少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ
概要
「GUNSLINGER GIRL」(ガンスリンガー・ガール)は、相田裕の漫画作品である。「義体」と呼ばれる少女達をメインに据えたガンアクション漫画。略称はガンスリ。
アスキー・メディアワークスの雑誌『月刊コミック電撃大王』で、2002年5月から連載中。単行本は現在14巻まで発刊。
2003年と2008年の二回にわたりアニメ化された。 また第一期のアニメに合わせてゲーム化もしている。
ストーリー
架空の現代イタリアを中心としたヨーロッパが、物語の舞台である。
イタリア国内では地域間や思想の対立で暴力と暗殺の連鎖が続いていた。そんな折に、首相府は公益法人「社会福祉公社」を設立し、障害者の子供を保護と支援に乗り出す。しかし、それは表向きの理由だった。
公社の実体は身障者の子供を機械の体に改造し、「薬」による洗脳(条件付け)を施して、政府の汚れた仕事をさせる諜報機関であった。「義体」と名付けられた少女達は、担当官とのチームを組み、イタリア政府を脅かす者達と戦っていく。
「条件付け」によって過去の記憶を失い、短命となった少女達は、偽物の感情と使命感を与えられ、公社による訓練と命令を忠実にこなし、殺戮に手を染めていく。しかし銃を持ち、担当官の命令に従って戦えるのが、彼女達にとって何より幸福なことなのである。
特徴
対テロ機関「社会福祉公社」と、テロリスト集団「五共和国派」との戦いを軸に、話が展開している。
作中に登場する「義体」は全て少女であり、公社の任務以外では至って普通の女の子として描かれている。また担当官が「義体」の少女をどう扱うかは、それぞれの思惑で大きく異なっている。彼らの関係は、本作の大きな見どころとなっている。
「義体」少女達の萌え要素が盛り込まれてはいるが、話の内容はかなりシリアスである。「義体」達は任務中に殺されるか、「薬」の副作用でボロボロになって死ぬかという運命にあるため、絶えず死と向き合う展開になっている。また子供を殺人の道具として改造・洗脳するというテーマは賛否両論であり、人を選ぶという声もある。
現代イタリアが抱える社会問題が、フィクションを取り混ぜつつも深く掘り下げられていて、作品に奥行きを持たせている。
もちろん銃器は多数登場し、ヨーロッパ製のものが使用されている(SIG・ファブリックナショナルなど)。
用語
義体
戦闘用に改造された子供たちのこと。脳を除く肉体の八割が人工物。異常な怪力と鋭い感覚を持っており、多少の被弾やケガではビクともしない。薬の副作用により身体や記憶に障害を抱えていて短命である。
元は事件や病気で行き場をなくした子供が、素材として使用されている。作中では全員少女である。
担当官
義体とパートナーを組み、共に任務をこなしたり、戦闘訓練、メンタルケアなど行う社会福祉公社の者。作中では全て成人男性が務めている。
条件付け
「薬」による記憶の書き換え。これにより義体達は担当官に盲目的に従うようになる。
フラテッロ
ラテン語で兄妹という意味。義体と担当官のコンビを指す。
登場キャラクター
義体
一期生
- ヘンリエッタ(CV:南里侑香 / 阿久津加菜)
- リコ(CV:三橋加奈子 / 塩野アンリ)
- トリエラ(CV:仙台エリ / 榎本温子)
- クラエス(CV:小清水亜美 / 水野理紗)
- アンジェリカ(CV:寺門仁美 / 花澤香菜)
- エルザ・デ・シーカ(CV:能登麻美子)
- ベアトリーチェ(CV:伊瀬茉莉也)
二期生
ゲームオリジナル
義体担当官
- ジョゼッフォ・クローチェ(CV:木内秀信 / 三戸耕三)
- ジャン・クローチェ(CV:宮本充 / 子安武人)
- ヴィクトル・ヒルシャー(CV:江原正士 / 松風雅也)
- マルコー・トーニ(CV:井上倫宏 / 矢尾一樹)
- クラウディオ・ラバロ(CV:堀内賢雄)
- アレッサンドロ・リッチ(CV:白石稔)
- ラウーロ(CV:津田英佑)
他の社会福祉公社職員
- ロレンツォ・ピエリ(CV:家中宏 / てらそままさき)
- フェッロ(CV:中川里江)
- プリシッラ(CV:鈴木真仁 / 高橋まゆこ)
- オリガ(CV:尾小平志津香 / 加藤沙織)
- アマデオ(CV:前田剛 / 細谷佳正)
- ジョルジョ(CV:下崎紘史)
- アルフォンソ(CV:岩崎征実 / 渡辺秀雄)
- ニハッド(CV:土屋裕一)
- マリオ(CV:下崎紘史)
- モニカ・マリア=ペトリス(CV:赤土眞弓 / 吉沢希梨)
- ドラーギ(CV:小村哲生 / 辻親八)
- ピエトロ・フェルミ(CV:池田秀一)
- エレノラ・ガブリエリ(CV:水野理紗)
- ベリサリオ(CV:山崎たくみ / 真殿光昭)
- ビアンキ(CV:真殿光昭)
- ロッサーナ
- レスキリアン
- エンツォ(CV:土屋大)
- アルトマイヤー(CV:土屋大)
五共和国派(パダーニャ)
- アーロン・チチェロ
- ルチャーノ
- ピノッキオ(CV:岸尾だいすけ)
- クリスティアーノ・サヴォナローラ(CV:龍田直樹 / うえだゆうじ)
- ジョン・ドゥ(CV:樫井笙人)
- フィリッポ・アダーニ(CV:西村仁)
- バルナバ
- グイド
- レオナルド・コンティ(CV:高階俊嗣)
- マンジェロ・マリノフ(CV:上別府仁資)
- ブルーノ(CV:高瀬右光)
- ヴィンチェンツォ(CV:前田武)
- セルジョ・アイマーロ(CV:水野広一)
フリーの活動家
その他
- クローチェ検事
- カーラ
- エンリカ(CV:阿久津加菜)
- フェルナンド
- ラシェル・ベロー(CV:小松由佳)
- ロベルタ・グエルフィ
- マリオ・ボッシ(CV:長島雄一)
- マリア・マキャヴェリ(CV:藤森多哉)
- パトリツィア(CV:渕崎ゆり子 / 能登麻美子)
- イザベラ・ダンジェロ(CV:幸田直子)
- ドメニコ(CV:下崎紘史)
- アウローラ(CV:酒井香奈子)
アニメ
第1期
2003年10月から2004年2月まで全13話が放送された。
主題歌
オープニングテーマ
「THE LIGHT BEFORE WE LAND」
作曲 - デルガドス(The Delgados)
エンディングテーマ
「DOPO IL SOGNO 〜夢のあとに〜」
作詞 - うえのけいこ / 作曲 - 佐橋俊彦 / 編曲 - 佐橋俊彦、三村奈々恵 / 歌 - op.(オーパス)
挿入歌
「Woke From Dreaming」(第7話)
作曲 - デルガドス(The Delgados)
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 兄妹- fratello - |
第2話 | 天体観測- orione - |
第3話 | 少年- ragazzo - |
第4話 | 人形- bambola - |
第5話 | 約束- promessa - |
第6話 | 報酬- gelato - |
第7話 | 守護- protezione - |
第8話 | 御伽噺- Il Principe del regno della pasta - |
第9話 | 彼岸花- Lycoris radiata Herb - |
第10話 | 熱病- amare - |
第11話 | 恋慕- febbre alta - |
第12話 | 共生- simbiosi - |
第13話 | 流星- stella cadente - |
第2期
2008年1月より『GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-』(ガンスリンガー・ガール イル・テアトリーノ)のタイトルで全13話+OVA2話が制作された。
主題歌
オープニングテーマ
「たった1つの想い」
作詞・作曲 - KOKIA / 編曲 - KOKIAn'S / 歌 - KOKIA
エンディングテーマ
「doll」
作詞・作曲 - 麻枝准 / 編曲 - ANANT-GARDE EYES / 歌 - Lia、多田葵
挿入歌
「スカボロー・フェア」(第8話)
作詞・作曲 - イングランド民謡 / 編曲 - 冬野竜彦 / 歌 - 多田葵
「human」(第13話)
作詞・作曲 - 麻枝准 / 編曲 - ANANT-GARDE EYES / 歌 - Lia
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 二人の距離 兄妹 |
第2話 | ピノッキオ |
第3話 | シミュラクラ |
第4話 | アンジェリカの復帰 |
第5話 | 泡沫と追憶 |
第6話 | チベタンテリアの引退 |
第7話 | カテリーナ 復讐の円環 |
第8話 | クラエスの一日 |
第9話 | 賢い蛇 純真な鳩 |
第10話 | 善意の花 |
第11話 | 芽生える感情 |
第12話 | 戦う人形 |
第13話 | そしてピノッキオは人間に |
OVA 1 | ヴェネツィアの光、心の闇 |
OVA 2 | ファンタズマ |