「仮面を使いこなせない人間に、勝機はない――!」
概要
CV:井上倫宏 / 山寺宏一(Genesic Re;CODE※)
※井上氏死去に伴う後任。なお、後発の『ロストストーリーズ』は開発自体は早かったためか、井上氏が続投している。
神聖ブリタニア帝国の第2皇子にして帝国宰相。
ルルーシュの腹違いの兄で、ルルーシュと同等かそれ以上の政治的・軍事的策略と決断力を兼ね備える。その辣腕から、長男を差し置いて次期ブリタニア皇帝の筆頭として扱われている。
人物像
穏やかな笑みを絶やさない紳士的な人物。
親族はもちろん部下に対しても人当たりがよく、変わり者のロイド博士やナンバーズの枢木スザクに対しても常に礼節を持って振る舞う好漢。
その一方で戦いにおいては目的のためであれば時として犠牲を厭わず、非常な策略も辞さない苛烈さを見せる。かと思えば戦闘を避けて威嚇だけで勢力を伸ばす政治的な策を取る事もあるなど、ルールや立場に囚われない柔軟な発想を持つ。
また、兵器開発に感心が深く、特別派遣嚮導技術部を始め、複数の研究機関のパトロンをしている。
こうした思想の背景には、欲望や執着心を持たない虚無的な性格が起因している。彼の思考は徹底した合理主義に基づいており、普段の紳士的な振る舞いもあくまで外面的なものに過ぎない。彼からすればあくまで「仮面を使い分ける」ことで最適な対応をしているだけに過ぎず、他人に対して親愛や情と言った感情は一切持ちえない。戦いにおいても目的を果たすことが第一であり、それが前述の苛烈な策略と狡猾で柔軟な政治戦術に結びついている。味方はおろか自分自身の命にさえ執着していないため、目的のためとなれば血を分けた親族ですら駒として扱う冷徹な本性を持つ。
ほとんどの人間は表の穏やかさにかどわかされてしまうが、一部の親しい人間からは「心が無い」とその本質を勘付かれている。後に側近となったディートハルトからは「混沌」の体現とされるゼロとは対照的に「虚無」と評された。己の願望を果たそうとするディートハルトを『コードギアス 反逆のルルーシュ Re;』では強い意志を持つ者と評している(ルルーシュ・カノン・マルディーニ・ユーフェミア・リ・ブリタニア・マリーベル・メル・ブリタニア・ニーナ・アインシュタインも描かれている)。
シリーズを通して“ルルーシュ最大の敵”として登場しており、幾度となくルルーシュの野望の前に立ちはだかり、辛酸を舐めさせてきた。特に頭脳戦・騙し合いにおいては、ルルーシュのその上を行く柔軟さと周到さを見せており、父・シャルル・ジ・ブリタニアを差し置いて実質的なラスボスとしての役割も果たしている。
ルルーシュを好敵手と見ている面があり、黒の騎士団相手に「最も愛し、恐れた男」と評した。双貌のオズO2においては、カノンに幼き頃のルルーシュについて、「勝負事になると混沌とした炎が垣間見えて面白かった」「自分にないものを持つルルーシュが愛おしくてたまらなかった」と話している。またそのルルーシュと同じ炎を、皇帝で父であるシャルルに反逆した幼き頃のマリーベルから見出しており、「また、あの時ようなチェスがしたいものだ」と語っている。
『コードギアス Genesic Re;CODE』(以下『ギアジェネ』)のキャラプロフィールによると
(もしプロフィールなどにどこかで出ていた情報と齟齬があった場合、『ギアジェネ』で出ている情報のほうが正しいと考えていただいて大丈夫です。過去に誤った情報が広まってしまったことがあったのですが、谷口監督や大河内さんと話し合った上で、公式設定をしっかり固めていますと、コードギアスシリーズ企画プロデューサー谷口廣次朗氏が明言している)
シュナイゼルの本質は他人の望みを体現し続けるというもの。欲望や執着を抱くことはなく、自分にない情動への憧れがあり、人の夢や希望などの強い感情に惹かれ、沸き立つものがない自身の内にも熱い感情がある、という錯覚を得ようと人々の思いを代弁する。
そのため情動を隠さないコーネリア・リ・ブリタニアへは特別な眼差しを向ける。
好きなのはチェス、夢を追いかける人 苦手なのは夢を聞かれること。
活躍
反逆のルルーシュ
第18話から登場。枢木スザクに対してゼロの足止めを命じ、諸共にミサイルで殺そうとした。
結局スザクにギアスが掛けられた事でその場から逃走したため、仕留められなかったものの、形式上一度捕縛しただけで特に罰は与えていない。
その後、ユーフェミアが発案した「行政特区日本」の後ろ盾をする事で間接的に黒の騎士団を壊滅させようと目論んだが、予想外の形で崩壊する事になる。
反逆のルルーシュR2
第9話から本格登場。
予てから中華連邦に対して持ちかけていた、兄・オデュッセウスと天子の婚姻を実行に移そうとしたが、黎星刻ら反大宦官派と黒の騎士団の介入により、三つ巴の戦いとなった。
この時は、ゼロの策略で大宦官が民衆支持を失くした事から、途中で手を引いている。
立場もあってゼロ=ルルーシュという仮説に行き着いていた彼は、スザクを尾行させる事でその証拠を掴み、巧みな話術によりゼロから黒の騎士団を離反させることに成功した。
ルルーシュの皇帝即位後は、ブリタニアから離反。天空要塞「ダモクレス」を起動させ、全世界をフレイヤの射程圏内に置く作戦を計画、人々を恐怖で従属させることで世界平和を実現する「神」になろうとした。
そしてナナリーを皇帝候補として擁立し、ルルーシュ率いるブリタニアに最後の決戦を挑むが、保守的すぎる人格故のその思考の裏を突かれて敗北。ギアスをかけられゼロの配下にされてしまった。ゼロレクイエム後は、ギアスの効力によりゼロに付き従っている。
双貌のオズ
グリンダ騎士団のパトロンを務めており、彼の後ろ盾の甲斐もあって、武装・人員共にかなり充実している。
また、反皇帝派のブリタニア人テロリストグループ「タレイラン・チルドレン」による襲撃を予見しているような描写も見られる。
イラストドラマ
側近であるカノン・マルディーニとの過去が語られている。
これによれば、彼とは貴族学校の寄宿舎で同級生であり、当時のシュナイゼルは厳格さと温厚さを併せ持つ優等生であったらしく、監督生として寄宿舎を取り纏めるリーダーだった。
不良グループのリーダー格だったカノンを制裁し、寄宿舎内の秩序を完璧なものとしている。
『心が無い』と揶揄されたその独特の気質はこの当時から顕著であり、常に『寄宿舎の秩序を完璧なものとするため』という理由の下、温厚さで人望を集めて皆を統率し、カノンのようにそれらを乱す相手にはムチを振るうことも厭わないなど、決して私情で行動することはなかったという。
小説版
シュナイゼルとは真逆の性質を持つのがマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアである。
彼女は強烈なまでに「個としての望み」に執着し、それを達成するためならば手段を選ばない冷酷かつ狂的なエゴイストとしての内面を有している。
そのためか両者の相性は最悪だったようで、マリアンヌから「政治家をやらすより、教会の懺悔室にでも放り込んでおけばいい」と、徹底的に嫌われている。シュナイゼルも同じぐらいマリアンヌが嫌いだろうとC.C.は推測している。
余談
谷口監督曰く、シュナイゼルはすべてをある種、将棋の駒というかチェスの駒というかそういう形のところに自分自身を含めて置いてる。担当声優の井上さんには「感情がどっか死んじゃってる人」とは話してたと『皇道』のビジュアルコメンタリーで語られた。