アメストリス
あめすとりす
概要
「鋼の錬金術師」の主な舞台となっている国。円形の国土と5000万人ほどの人口を擁する。錬金術が盛んで、国家錬金術師という国家資格がある。国土は中央と東・西・南・北の5地域に分割されており、アメストリス軍が統治している。軍が強大な権限を有しており、議会・裁判所はほぼ軍の傀儡にある為、事実上キング・ブラッドレイ大総統の独裁制となっている。元々は中央部分のみが領土だったが、隣接する国との戦争で領土を拡大して現在の国土になった。完全な内陸国で海は無い。
作中では英語らしき言語が公用語となっており、周囲の国との関係はドイツに近く、文化は産業革命後から第二次世界大戦前辺りのイギリス・ドイツを思わせる。高度な科学技術を有しており、オートメイル(機械鎧)という機械の義肢などが発明されている。2003年10月バージョンでは、スカーが「錬金術により武器ばかり進化した。」と発言している。
登場する都市
中央
セントラルシティ
アメストリス国の首都。
隣国
シン
アメストリスの東の砂漠を越えた先に存在する国家。中国をモデルにしたような文化様式となっている。皇帝が数十の部族の娘を娶ることにより、国内を纏めあげている。各部族の格差は、皇帝の寵愛の大きさが大きく関係している。
ドラクマ
アメストリスの北に位置する寒冷な気候を持つ大国。
不可侵条約が結ばれているが、虎視眈々とアメストリスの領土を狙っている。
物語の終盤でブリッグスの要塞に攻め込むが圧倒的な軍事力の前に大敗した。
重大なネタバレが有ります。未読の方はご注意ください。
当初はホムンクルスがこの国で暗躍し、何かをしようとしていると思われたが、実際には軍上層部はホムンクルス達と密接な関係にあり、それどころかアメストリスという国そのものが、ホムンクルス達の創造主である「お父様」と呼ばれるフラスコの中の小人(ホムンクルス)の目的の為に作られた国であるというものであった。
「お父様」はクセルクセスが滅亡した後、本作の世界で「神」と呼ばれる存在を手に入れることを目論み、人間を利用してアメストリスを建国した。その中枢を裏で操り、錬成陣に必要な国土を拡大させていった。そして時期は不明だが、国土の外縁地下でスロウスに錬成陣として重要な要素である「円」であるトンネルを掘らせていた。
アメストリスが軍事国家となったのは、そうであった方が錬成陣の構築式に必要な犠牲である「血の紋」を刻むのに、武力を行使しやすい国であれば都合が良いというそれだけの理由である。アームストロング准将はこれを(怒りを隠さずに)「実に合理的」と評した。
更に地殻エネルギーを使用する錬金術を人々に広め、国内から錬丹術の情報を抹消した。そうした上で「お父様」が地下に張り巡らせた賢者の石によって、いつでも地殻エネルギーを遮断し、それが必要なアメストリスの錬金術を封じられる様にしていた。その為地脈を利用する錬丹術と、錬丹術を組み込んでいるスカーの分解は封じられなかった。
国家だけでなく錬金術さえ自分たちが与えたものであるため、エンヴィーは「(アメストリスの人間は)自分たちの繁栄が自らの手で作り上げたものだと思っている滑稽な愚か者共。」と嘲笑していた。