血のバレンタイン
ちのばれんたいん
曖昧さ回避
- 1929年2月14日にアメリカはシカゴで発生したギャング同士の抗争事件「聖バレンタインデーの虐殺」の別称。
- 1981年に公開されたカナダ制作のホラー映画。本項で解説。
- ソーシャルゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』において2012年2月に開催されたイベントの上位報酬である「十時愛梨」を巡って繰り広げられた多々買い。
- アニメ『機動戦士ガンダムSEED』において、地球連合とザフトの戦争を激化させるきっかけとなった事件。→血のバレンタイン(ガンダムSEED)
- これらの名称から転じて、バレンタインデーにチョコレートを渡せない、または貰えない人達の心象風景。本項で解説。
- 両想いになれるなどとして血液を混ぜたチョコレートを食べさせる呪術の一種。本項で解説。
- MMORPG『マスターオブエピック』で起きた事件。運営がバレンタインイベントと銘打ち、対人戦未経験のプレイヤーを(計画を伏せた上で)対人戦に誘導。軽い気持ちで参加した非対人戦プレイヤーが、こちらも運営に誘導された対人戦ガチ勢によって虐殺される。これがトラウマとなった多くのプレイヤーが休止・引退するという、後味の悪い結果となった。参照:MoE:血のバレンタインまとめサイト
ホラー映画
1981年に公開されたカナダの自主制作ホラー映画。配給はパラマウント映画。
2009年に『ブラッディ・バレンタイン3D』としてリメイクされた。
いわゆる「13日の金曜日」クローンの一本。
B級映画ながら、炭鉱夫姿にツルハシが凶器の殺人鬼姿は、ホラー映画ファンからの人気が高い。
ストーリー
アメリカ東部の小さな炭鉱町・ハニガー。
静かで平和な町だが、実は20年前の2月14日、恐ろしい事件がおきていた。
当日はバレンタイン・デーで、例年通り町の人々が豪華なパーティーを開いて祝っていた。
鉱山では二人の鉱夫が仕事を早く切り上げてパーティーに加わる為に去っていく。しかし不注意にも鉱内のメタンガス量を調査するのを忘れてしまい、それが原因で爆発が発生。鉱山内に残っていた5人の鉱夫が生き埋めになってしまった。
6週間に及ぶ救助作業の結果、ただ一人が生存して発見される。しかしその男ハリー・ウォーデンは、生きのびるために同僚の死体を食らい、救出時には完全に発狂していた。
事件から一年後、ハリーは収容されていた精神病院を脱走。2月14日の晩、鉱山服に身を包み、爆発の原因をつくった二人の鉱夫を殺害し、えぐり取った心臓をハート型の箱に入れ、 “二度とバレンタイン・デーを祝うな”という警告を残して姿を消した。
以来この事件のために、ハニガーではバレンタイン・デーを祝わなくなってしまった。
それから20年。
当時を知らない若者たちによってバレンタイン・デーのパーティーが復活する。だがそれは同時にあの事件の悪夢も呼び起こすことになってしまった。
2月12日、パーティの準備で浮かれた雰囲気に包まれるハニガー。町長宛にハート型のキャンディボックスが届けられるが、そこには20年前と同じように人間の心臓が入れられていた。
更にはコインランドリー店を経営する婦人が、鉱山服に身を包んだ謎の人物に襲撃された。彼女はツルハシで殺害され、洗濯機の中で無残な死体となって発見される。
町長と署長はパニックになるのを恐れ、彼女の死因を心臓発作と発表。急遽パーティーは中止となったが、納得できない若者達は、炭鉱内の娯楽室で勝手にパーティーする事を決めてしまった。
その中には町長の息子T.Jがいた。
一度は都会に出たものの夢破れて故郷に戻って来た彼は、元カノのサラに未練を残している。パーティーの場で現在サラと付き合っているアクセルと衝突して殴り合いとなり、アクセルは頭を冷やす為に娯楽室を飛び出してしまった。
炭鉱内で一人、また一人と若者が血祭りにあげられているとも知らず……
関連動画
心象風景
バレンタインデーの発祥、由来に付いては再三述べられているように(外部リンク)判然としない部分が多くあり、また一口にバレンタインデーと言っても国々で表す中身は多種多様なものとなっている。
現在の日本では一般的に「女性が意中の相手に渡すイベント」として理解されており、2月14日が近づくとマスコミがこぞって手作りチョコの特集を組み、デパートからコンビニまで各店競って特設売り場を設けて新たなカップルの成立を後押しするなど、街中がにわかに色めき立つ事が常態化している。
そんな世情に取り残されるのが非リア充である。
近年は「友チョコ」なる文化も広まってもいるが傷の舐め合い感が拭えず、男性ならば「義理チョコ」という期待もできるが、これも所詮勝ち組が片手間にする施しでしかない。
第一、真の非リア充ならばそのような友人知人さえ望めないため、孤独な現実だけを改めて突き付けられる事になってしまう。
そうしたやり場の無い気持ちが積み重なり、やがて爆発すると当記事メイン画像のような悲惨な結末を招きかねないのである。
クリスマス然り、リア充向けのイベントが一般化し年間行事に組み込まれてゆく裏側では、そこからあぶれた人達が後ろめたさを背負いながら当日が過ぎ去るまでをひたすら耐え忍んでいる現実があるという事にも思いを馳せていただけると幸いである。
呪術
ローティーンの少女を中心に、まことしやかに語られる恋愛必勝法。
「血には惚れ薬としての効能があり、意中の相手に飲ませる事で両想いになれる」という話が標準的な内容である。
そのためチョコレートという食物を渡す事が一般化しているバレンタインデーは、自然な流れで混ぜ込んだものを食べさせられる絶好の機会という事になる。
血液は自傷でもして用意するか、説によっては経血を勧めている事も。
もちろん事実無根の真っ赤な嘘であり、定期的に流行する都市伝説の一種である。
由来は不明であるが、チョコレートを渡す習慣が広まったかなり早い段階から存在していた噂のようで、少なくない実行例があると言われている。直近では2014年が流行の年だったとか。
他とは異なり目に見える恐怖は無いが、静かなる狂気を放っている事例である。
やはりバレンタインイベントなど不用意に関わらない方が幸せでいられるのかもしれない。
ジャニーズ事務所をはじめとした芸能事務所ではこれを考慮して(他にも怪しい薬や剃刀など)、送られてきたバレンタインチョコは基本的に焼却処分にしているそうな。
もったいない気もするが、下手に寄付して下痢や感染症、口の中を切られたりしても責任とれないからね。
余談だが、明治のはじめごろはチョコレートの原料に関して「牛の乳」を「牛の血」と勘違いされる事があった。当時の日本人には色からして血の塊に見えたからだろう。
え、チョコレートの主原料は牛乳ではなくカカオだって?当時の人に言ってくれ。