アルキメデス(Fate)
あるきめです
「我が名はアルキメデス。SE.RA.PHに選ばれたシステム更新の従事者です」
プロフィール
概要
『Fate/EXTRAシリーズ』の最新作『Fate/EXTELLA』に登場するキャスターのサーヴァント。
公式での愛称は「学士殿」。
その高い技術力・性格・生前の功績等から、霊子コンピューター「ムーンセル・オートマトン」によって、聖杯戦争の舞台である電子虚構世界「SE.RA.PH」の管理者に選ばれセキュリティを一任されている。
このような経緯から聖杯戦争には参加しておらず、今作でもネロ・クラウディウス陣営、玉藻の前陣営、アルテラ陣営の3陣営の何処にも所属していない「無所属」と言う扱いである。
人物
数学者らしく理性と合理性を重視しており、いかなる時も理路整然と物事を進める事を尊ぶ.
そして、何事も己の主観に捉われない客観的な思考で物事を判断する様に努めている。
同じ言葉を「実に」をつけてもう1度繰り返す口癖がある。
「雑ですね 実に雑!」 「取るに足りない、実に取るに足りないとも!」
無銘からは「生前、他人を理解できなかった男」と称されているが…。
真名
シラクサのアルキメデス、古代ギリシアの数学者。
王冠と同じだけの質量の金をそれぞれ水に沈めることで、王冠に銀が混ぜられているという噂を証明したという逸話は有名。また、優れた技術者、発明家でもありテコの原理を利用した投石機を用いて敵の海軍を打ち破ったという。
最期はシラクサの戦いにおいて、「彼には危害を加えるな」という命令を無視したローマ兵士によって殺害される。
殺害される瞬間まで図形を書いて数学的思考を巡らせており、踏み込んだ兵士に対して言った「私の円を踏むな」が最期の言葉であったとされる。
能力
前述の様に聖杯戦争に参加していないサーヴァントではあるが、戦闘能力が皆無と言う訳では無く、スキルによって殺傷能力を付与された様々な発明品「殺戮機構」を用いての戦闘行為が可能。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
ムーンセル | E | D | C | C | A | B |
保有スキル
高速詠唱(A) | 魔術詠唱を早める技術。自身の修める魔術レベルは低いが、詠唱のスピードは一流の魔術師と同格である。 |
---|---|
道具作成(A+) | 魔術により道具を作り上げる能力。彼の場合魔術ではなくその時代にある素材から、さまざまな道具を作り上げる。 |
術理解明(EX) | 術式と呼ばれるおよそ全ての式を解明し、これを修復する技術。戦闘では全く役に立たないが、魔術回路・魔術刻印までも修復する秘伝中の秘伝とされるスキル。 |
殺戮技巧(道具)(A) | 生前の逸話からアルキメデスが持ってしまった不名誉なスキル。どのような道具を作成しようとそれらには本来とは違う殺戮用途が付加されてしまう。本来ならばアサシンやバーサーカーに該当する英霊がもつスキルであり使用する「対人」ダメージにプラス補正をかける。 |
集いし藁、月のように燃え尽きよ(カトプトロン カトプレゴン)
- ランク:B
- 種別:対軍
- レンジ:50
- 最大補足:一隻
- 由来:生前開発した光学兵器『ソーラ・レイ』
「完璧なる計算、完璧なる円を見せよう……清算の時だ!『集いし藁、月のように燃え尽きよ(カトプトロン・カトプレゴン)』!!フッフフフ………ハッハハハハハァ!!」
アルキメデスの伝説にある、シラクサ海岸に停泊した軍船を燃やしたとされる光学兵器。
六角形の複数の鏡が太陽光を反射・収束し威力を増大させ、すべての敵を焼き尽くす熱線に変えて放つ。
伝説においては軍船を焼き尽くしたとされるアルキメデスの鏡であるが、2005年にマサチューセッツ工科大学が実際に実験を行い、船を「焦がす」事は出来ても「焼き尽くす」程の熱量を発生させることはまず不可能という結果が出ており、むしろカタパルトでの投石や火矢を放ったほうが効率的と言われてしまっている。
この結果の違いは、作中の世界でアルキメデスの生きていた時代にはまだ大気に魔力が残っていたためとされている。この兵器を構成する鏡は単に光を反射するだけでなく、大気中のマナを取り込み、熱線として照射する礼装にもなっているのである。
ゲーム上では6つの鏡から照射した光を2度反射・収束させ敵の頭上に特大の光線を降らせるという演出となっている。
この他にも彼の発明から昇華した宝具がいくつかあるらしく、対城拘束宝具なる物も確認されている。
正体
「さあ、滅びの時だ!収穫の時だ!」
「本来の役割を果たすがいいヴェルバー!今こそ!まさに!一万四千年前の雪辱を晴らす時だ!」
実際はムーンセルの元システム技師にして、ムーンセルの天敵である捕食遊星(ヴェルバー)側のサーヴァント。
今回の騒動を裏で操っていた黒幕にして、レガリアと岸波白野が3分裂することとなった元凶である。
人物
無銘が言っていたように、他人というもの・・・特に愛だの絆だのといった不確定事項を酷く嫌い、数式、つまりは道理の通った確定された物のみを愛する、理性と合理性、そして秩序と個人主義の化身。
一切の無駄がない完成されたシステムの追求とその維持にのみ喜びを感じており、世界平和を望んでいるのも安定した資源の供給や、物事が上手く回るという状況そのものを誰よりも好んでいるからに過ぎない。
生前は自分の中の"解"にしか美しさを見いだせない己と周囲は「違うもの」であると達観しつつも、その能力ゆえ社会に排斥されることもなく人々へ技術者として貢献していた。
しかし英霊となってからはいつまで経っても不完全さから抜け出せない人類、及びそんな存在が紡いできた歴史への関心を完全に無くしており、ギルガメッシュ曰く、座にありながら一度も"人間"からの召喚に応じたことがないらしい。
そしてムーンセルの技師として月に墜落した遊星の欠片・星舟ヴェルバー02に接触しその中身を解析したことで侵食を受け、「これほど進化の違うモノでさえ明確な意図を持つ」のに対して、「明確な意図を持たない不確定要素まみれ」である地球の生命というものに失望。
以降、遊星の尖兵として暗躍することとなる。
その為他人を騙し利用することにも抵抗はなく、むしろ目的のために全能力を振るえることを楽しんでいる。自分の邪魔となる者も、裏切りであれ反抗であれプロセスが正しいもの(その者の絶対に譲れない信念に抵触した場合や、損得勘定等)ならば納得して、障害とは見なしても嫌悪の対象とはしない。
経緯
肉体は既に遊星の侵食を受けており、片腕のみ手袋か何かを付けているようにみえるのはそのため。
実際に服の下の上半身は左半分がほぼ全て侵食されており、紫と発光する黄色またはオレンジ色の奇妙な紋様が刻まれた状態になっている。
侵食を受け入れた影響で霊子の強度が向上しており、本来なら閲覧が限界である並行世界に対して、平行移動(スライド)と称する方法で並行世界の剪定が行われるポイントの前までなら移動できる能力を会得している。
※通称 霊子記録固定帯(クァンタム・タイムロック)またの名を人理定礎、無限の並行世界をいつまでも許容していては何時か限界が訪れるため特定のタイミングで『もっとも強く、安定したルート』を決め、それから大きく外れた世界を剪定している。
前回の霊子記録固定帯は「岸波白野とレガリアが3分割」したタイミングであり、次の霊子記録固定帯に来るまではそこまで平行移動でやり直しが出来る。
これによって何度でも過去に遡ることが出来、ムーンセル破滅の未来を確定させるためにネロ編・玉藻編・アルテラ編でそれぞれ暗躍する。
最終ルートの真ネロ編にて、遂にアルテラ本体(巨神アルテラ)を対城拘束宝具で拘束して、星舟ヴェルバー02を乗っ取りムーンセル破滅を確定させようとする。
しかし、アルテラ編の岸波白野の肉体が自身を代償として取った行為、自身が駒として引き入れたエリザベート・ヴォイドの計算外の行動、そしてアルテラから預かった軍神の剣を依代として神霊ヴィーナスの力を取り込んだネロによって星舟が完全崩壊する結末に。
同時にその世界が霊子記録固定帯となったことで、どうあってもムーンセルは破滅しない未来が確定し、計画は失敗に終わる。
彼自身もヴェルバー02と共にネロの一撃によって両断されたかに思われたが実はまだ生きており、彼の次の戦いを予想させる不穏な言葉とともに幕が下りる。
その苦難
上述で色々と述べたように、愛や絆といったものを嫌い己の欲望と好悪のままに暗躍する、冷酷な悪役キャラとしての道を躊躇いなく突き進んでいる。
……の、だが、怒りに関しては非常に感情的な部分があり、その非論理的な事をとても嫌う性質から、破天荒な登場人物(主にエリザベート)に振り回されてはキレ芸としか言いようのないキレっぷりを見せている。
- 焔詩篇
話の起点となるレガリア強奪について記述する。
エリザベートを焚き付けレガリアの奪取に成功したものの、エリザベートがそれを指に装着した瞬間エリザベートがレガリアへの適正を持たなかったことで防衛機構が働きレガリアが自壊してしまった。これにより策が根本から破綻してしまう。
コレに関しては情報不足による策の失敗であることから、軽い落胆は覚えても苛ついてはいなかった。
- 蘭詩篇
ここでは前回のループにおいての反省を得て、エリザベートにレガリアへの適性を持たせ見事奪い取らせることに成功するのだが、エリザベートはあろうことか指輪(レガリア)を美味しそうと評する。
「いや、待ちなさい。待つのです。
どこの阿呆が指輪に対して美味しそうなどと感想を持――。待て!」
という制止の言葉も空しく、指輪は呑みこまれエリザベートの体内で消失してしまい、激昂。
「何故、何故、何故!
ここまで変化した道を歩んで尚こうなるのか! 貴様は!
一体どこまで邪魔をする、反英雄!」
「この、どこに出しても恥ずかしい最高最低の無能サーヴァントが----ッ!」
- 未明篇
終盤において主人公を人質に取って反旗を翻そうとしたアルテラを抑え勝利を確信する。
しかし、そこに英雄王が乱入し文字通り横槍を大量に撃ちこまれる。
「古の契約により1度のみアルテラを助ける」という英雄王の契約は既に「彼女の副官になる」という行為で果たされていると見ていたアルキメデスだが、英雄王は「アルテラの副官になったのは、マスターのためであって奴の為ではない」という理屈でそれを回避。
「ぐ、ぎ……! 何たる理不尽、なんたる詐欺……! そんな詭弁が通るか、貴様ーーー!」
- 金詩篇
終盤においてアルテラ本体を封印し、遂に勝ちを確信する。
しかしエリザベートはアルテラから力を吸収する為に
「それはそれとしてこの鎖邪魔なんですけどぉ。いっか、切っちゃえ!」
と考え無しに封印を切断。
自身の渾身の一手すら邪魔された結果、余りの怒りに絶叫。
「あ---あの低級サーヴァントがぁあああああ!!!」
「理解、把握……いや、駄目だ! 私には理解出来ない。何故、何故そうなる!?
英霊達もセファールも予想外ではあっても理解の範疇。修正対象ではあった。
だのに、アレはなんだ! どういう計算で動いている!
計算がない! アレの行動をトレース出来る数式がない! ない……のか!?」
「そんな筈が……あるかぁああああああああ!!」
「卑しくも遊星に選ばれたサーヴァントだろうがぁ! この私と同質の力を得ておきながら、
こうも、私の計画を搔き乱すか! あの愚か者はぁああああああ!」
……といった様に、声優の熱演や立ち絵の表情の鬼気迫る有様から、シリアスな笑いを演出するハメに。
以降の作品でも諦めずにヴェルバーの再臨を目論んでいるものの、様々なトラブルが舞い込んで上手くいかない現状に一人頭を悩ませる「苦労人」としての立ち位置がすっかり定着してしまった。
ユーザーから(ある意味ではあるが)愛されているとも言え、目的や性根を知りながらもついつい同情してしまう声も多くなっている。
他作品での活躍
Fate/EXTELLA-LINK
遊星と自身の繋がりが存在しない世界に移動し、純然たるシステム管理者として振舞う。
SE.RA.PHに現れたカール大帝とネロ達の戦いでは、単なる支配権の奪い合いであるならどちらが勝利しても構わないと、傍観を決め込んでいた。
が、大帝の最終目的が自身にとっても不都合であると分かったため、仕方なくだが主人公達に協力する。
エリザベートの援護に入る時は「スペック通り動けば苦戦するはずもない相手なのに自分が加勢しなければならない状況に陥った」事に対してブチギレ、逆にエリザベートに援護に入られると、援護防御時は「計算が狂ったが思いがけずにいい結果になった」と自己暗示して冷静さを保つのだが、援護攻撃時は「計算が狂うから余計なことするなと何度言えばわかるんだぁぁぁぁ!!!!!」と全ギレし始める。
人間関係
Fate/EXTELLA
同じ遊星側の者である事実上の友軍戦力だが、彼女のことは文字通り殺戮の機械としか見ていない。
また心情的にも全くそりが合っておらず、使命自体は同じであれどそのやり方で終始対立していた。
能力はあるが頭が悪いと見なしたため、言葉巧みに味方に引き入れて利用しようとする。未明篇では彼女を同じ遊星侵食(ヴォイド)サーヴァントへと変えた。
しかしそのフリ-ダムさが自分の想像以上だった事で、順調だった筈の計画が上述の通り悉くぶち壊しにされる散々な目に遭う。
以降、自らにとって最も関わりたくない天敵と化し、『LINK』では露骨に死亡を依頼する程に嫌っていた。
月の王権を所有する事になった者。
当初巨神アルテラの下に向かわせ始末させようと画策したが、彼/彼女の奮闘により失敗。
その後も精神・魂・肉体に分かたれた、それぞれの存在にも言葉巧みに近寄ろうとした。
手を焼かされ続けていた相手。
本編前の時間軸では、アルテラごと彼女に倒されるという結末を何度も迎えていたらしい。
その他
以下はアルキメデス自身の性格や上記の人間関係からの推測
アルキメデスのように、人類に失望し憐憫するサーヴァント繋がり。
作中のラスボスであることも共通点に挙げられる。
英雄・偉人に憧れ心酔する彼女はただでさえ人嫌いのアルキメデスからすればたまったものではないだろう。
似て非なる「愛無き厄災」。アルキメデスが合理性で行動したのに対し、こちらは嫌悪感とある感情から行動したラスボス。
余談
人理を救う物語では、他のサーヴァント達は軒並み登場しているが、彼だけは一向に未登場。
ヴェルバーの浸食云々以前に「英霊でありながら人理を否定しているその価値観から、召喚されないのでは?」と一部のマスターから推測されている。
何より、その世界には胃痛の種が同時に複数人が存在する為、マスター達は彼をそんな胃痛の種を満載するパーティーにぶち込む事を楽しみにしているとかなんとか(逆に意気投合し友と呼ぶであろうサーヴァントも何人かいる)。
合理性を何よりも尊ぶアルキメデスだが、Fate/EXTELLA-LINKにおける絆レベルを最高まで上げた後の会話にて、「自分はソロサーヴァントに戻ることが最善」としながらも「計算上は」と念押しし、どこか躊躇う様子も垣間見せる。