その者、炎に包まれ、海を渡り来る。その炎、不死にして不滅。決して消えることなし。山は焼け、木は倒れ、水は乾き、海は呑まれ、天は焦げ、月は堕ちる。世界は炎に包まれ、滅ぶ…。
(アスク王国に伝わる預言書の一節より)
CV:玄田哲章
クラス:オーバーロード(FE0)
概要
炎竜ムスペルの血を引く、ムスペル王国の国王。強面の外見通り残虐で苛烈な性格であり、ニフルを侵略、そしてアスクへも侵攻する。相当な実力主義者であり他者にもそれを強いている。
炎斧シンモラを振るい、身体に纏うムスペルの炎で全てを焼き尽くす不死身の王。王は世界に一人でいいと考えており、結果他国を侵攻しまくっている。オープニングムービーでの登場は威圧感たっぷり。「ぐははははははっ!」という独特の高笑いをする。
レーヴァテイン、レーギャルンは部下であると同時に実の娘である。しかし、苛烈すぎる性格によってまともな親子の関係は築かれていない。
良心の呵責も無く道具のように扱ったり、戦闘訓練の成果次第で殺そうとしたり…現に二人以外にも子供がいたとみられるレーギャルンの台詞があるが、躊躇なく殺したらしい。本人も「使えぬのならば、殺すだけのこと。親とはそういうものであろうが。」とホーム画面で言っているのでおそらく…。
彼が登場する2部からは全体的に北欧神話をモチーフとしている面が強く、彼もまた北欧神話の炎の巨人の名に由来。部下もロキ、レーヴァテイン、レーギャルンといったスルトやシンモラに関連する名前が多い。
第4部でも誰かの悪夢として一瞬だけ登場、再び敵として立ちはだかった。
ユニット性能
敵ユニット時
ユニットとしては斧の重装兵。専用武器の「シンモラ」は守備が+3され、ターン開始時に周囲2マスの敵ユニットに20ダメージを与える効果を持つ。重装だからと思って近くに待機してると思わぬ痛手をくらう。登場章によってスキル構成が違うが、最終決戦時は相性相殺を引っさげているので、有利な赤属性でも注意。
シンモラのスリップダメージ効果が強力すぎる上に2部の大ボスユニットであるため、しばらくプレイヤー側が入手できる見込みは無さそうである…とか言ってたら2部終了後ほど無くしてガチャにて登場することとなった。
炎の王 スルト
「我はスルト
死の国に堕ちた我すらも隷従させる…
それを成し得るのはやはり、貴様か…」
属性 | 緑 |
---|---|
武器種別 | 斧 |
タイプ | 重装 |
武器 | シンモラ(専用) |
奥義 | 緋炎 |
A | 金剛の構え4 |
B | 守備隊形3 |
C | 炎王の威嚇(専用) |
2018年11月21日のガチャにて登場。大英雄戦だと予想して面食らった召喚士も多いだろう。
しかも、シンモラのスリップダメージ効果がそのままな上に、Aスキルに防御時に守備+8かつ奥義発動カウント-1の「金剛の構え4」、Cスキルに「炎王の威嚇」という開始時に周囲2マスに敵がいれば敵は攻撃速さ守備魔防-4、自身は逆に+4というどう考えても強力すぎる武器とスキルを引っさげての登場となった。
アーマータイプ故に移動力は無いが、一人で壁役・アタッカー・サポーターをこなせてしまう超万能キャラである。
難点は斧重装はヘクトルや総選挙エフラムを初めとした激戦区であることか。前者はどの距離からも対応出来る遠距離反撃を持っているほか、攻撃されたときに追撃が出来る。またBスキルで高コストなら「〇〇隊形」低コストなら「待ち伏せ」など様々な形に作ることが可能だが魔防と速さは低い。後者は同じく速さと魔防は高くないがBスキルの「奥義隊形」で自分の奥義発動カウント変動量+1と敵の奥義発動カウント変動量-1と奥義発動を遅らせる効果を持ち、武器スキルの「ガルム」の効果でバフか移動+1の場合、絶対追撃するアタッカーの役割もある。
Bスキルの「守備隊形」でCスキルの速さのバフ&デバフはあまり意味を成さないかもしれない(他キャラのサポートとしては有用だが)。最も「守備隊形」自体が壁役のアーマータイプにとっては有用なスキルであり、速さが壊滅的なスルトにはありがたい。
条件で絶対追撃できる「迎撃隊形」や「攻撃隊形」も活用しやすいが高級スキルであり、「迎撃隊形」は相手の追撃を止めることができないため反撃で倒しきれないと逆に屠られかねず、「遠距離反撃」も無いと遠距離(特に魔法)に対しては守備隊形以上に無力。「攻撃隊形」は移動力の問題を解決しないと活用し辛いので一長一短。
また重装特攻にも弱いため、攻撃と守備が高くても油断は禁物。特に重装特効を持つ上に自身も重装マムクートかつ相性不利のイドゥンや、期間限定であるが重装特効の遠距離赤属性武器を持つユニット(イースター版パオラ等)。さらに重装特攻+高火力のミカヤ等どんどん増えてきているので登場した頃よりも安心できなくなってきている。一応イドゥンはシンモラで削れるところまで削ったりできるが。
そしてスルトといえば、飛行城の隅で一人オプジェクトに囲まれて待機するという「穴熊戦法」にドーマと並んで使われやすいユニットでもあった。守備隊形やシンモラのスリップダメージや威嚇のおかげでターン切れを狙わせやすい。回復の砦まで近くに配置されているとそれの破壊でも手間をとらされる。できるだけ赤属性のアタッカーや特効持ち、再行動ユニットは終盤までに落とさずに置いておきたい所。もちろん、この戦法をしたからと言って突破されるときは突破されるので、高順位を目指すなら他キャラや罠の配置にも気を配るように。
スルトのガチャ登場と同時に2部終了後の話となる異伝4「死が囁く」が追加され、本編で死んだ直後のスルトが少しだけ登場する。敗北と死を経験したからか、本編とは違い落ち着いた印象になっている。ガチャで登場するスルトは登場時の台詞からこの異伝の後のスルトと推測できる。
アスク王国の環境を「生ぬるい風」と評し、民(恐らく他の英雄も含まれる)についても「無能どもが」と相変わらず悪態をつくものの、召喚士については自身を打ち倒した勝者と見ており、「存分に驕り、昂ぶるが良い。」と持ち上げてくれ、自身の掲げた「弱肉強食」に習って服従する気満々。そういう所は妙に律儀である。
なお、ホーム画面のSDはやたらとでかい。
武器のシンモラの分類は斧であるが「死神の鎌」のような形状をしており、伝承英雄や神階英雄でもないのにとどめを刺すモーションとなる。その際には片手で下から豪快に振り上げる。スルトの体格もあってか、直撃すれば「痛い」ってレベルでは済まないだろう。また、後に同じような形状の大鎌を持ってきたユニットがいるが、こちらは原作に習って槍扱いである。ややこしい。
また、レベルアップ時に普通成長でやたらと喜ぶ。
紅蓮の海賊王 スルト
「我はスルト。我は王なり!
猛き焔を巻き起こし
大海原を火の海に変えて見せようぞ!」
属性 | 青 |
---|---|
兵種 | 槍/重装 |
武器 | 炎海の灼槍(専用) |
奥義 | 緋炎 |
A | 守備魔防の万全4 |
B | 抑止隊形3 |
C | 炎王の脅嚇(専用) |
2021年8月の海賊の超英雄でまさかの登場、召喚師はもちろん娘達からも驚かれた。これでようやくムスペル組の超英雄が全員揃った事になる。祭りという行事なのに本気に変えようとする気満々。元々やってることが賊のような行為だったために召喚師からも「似合ってる」と評判で、本人も「この祭りはムスペルの民と相性が良いのかもしれぬな。」と満更でもない反応を見せており、楽しんでいる台詞も多い。ムスペルでは長らく祭りを催していなかったとのこと。
通常版とステータスを比べると魔防は上がったのだが得意のHPが減り、重装としての平均値に。しかし得意の攻撃はさらに上昇して驚愕の61。これは総選挙エーデルガルトと同率トップ。
専用武器はキラー武器効果と敵に攻撃された時か敵のHP75%以上の時は戦闘中、敵の攻撃守備-6かつ、追撃可能なら最初に受けるダメージを75%軽減する。スリップダメージは無くしたが代わりにダメージカットや戦闘中のデバフ効果が付与される。
問題だった追撃は抑止隊形が付いたおかげで追撃が可能になった。
専用Cスキルは威嚇から脅嚇に格上。効果は脅嚇系スキルと同じだがターン開始時、周囲4マス以内に敵がいる時、最も近い敵の全ステータス-5かつ自分の全ステータス+5とここでもやりたい放題。
HPが100%or強化を受けてる間にステータスが上がる『万全』のおかげでいきなり敵にやられることは少ないが、使いづらさを感じたら遠距離反撃にするのも悪くない。通常版と違って噛み合いやすくなっている。勿論そのままでも壁として大英雄戦などで活躍すること間違いなしなので、鼓舞や波、連携持ちやバフを持つ踊り子などと組んで送り出してあげよう。
重装特攻や追撃されやすい弱点も通常版と同じ。武器のスリップダメージ効果が消えているのでダメージを与える事は少し難しくなっている。
実装後に開催された戦禍の連戦+「氷神炎神2」でも最終マップのボスとして登場するが、流石にCスキルは外されている。ただし、暴力的なステータスと他のスキルはそのままなので対策無しでは詰みかねない、もちろん闘技場などで対峙した際も要注意。
ファイアーエムブレム0
サイファでは第13弾「炎と鋼と想と哀と」に登場。出撃コストが5で戦闘力80を誇る重いカードとなっている。スキル「シンモラ」にてリバース1で戦闘力30以下の全ての敵を撃破し、スキル「王はただ一人」はリバース3で戦闘力が80以上の敵を1体撃破することができる。おまけにスキル「ムスペルの炎」で出撃コストが2以下の敵では撃破できないという本編の無敵に近い仕様を再現している。出撃コストもスキルのコストもかかるカードだが、一度場に出れば本編のようにあたり一面を焼け野原にしてしまうことも可能である。なお、「王はただ一人」と言ってるような人なので支援力は当然ながら0である、強いからと言ってあまりデッキに入れると支援のドローで泣くことになるかも…。
余談
- ヒーローズ本編では残虐の限りを尽くしたスルトであるが、ソシャゲー故にストーリーがあっさりめでスルトの深い部分が描かれていないこと、ヘルビンディの捨て台詞に露骨に怒りを見せていたり、本質的には「不死身というチート能力でイキっていただけ」という面から、プレイヤーからは「小物」呼ばわりされてしまっている。もちろん、「それが好き」って人もいるが、どこかでバックストーリーが書かれれば小物評価を覆せるかもしれない…。
- キャラクター画面でタップすると「かつてあった人の心は、ムスペルの炎に焼かれ…消えた」と言っており、シリーズ大ボスの例に漏れず、スルトも昔はこのような苛烈な性格ではなかった可能性がある。また、竜の力であるムスペルの炎は王族で代々受け継いできたようで、「自分が一番色濃く受け継いだ」と話しており、それ故に人の心を失ったともとれる。代々受け継いできたということは、次期国王となるこの人もいずれは…。後に炎神ムスペルが登場したが、その気性はやはりというか…。
- レベル40時のお礼の台詞にある「九の世界」は元ネタである北欧神話に登場する世界の総称「九つの世界」が元ネタ。ニフルとムスペルの元ネタの国となる「ニヴルヘイム」「ムスペルヘイム」は同じ第三層に存在し、その層にはもう一つ死の国である「ヘルヘイム」があり、スルトが死の王に招かれたのも元ネタを辿ればしっくり来やすい。これを機にFEシリーズと関連の深い北欧神話に触れてみるのもいいだろう。
- ヒーローズ公式4コマ漫画では61話にて遂に登場。数々のシリアスな悪役がネタキャラ化していく中で勿論スルトも例外ではなく、ハロウィン版ドルカスにお菓子をぶつけられている。その後は69話でヘルビンディの料理を食べている様子が描かれているが、あんなことがあった後なのによく一緒にいられるものである。
- 2020年のタップ回数では全緑属性キャラクターで『一位』総合で『八位』と2年が経っても人気を保ち続けていた。事実、実装から更にインフレが進んでいるのにこの頃もまだ環境トップクラスにいられる程全く性能が見劣りしていないため、ずっとパーティに入れ続けている人も多かった。2021年頃となると流石に無凸程度で最新キャラにぶつけるには有利でない限り若干厳しくなってきており、8月に遂に無印版が☆4特別チャンス入りとなった。とはいえ、シンモラのスリップダメージや専用威嚇はまだなお代替の効かない破格性能なので育てておくと活躍してくれるし、相変わらず闘技場や大制圧戦等で出てこられると対処に困るユニットである。
- ガチャ登場当初は戦禍の連戦等のイベントでも敵として登場していたが、明らかにオートストッパーな性能をしていたために2019年1月頃には修練の塔やイベントマップには登場しなくなった。まあ、本編で倒したはずのラスボスがホイホイあちこちで出張されるのも困るのだが。また、2021年には同じく修練・イベントマップ出禁仲間ができた。
関連タグ
ヴァルハルト/エーデルガルト…覇道を行く重装タイプで斧持ちの国王・皇帝。
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