太閤記(大河ドラマ)
たいこうき
企画・制作
前2作とは異なり、本作は現代人視点で歴史的出来事を描く歴史ドラマ路線へと転換した。
例として、1話冒頭で前年に開通した東海道新幹線や豊国神社の実写シーンから始まったことなどが挙げられる。
秀吉役の選考には、「若くて猿っぽい顔」を求め、様々な若手俳優が候補に挙がったが、当時の演出担当であった吉田直哉が「新国劇に猿に似たヤツがいる」という情報を聞いて、デスク担当者にその人物(緒形拳)の写真を撮らせた。それを脚本担当の茂木草介に見せた所、「これならいける」と緒形拳が主役に決まった。
石田三成役には当時慶應義塾大学に在学中であった石坂浩二が「頭が良さそうに見えるから」という理由で起用された。
なお、出演にあたっては大学に「この出演で単位を落としても文句は言わない」という誓約書まで提出している。
反響
平均視聴率は31.2%、最高視聴率は39.7%を記録した。
信長役の高橋幸治の演技が人気を呼び「信長を殺さないで」という助命嘆願まで相次いだ。そのため、本来第32回で放送するはずだった本能寺の変を第42回まで延期された。その期間、なんと2ヶ月。しかも、信長はその後の回想シーンでも登場している。
余談だが、本作は全52話である。その中で42話で本能寺の変が流れるとなると、残りの10話で山崎の戦い(1582年)~秀吉の最期(1598年)までの16年、しかもこの間に起こっている賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦い、紀州征伐、四国征伐、九州征伐、小田原征伐、朝鮮出兵、秀次の切腹などの様々な事件をを描かなければならなくなる。
描きようによってはできないこともないかもしれないが、かなりの駆け足で進んだものと思われる。