曖昧さ回避
- 北欧神話に登場する光の神バルドルの表記揺れ。
- ゲーム『ギガンティックドライブ』に登場する機人。
概要
ヴァルハランが『光の機械神』と呼称する兵器。シンカリオンと同様に、自ら光のレールを敷設しながら非戦闘時は列車形態に変形、走破する。地球侵攻用に使用されるが、本体は稼働可能なものの、肝心の制御プログラムが未完成のままだった。宇宙の同胞を求め接触したソウギョクは新幹線超進化研究所で開発中の『シンカリオン ALFA-X』の機密情報を伝え、完成された機体には最新のプログラムが実装されていると推論し、偶発的に発見された『光の粒子』を用いて未来で完成されたALFA-Xを北海道の昆布トンネル内に転送。分断策によって『メトロポリタン・ヴァルハラン』内部で首尾よく 『ALFA-X Xモード』を取り込み、11のレンズで観る後光的な翼と武装を伴った完全体になる。搭乗者はナハネ。
全高推定45m。武装は外装の腕部クローと肩部ガトリング砲。光の粒子によって強力な防御能力を誇り、チームシンカリオン全員の攻撃を受けても、ビクともしない。しかし、防御時に発生する光の粒子には時間や空間を越える力があり、ヴァルドルやナハネにはそれを制御出来ていないという事実をハヤトに看破され逆転の糸口にされる。
列車形態の形状は大陸鉄道として活躍した亜細亜号に酷似しており、実際に初期の設定資料によると「パシナ型巨大怪物体」と表記されているのが確認できるが、よく見ると従輪が3軸の客車や炭水車と同一の台車になっており、名前の由来である「パシフィック」型ではなくなっている。
冒頭で雪のゴジラが登場した直後に列車形態が登場したことから、両者を同一の存在と勘違いした観客もいたようだ(おそらく、脚本上の意図的なミスリードだろう)。
「シンカリオンZ」では
数年後、かつて『雪のゴジラ』が出現した『ニヤマ高原スキー場』へ、車体が酷く劣化し傷んだ状態で不時着した。
また、よく見ると機関車の従台車が客車と共通だった3軸から専用の2軸台車に変更されている。
ここに来るまで自力で走行しており、自律して戦えるようAIが搭載されていたか、長い年月を得て意思が宿ったと思われる。エネルギーを使い果たしたのか機体は起動せず、鈴の音のような物を時折発していた。
メーテル達はこれが何かの信号であると考え、機体の解析と同時に信号の解析を進めていた。ところが、ヴァルトムがトレランティアを注ぎ込んで暴走させ、再起動して変形、暴れだす。
その後、戦闘に入りZ_E5、Z_E6(途中Z_E7に代わって参戦)、E7(Zコード探索のため途中離脱)、H5を相手に圧倒その間も信号音は時折発せられていた。戦いの最中、ヴァルトムに力を注ぎ込まれパワーアップし半ば暴走状態に陥る。
なお、ヒビキの解析で件の信号音は地球のものでは無いことが判明。
メーテルとタイジュ、シンは奮戦するも窮地に陥るが、トコナミ(ザガン)がカンナギの操り人形と化したアブトを救うべく超進化研究所に送ったセツラにH5のZコードとザイライナー、そしてユゴスピアの位置情報を持たせたため、『ザイライナー 261ホクト』のZコードが龍飛崎にあるとわかる。出水は初期の段階で完成していたザイライナーの情報から、トコナミが齎したものだと察した。
タイジュが偶然会ったソウギョクにより、信号音は元々キトラルザスが使う代物で、ヒトのSOS相当だと判明。対話を試みたメーテルによると、あの戦いの結果遥か時空と宇宙の彼方へ飛ばされたらしく、主人であるナハネを失いながらも銀河を駆け続け、長い時間をかけようやく地球へ帰ってこれたということらしい。
さながら、サンタとはぐれたトナカイのように。
そのSOSを汲んだメーテルに「クリスマスと共に、あなたの旅も、ここが終着点よ」とZ合体したH5ホクトの『ホクトカンテラガトリング』で撃破されるが、直前に「ありがとう」とでも言うようにオーラが消え、メインレンズの色が正常に戻り、周りの周りの10個のレンズも再点灯した。
撃破後は、再び列車形態に戻った。
長き銀河の旅は終わり、古の兵器から新たなる仲間「超進化銀河鉄道ヴァルドル」として
その後超進化研究所の手で再回収され、北海道から九州へと移送。レイ達により修復され、テオティの本拠地『ユゴスピア』がある衛星軌道へ向かう唯一の手段として投入される。
それでも、加速には『第2超進化速度』へ到達させる必要を有し、動力源と云える『光の粒子』の分量ではシンカリオン全機種を輸送出来ず、往来では僅かに二回のみに留まる困難なミッションであった。話し合いの末に輸送はZ_E5とザイライナー E235ヤマノテを2回に分けて往復輸送することに決まり、運転はメーテルが受け持つ。
なお、上述の通り、超進化研究所所有にあたり「超進化銀河鉄道ヴァルドル」と新たな名前を授かった。
修復の際に運転室内には色々と付け足されており、さながら「銀河鉄道999」に登場した999号のソレになっていた。
メーテルいわく「この子の生きる場所ができた。」
余談
軸重の関係で実際のパシナも軸配置を2C2のハドソンとすることを検討されていたようで、ある意味これが本来の姿なのかもしれない。
一足先に地球に降りていたカンナギに呼び寄せられ、アブトもダークシンカリオンで駆けつけており、いつでも命令を実行するつもりだった。しかし、アブトもカンナギも木陰に潜んでヴァルトムを様子を覗き見ていたが、カンナギは不満を漏らすだけで特に追撃を命じることはなく、アブトも言われなくても暴走するヒステリックな性情に変化したのに何もしなかった。2人して何をしに地球に降りたのか謎のままである。
参考文献
コミカライズ『未来からきた神速のALFA-X』徹底解説
「CGWORLD + digital video」vol. 259