概要
『AT Lady!』『オートマティック・レディ』とは、のむら剛による漫画作品のタイトルである。
第28回赤塚賞(1988年)入選作。週刊少年ジャンプにて読みきり掲載と連載(1989年52号~1990年11号)が為され、ジャンプコミックスから全2巻が刊行された。
が、単行本収録に当たって、特に後述の“ブラッディ・ミサ”編を主に読み切り版と連載版が編集・再構成されているため、「完全収録」とはなっていない。その代わり、描きおろしが1編追加されているが……
(当時、作者はバイク事故で右手を骨折しており、完治もままならないまま単行本化の加筆を行っていたという)
作者は後に『岡野剛』と改名し、『地獄先生ぬ〜べ〜』の作画を担当している(デビュー当時の名義での単行本は『AT Lady!』のみ)。
内容
近未来(2001年)を舞台とし、科学的犯罪に対処するためのロボット刑事プロジェクトによって生み出された警視庁AT部隊の活躍と騒動を描いたギャグコメディ(下ネタ多目)。
なおここでのATとは"Automatic-Tec"の略。製作者は春田警部(IQ600)
警視総監の趣味により1号から7号までの7体が女性型(試作型である0号のみはいかにもなロボットで、とあるアクシデントにより誕生した8号は犬のサイボーグ)。ただし(連載が短期で終了したこともあって)7号以外はほぼゲスト扱い。(犯罪者の)松戸狂授によると1号でも「生まれて1年に満たない」らしい。
ロボっ娘、ドジっ娘、婦警さん、女性(型)だけの戦隊と、現代て言う萌え要素を全部乗せしたようなマンガであった。マニアックなファンも掴んでいたが、当時のジャンプでは“ヒーロー枠”にも“ギャグ枠”にも入りきれず、中途半端に浮いた作風となってしまい、いわゆる“10週打ち切り”で終わってしまった(かろうじて10話は超えているが)
時代と掲載誌が異なれば、また違った評価と展開もあり得たかと考えると、惜しまれる佳作である。
って、20年余後のジャンプの別の婦警さんにもどこか通じるような……
登場人物
- 7号:本作の主人公。外見は清楚系の美少女だが天然ボケの激しいトンマ・マヌケ・お人好しという数え役満揃った警官不適格のトラブルメーカー。しかし、お人好しで優しく、ひたむきな一途さを持つ。単三電池2本で7万馬力の膂力を誇る。
- 春田純一:警視庁AT部隊を率いる警部。ATプロジェクトの開発と運用を一手に引き受けるが、7号の大ボケに振り回され、向こう300年の全額減俸処分を受ける羽目になっている。
- 1号
- 2号
- 3号
- 4号
- 5号
- 6号
- 8号(チビ):元は7号が拾った仔犬。7号との警ら中、テロ組織「タイガー団」の構成員を逮捕して大手柄を挙げるが実はそのタイガー団によって家族を殺されて拉致された上で暗殺兵器として改造されたサイボーグ。しかし洗脳処置が終わる前にタイガー団から逃げ出していたためタイガー団とその構成員を深く憎んでいた。しかしタイガー団の暗殺プログラムのせいで暴走、7号に涙ながらに撃たれて止められる。のち悲しむ7号を慮った警視総監と春田警部によってAT8号として再生。7号の実質的な相棒となった。
- 警視総監:警視庁AT部隊計画を発案したエライ人。だが開発ロボを全てガイノイドにしたがるなど、けっこうなエロジジイ。
関連タグ
オートマティックレディ…用例はこちらの方が多い。
7号 / 七号…名前の都合上、検索すると他作品のキャラクターやメカニックが多数ヒットする。こういう作品としては珍しく愛称は一切無く(姉たちも含め)、最後まで番号でしか呼ばれなかった。