概要
CV.松本沙羅
アニメ『半妖の夜叉姫』に登場する3人のヒロインの1人。殺生丸とりんの双子の娘の内の1人で、犬夜叉の姪でもろはの従姉妹に当たる。
脚本を担当する隅沢克之は、夜叉姫全員に添い遂げる相手との運命の出会いがあると明言している。とわは理玖から好意に近い感情を寄せられており、とわも彼に相応の態度を見せているが、アニメージュのスタッフインタビューでは、壱の章の時点ではこの二人は恋愛感情を持っていないとコメントしている。
容姿
半妖
銀髪のショートカットで、前髪の一部が赤く染まっている。瞳の色は赤(高橋留美子が描くイラストでは瞳の色は殺生丸と同じ金眼)。
外見は、髪質の為かどちらかというと父親に似た印象を与えるが性格は感情豊かである。
漫画版では「人間離れした美しさ」と周囲から持て囃される程の美貌を持つ。
ケンカでの動きやすさを優先するために、普段から男装している。
通学時に着ている白い制服は以前在籍していた昇陽(しょうよう)中のもの(恐らく元ネタはアニメ『犬夜叉』シリーズの制作会社である株式会社サンライズ)。
妖怪
瞳の瞳孔は赤く染まり、額は三日月が現れ、頬は紫色の模様が浮き出る。
爪と歯も鋭くなり、耳の形も変化する。短髪から長髪にも伸び、殺生丸の人間形態と特徴が共通している。
人間
銀髪のショートカットが黒髪のセミショートヘアに変化し、瞳の色が赤から茶色に変わる。赤毛は変化せずそのままである。
詳しくは(朔とわ)。
人物・経歴
誕生~令和での暮らし
楓が治める村にて妹のせつなと共に生を受けるが、誕生直後に父・殺生丸に村の外に連れ出された。以降は森の中にて姉妹2人で暮らしており、両親の記憶はほとんどない。
4歳の頃、2人の生命を狙った妖怪の是露が配下の焔に命じて火を放ち、とわは逃れる最中にせつなとはぐれてしまい、左目の虹色真珠の力で時代樹にある時空トンネルを潜り抜け現代にタイムスリップしてしまう。
幸いにも、日暮かごめの実弟である日暮草太に保護されて日暮家に迎えられて彼の養女となり、10年間不自由なく生活を送り武道に長けた中学2年生となった。彼女の部屋にはトレーニング器具や、陸上、剣道など数多くのトロフィーが無造作に置かれている。
現代では自宅でトレーニング、日ごろから不良相手にケンカするなどおおよそ「普通の女子中学生」からかけ離れた生活をしており、一見しただけでは女性と判別できないが、現代社会で生きてきたこともあって3人のなかで最も常識的である。その一方で、戦国時代の常識についてはほとんど知らない。
記憶は幼少時の頃から保持しているため、自分が戦国時代生まれで普通の人間では無いことは自覚しており(ただし、妖怪・半妖の実在までは知らず、もろはに指摘されるまで自分が半妖であることも殺生丸の子であることも知らなかった)、そこから500年ほど未来に来てしまったことも現代での学習を通して理解している。加えて現代の知識・習慣・道徳も身に着けてはいるが、内心ではそういった「ルール」に縛られた現代社会を息苦しく感じている。
性格は幼少の頃から快活なお転婆娘で、妹のせつなを引っ張っていた。現代で暮らすようになってからは現代社会、というよりは日暮家の家風に染まったこともあってか温厚かつ正義感に溢れた家族思いの少女に育ったが、小学生のときに弱い者いじめを止めるために始めて以来、不良とのケンカが日常茶飯事となっている。過ぎた力を持つがゆえに加減はしており、相手に大怪我を負わせることはないものの(手加減をしていることは相手も理解しており甘いと評されている)、ケンカ自体を周囲に問題視されて転校を繰り返しており、作中にて聖ガブリエル学園に編入した。戦国において、人と近い外見の妖怪を相手にすることには躊躇する甘い面も多少見受けられる。
弱点は「家族」。これは現代で日暮家の面々に大事に育てられたことに加え、過去に火事への恐怖から手を引いていたせつなを放り出して逃げてしまったことへの負い目に起因する。加えてせつなが夢を奪われたことにも責任を感じ、失われた10年間を埋めることも含め過保護に接するが、肉親としての自覚が持てない当の本人からは嫌がられている。
ただし実の両親である殺生丸やりんのは記憶がほぼ無いためか、父のことは呼び捨て、母のことは「りんさん」と他人行儀な呼び方を用いている。
壱の章
突如現代にやってきたせつなともろはから聞いた話により、自分が殺生丸を父に持つ半妖であることを知り、せつなへの償いも兼ねて戦国時代に渡ることを決意する。当初は令和に戻らないことも覚悟していたが、芽衣に縋られたこともあり「全て片付いたら日暮家のもとに帰る」と考えを改める。
戦国時代に帰還して以降はずっとせつなに構っていて、彼女からウザがられつつも姉として振る舞っており、傍から見れば何だかんだで仲の良い姉妹にしか見えない為、かつて殺生丸一行に加わっていた琥珀をして、「殺生丸の娘とは思えない」と言わしめている(殺生丸と犬夜叉の仲が最悪であった為、そんな彼の子供達の仲が良いというのが意外に思えるのも無理はないだろう)。外見は父親に似ているが内面は母親に似ているといえる。
なお、多少の無茶をしながらも歴史改変には注意を払っており、かごめやもろはが持ち込んだ品物が後世に影響を与えないよう自主的に回収している。その対象は細かく、ボロボロのサドル(かごめの自転車の残骸)や林檎(戦国時代には存在しない品種)の芯さえも含むなど徹底している。
なお、戦国時代滞在中の中学への対応は、かごめの時同様に日暮家が病欠として届けている。
弐の章
せつなの仇討ちのため、もろはと共に麒麟丸に立ち向かうが、妖力を限界まで使ってなお倒せず取り逃がす。
せつなの亡骸を前に涙するも、父・殺生丸から刀身が欠けた天生牙を貸し与えられ、残った妖力全てを注ぎ込んで力を補うことで機能させることでせつなの蘇生に成功する。
この反動によって妖力と体力の回復のため一晩眠り、翌日より刀々斎の忠告に従い「麒麟丸と戦うための武器」を探すことになる。
漫画版
現代に迷い込んで日暮家の養女として引き取られたのはアニメ版と同じ。
人間離れした美貌で女子生徒達からの人気は高いが、浮世離れした存在故に一定の距離を置かれて友人ができず、強い目力のせいで異性や教師にも畏怖されている。
その疎外感と霊を退治できる常識のズレから学校に馴染めず、転校を繰り返していた。
以下、アニメ版との変更点。
- 赤毛は妖力が覚醒するまで白髪のままだった。
- 双子の妹せつなの存在を知らない。
- 戦闘に好戦的。
- アニメ版より麗人風に描かれている。
能力
殺生丸という格の高い妖怪の血を継いでいるだけあって潜在能力は高く、令和で暮らしていた間は複数の運動競技で表彰されるほどの成績を残した他、校門を跳び越す、ビルの屋上まで外壁を飛び石代わりにして上がるなどの優れた身体能力を見せている(ただし、草太との約束で人前での非常識な力の使用は控えている)。戦いは人間相手の喧嘩程度しかしたことがなかったが、戦国時代では凶暴な妖怪相手にも臆せず立ち向かっている。
ただし、実戦的な戦闘訓練を受けていたせつなともろはには若干劣る部分があり、本人も自覚している。その分、2人が持ちえない未来の知識や道具で補っている。
父が犬妖怪であるため嗅覚も鋭く、遠方に誰がいるか、その精神状態までも知覚することができる。毒耐性も引き継いでいるが、液体毒に強いせつなに対し毒霧などの気体毒への耐性に特化している。
半妖特有の妖力喪失は犬夜叉と同じく「朔(新月)の日」で、日没が近づくにつれて身体能力が弱体化していき、深夜から日の出まで無力になる。ただし、現代にタイムスリップしていた10年間は変化しなかったため、戦国時代に戻ってきて初めてこの現象を経験した際には戸惑っていた。冥加は「とわは本来令和に存在しないはずの存在であるため、これまで変化することがなかった」と推測している。
武器は妖刀「菊十文字」。
国宝級の名刀……の偽物であり、初めての戦いで早々に刀身を砕かれてしまったが、殺生丸から遺伝した剣術奥義・蒼龍破を無意識に応用することで、妖気の刀身を伸ばし用いている。
第24話(壱の章最終回)では、せつなが麒麟丸に討たれた直後に妖力を抑えていたタガが外れて蒼龍破を二股に分けて放つ姿を見せており、麒麟丸から双頭の蒼龍破と命名された。
その後、りおんより「斬星剣」を授かるが、麒麟丸が予め施しておいた呪詛によって「使えば使うほど魂を削り取られる」という副作用があり、最悪の場合廃人になる可能性がある。
戦闘力とは別に聖ガブリエル学園は優等生であったかごめが「頭がいい」と評する程のエリート校らしく、本人の学力も高い模様。
縁戚者
父親:殺生丸
母親:りん
妹:せつな
父方祖父:犬の大将
父方祖母:殺生丸の母
父方叔父:犬夜叉
父方義理叔母:日暮かごめ
父方従姉妹:もろは
※日暮草太、日暮萌、日暮芽衣は育ての家族。過ごした時間は実の家族よりも長い。かごめの弟一家なので縁戚関係でもある。
関連タグ
犬夜叉 半妖の夜叉姫 夜叉姫(半妖の夜叉姫) 朔とわ 殺生丸一家
炎トリッパー…高橋留美子作の漫画作品。ヒロインが爆発に巻き込まれて現代へ転移した共通点がある。
藤波竜之介:高橋留美子作の漫画作品『うる星やつら』の登場人物。男装した女子の共通点をもつが、意識は男そのものである。
久遠寺右京:高橋留美子作の漫画作品『らんま1/2』の登場人物。男装した女子の共通点をもつが、女性としての意識が強い。
ネロ(デビルメイクライ):旧主人公の兄の実子繋がり。こちらも銀髪で人外の力を受け継いだ共通点がある。