毒で死に、それをホーエンハイムが人体錬成で蘇らせようとした結果生まれたホムンクルス。性別は男性で、一人称は僕もしくは俺。正体はホムンクルスの象徴のウロボロスや嫉妬の悪魔のリヴァイアサンのような龍の姿である。
2003年版放送当時は原作においてまだ真の姿は出ていなかったために、変身能力以外には特別な力は持っていない。その代わり単純な戦闘能力は原作より高く、ホムンクルスの中で最強。身体能力やパワーそのものがずば抜けており、適当に殴っただけで石畳を月面のクレーターのようにするなどプライド(今作での正体はキング・ブラッドレイ)や今作におけるラースすらも超えている。
TV版最終回においてはエドを殺害した後、ホーエンハイムを追うため龍の姿になり門の向こうへ旅立った。人間になりたいとは全く思っておらず、全ての人間を憎み世界を滅ぼそうと考えており、出番の多さや活躍からダンテと共に実質的なラスボスの一人という見方もできる。
「僕は行くんだ! ホーエンハイムの所に! あいつの所に…父さんの所に!!!」
続編である劇場版『シャンバラを征く者』では、アニメ本編の最後に見せた龍の姿で登場し、エドと戦うことになる。しかし変身能力を使えなくなってしまったため、最終的にはトゥーレ教会が空から発射した銛砲により捕縛され、最後はホーエンハイムとともに『扉』を開くための対価となって消滅した。
劇場版においてはあっさり退場してしまったが、TV版においてはやりたい放題やった末にほぼ勝ち逃げに等しい結末のため、あらゆる面で原作とは対照的と言える。
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旧鋼(2003年版) FULLMETALALCHEMIST(2009年版)