タナトス(聖剣伝説2)
たなとす
概要
ヴァンドール四天王の1人。髑髏の仮面で素顔を隠している魔術師であり、魔法騎士の異名を持つ。謎の多い男であり、レジスタンス側でもその全貌は掴めていない。
ランディたちの行く先々で遭遇する為、四天王の中では一番登場回数が多い(四天王で最初に戦うゲシュタールよりも登場が先である)。
ただし、ファウナッハ以外の仲間と行動しているシーンは一度もなく、皇帝と四天王が揃っている場面でもタナトスだけいなかった。
古の文明や知識、魔術などに詳しく、策謀を巡らし裏で暗躍する事を得意とする帝国の優れた軍師であり、
北の魔女・エリニースに魔力の源の薬草を渡したり(その代償として、彼女にパンドーラ王国の人々の生気を抜かせていた)、精霊・ドリアードの力を封じ込めて本来の力を出せないようにするなど、強大な魔力を有している。
ヴァンドール皇帝に付き従ってはいるが、その裏ではプリムの想い人のディラックを誘拐したり、操ったディラックが連れてきたプリムの生命エネルギーを利用しようとしたり、ファウナッハを唆して皇帝を出し抜いて暗殺するなど、独自の思惑で動いているような節がある。またパンドーラや帝国民から生気を抜き取っており、ジェマには疑問を抱かれていた。この抜き取った生気をどう利用するつもりだったのは不明。更にはディラックから「女の生き血が必要」と語られており、タナトスがプリムの生命力に驚嘆するような描写がある。彼自身が生気や生き血を求めたのか、配下のバンパイアのエサにするつもりだったのか不明。
自身の野望の為には利用できるものは全て利用する非情にして冷酷な野心家でもあり、(おそらく)用済みになったファウナッハをランディたちを使って排除し(ただしファウナッハがランディたちに挑んだのは時間稼ぎと個人的な恨みからである)、更にマナの神殿からの脱出の時間稼ぎの為にゲシュタールを機械人形として蘇らせて利用するなどの行為をみせている(生前のゲシュタールはタナトスから聖剣の勇者達三人の報告を聞いているが、タナトスの目論見には気付かなかった模様)。
その真の目的は古代兵器・マナの要塞を復活させ、それを用いて世界の王へと君臨する事。
その為にヴァンドール帝国を利用して要塞復活の為のマナエネルギーを集めさせていた本作の真の黒幕にして全ての元凶であり、その正体は魔界に心を売り渡し永遠の命を得ようとした古の魔法使い。
体が朽ち果てる度に数十年に一人だけ生まれるとされる闇の力を持った他人の体に乗り移り続け生き続けてきたが(それ以外の人間の身体だと彼の力に耐え切れず体が粉々になって爆発してしまう)、永きに渡り生き続けた結果、精神を蝕まれ生への執念と怨念の塊の権化・ダークリッチと化してしまっており、ディラックを誘拐し、最後まで手放さなかったのも今の体が限界を迎え朽ち果てようとしていた為、新たな器として彼の肉体を奪う為であった。
マナの要塞を復活させ、もっとも邪魔な存在となるマナの樹(ランディの母親)を破壊した後、世界を救う為、全ての決着を付ける為に乗り込んできたランディたちの前で闇の力を持ったディラックの肉体を奪い取ろうとするが。激昂したプリムの一撃を受け現在の肉体を滅ぼされる。
はうぅっ! …クッ、し、しまった…うぐぐぐ、げぶっ
かっ、体が朽ち果てる! …ううっ
た、たすケふぇ…ぐええ…
お、おのれぇぇ…
うおおおぉぉぉ…
しかしその寸前でディラックの肉体への憑依を成功させ、嘆き叫ぶプリムをあざ笑うかのように「私がディラックだ!」と勝ち誇る。
…クックック…フハハハハ!
乗り移りに成功したぞ!
残念だったな! これで世界は私のものだ!
フハハハ…は、は?
な、なんだ!? 動きが取れん!
うおぉ、やめろぉぉ!
完全に体を奪い取られる前にディラック本人が強靭な精神力でそれを阻み、彼の正体とプリムの事をランディに告げると自害した為、肉体を得る事に失敗し遂にその醜い正体を曝け出す。
タナトスの正体、ダークリッチ
グググ、許せん!
せっかく手に入れた体をぉ…
このままでは消滅してしまうぅ
こうなったら、いちかばちかだぁ!
お前らの身体をよこせぇぇ!
ぐはあぁぁ…
本来の姿のままでは現世に留まる事が出来ない為、怒り狂った彼はヤケクソで今度はランディたちの肉体に一か八かの再起を賭けて、彼らの体を奪おうと襲い掛かるが、所詮他人の力を借りなければ生きていけない化け物では、大幅な成長を遂げたランディ、プリム、ポポイの三人に勝てる筈も無く返り討ちにされ、消滅。その醜い野望と共に完全にこの世から滅ぼされた…。
これで全ての悲劇に終止符が打たれたかと思われたのだが…。
他人に頼らなければ生きられない身でありながら、他人を利用し、切り捨てる生き方はランディたちとは対照的と言えなくもない。
パメラ、エリニースは彼に利用されたことを悔やんでいて、ゲーム中で反省している。
『聖剣伝説2 SECRET of MANA』で付け加えられた設定
今現在の体が朽ちかけている為、体の左半身が骨になっていて、マントでいつも左手を隠している(アシンメトリーになっている)。
3Dだからこそ可能になった表現であろう。
死に際には「私は…私は…ぐわあああっ!」と叫んでおり、最期に何かを言い残したかったようだが叶うことなく消え去った。
その他
ヴァンドール帝国四天王はタナトス以外の四天王が三馬鹿風であり、タナトスがヴァンドール皇帝や四天王リーダーのシークよりも強いという変わった構成になっている。皇帝暗殺を紅一点のファウナッハにやらせ、自滅させてしまった点は、同社キャラクターのケフカ(FF6)よりも腹黒いかもしれない。
リメイク版の公式ガイドブックに付属されている年表では魔界と契約し、ダークリッチと化したのが、数百年前との記述が書かれている。古代文明時代は年表にすら載らないほど、遥か過去であり、タナトス自身は古代文明から生きていた訳ではない模様。
ヴァンドール皇帝達の闇の力を得たのは15年前とも明言されているため、こちらはタナトスが仕掛け人だった可能性が高いと思われる。