概要
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン13話のサブタイトルはさよならタロウと予告されていた。とはいえ、最終回でもあるまいし、これが主人公である桃井タロウとの別れを意味すると本気で受け取った視聴者は、いたとしてもごく少数だっただろう。
予告編での「ソノイVSドンモモタロウ、ついに決着!?」という表示から、このエピソードでソノイの方が倒され、サブタイトルはソノイが末期に残す台詞だろうと予想した人の方が多かったはずだ。
そして、本編開始を待たずして、退場するだろうソノイを惜しむ声まで挙がっていたほどだった。
しかし……
ネタバレ注意!!
獣電鬼ングを倒し、いつものように「めでたし、めでたし」となったのも束の間、ドンモモタロウがソノイに斬られてしまう。
互いの正体を知ることになった際、ソノイはタロウに「お前の弱点は何だ?」と尋ねた。それに対して、嘘をつけないタロウは、「ドンオニタイジンになった後、数秒の間、力が抜ける」と全く正直に答えてしまう。まさにその弱点を突かれてしまったのだ。
ソノイ「馬鹿正直が仇になったな。ドンモモタロウ」
こうしてタロウは消滅。ドンブラザーズの他の面々も大変な衝撃を受けることになる。
「嘘をつけない」というタロウ生来の弱点が、コミカル要素にとどまらず、戦闘においてこれほど致命的な結果をもたらすことに唖然となった視聴者も多い。
しかも、タロウとソノイは互いに「宿敵を倒したら、おでんで乾杯しよう」と約束を立てていた上で正体がばれ、決して相入れぬもの同士と判明したことがショックを加速させている。
そしてドン14話の予告において桃谷ジロウの登場が告げられ、代わってドンブラザーズのリーダーとなることが示唆される。このまま主役交代となるのか、タロウの復帰はあるのか、復帰があるとしてもいつになるのか、今後の展開にますます目が離せなくなったことは確実であろう。
余談
- スーパー戦隊シリーズにおける主人公交代は太陽戦隊サンバルカンのバルイーグル以来41年ぶりとなり、駒木根葵汰が五色田介人役として続投しているドンブラザーズと曽我町子がヘドリアン女王役として続投したサンバルカンとの共通項に続く類似点となっている。なお、サンバルカンの方では第23話で大鷲龍介がアメリカに旅立ったことによる交代だった。
- 外伝作品も含めれば非公認戦隊アキバレンジャーでも主人公交代はあった。
- 海外版パワーレンジャーシリーズでも日本ほどレッドを神聖視していないせいか、同シリーズでの交代劇は珍しくない。
- 同じく東映特撮の『仮面ライダー』でも第13話を最後に本郷猛(藤岡弘、)が一時退場し、第14話から一文字隼人(佐々木剛)が主役となっている。また、萬画版仮面ライダーではショッカーライダーによって本郷猛が死亡し、後に『「サンバルカン』の全能の神みたく脳だけ蘇生した後にアンドロイドになる展開だった。ちなみに、萬画版での本郷は財閥の御曹司という設定で、ドン王家出自の桃井タロウとこの点でも類似している。
- なお、ドン13話の放送終了直後に流れた『暴太郎戦隊ドンブラザーズTHE_MOVIE』の告知CMでは、タロウは普通に登場(存在)している上に、(「嘘をついたら死にかける」という彼の特性が浸透しきった上で)「嘘とセリフは違う」と豪語している。とうーじとうじ、タロウ退場を匂わせた直後にタロウが躍動している姿を見て、視聴者は存分に戸惑ったらしい…。
- もっとも、テレビ放送本編と映画版の世界線が、必ずしも一致しているとは限らないが…。(ちなみに、公式YoutubeにおけるCMでは、ソノイまでもが「タロウ…ここでも奴が主役か…」とメタ発言をしている)
関連タグ
朱美ショック:同期の30分前の仮面ライダーにおけるショック。
ライオン仮面:同じテレビ朝日系列のアニメ作品にて、作中作として掲載されていたバトル漫画。敵にとどめをさされたまま「次回へつづく」で締めくくられ、その次回では彼の関連者と思われる人物が登場する点が共通している。