概要
| 首都 | ブエノスアイレス |
|---|---|
| 面積 | 278万1498平方キロメートル |
| 人口 | 4732万7407人（2022年5月） |
| 建国 | 1816年7月9日（スペインより独立） |
| 通貨 | ペソ |
| 公用語 | スペイン語 |
| 国家元首(職) | 大統領 |
| 政体 | 大統領制 連邦共和国 |
アルゼンチン共和国（アルゼンチンきょうわこく、スペイン語：República Argentina、英語：Argentine Republic）は、南アメリカ南部に位置する連邦共和国。スペイン語圏諸国としてはメキシコに次ぐ規模であるが、南アメリカ最大の国であるブラジルはポルトガル語圏である。南大西洋に面しており、北部にはパンパと呼ばれる平原が広がり、南部にはペンギンが生息する。農業と畜産が主要産業で、メンドーサ市を中心にワインの生産が盛んである。サッカー・ラグビー強豪国であり、他にもタンゴ発祥国としても知られる。
歴史
1516年1月にスペインの探検家であるフアン・ディアス・デ・ソリスが最初のヨーロッパ人としてこの地を訪れた。しかしすぐに先住民と諍いを起こして間も無く殺害され、その後もスペインによってこの地域の植民地化は進められた。
1810年5月に開始された独立戦争はアルゼンチンの勝利に終わり、1816年7月に完全な独立宣言が布告されてスペインから独立した。
国際関係
長年に渡って敵対していたチリ・ブラジルとの関係が深化し、パラグアイ・ウルグアイと共にメルコスール（南米南部共同市場）を結成した。名実共にラテンアメリカ諸国の一国としての道を歩んでおり、旧宗主国のスペインとは良好な外交関係を保っている。
アメリカ合衆国
1823年1月に外交関係を樹立し、この時にアルゼンチンの前身であるリオ・デ・ラ・プラタ連合管区を正式に承認して以来両国関係を維持してきた。1853年5月に制定された新憲法は部分的にアメリカの憲法に基づいており、同年7月に両国間で通商条約が締結された。
2016年12月にアメリカとアルゼンチンは税務情報交換協定を締結した。この協定は税務情報の相互的かつ自動的な交換の為の法的な枠組みを提供するもので、ジェイコブ・ルー財務長官は「両国の税執行努力の間の重要な協力を可能にするだろう。」と述べた。
日本
1898年2月に外交関係を樹立し、この時に修好通商航海条約を締結した。1944年1月に第2次世界大戦によって一時断交し、1952年4月にサンフランシスコ講和条約が締結されて回復した。1960年12月にアルトゥーロ・フロンディシ大統領が日本を訪問し、その後2国間貿易・日本の対アルゼンチン投資の重要性が高まった。
イギリス
1823年12月に外交関係を樹立し、当時のアルゼンチンはイギリスとの関係を支持する外交政策の概要を示し始めた。1982年4月に一時断交し、1990年2月に両国の共同声明によって回復した。
1982年4月にフォークランド諸島（マルビナス諸島）の領有を巡ってイギリスと交戦・敗北した。今もなおイギリスとはしこりが残り、アルゼンチンはこの戦争（フォークランド紛争）の敗戦を契機に軍部の威信が落ちて民政に移行した。
2016年1月にデーヴィッド・キャメロン首相とマウリシオ・マクリ大統領が会談した。この会談で両国間の対話と友情の新たな段階を開始する事に合意し、両国が歴史的に築いてきた強い関係を再確認した。
ロシア連邦
1885年10月に外交関係を樹立し、1917年11月のロシア革命で一時断交した。1946年6月に回復し、この時に両国の通商関係が確立した。
2014年7月にウラジーミル・プーチン大統領はアルゼンチンのブエノスアイレスを公式訪問した。プーチン大統領はクリスティーナ・フェルナンデス大統領と会談し、この訪問中にヴァカムエルタでの油田とガス田の共同開発・パタゴニアでのダム建設などの協力協定を締結した。更にロシア企業がアトゥーチャ原子力発電所の開発に参加するという合意が確立され、1900万ドルで同発電所の3番目の発電ユニット建設の入札に参加している。
2022年2月にアルベルト・フェルナンデス大統領は、ウラジーミル・プーチン大統領と非公式に会談した。両者は共同声明で「アルゼンチンとロシアが手を取り合い、両国に有利な関係を深める為の重要な一歩を踏み出している。」と語り、プーチン大統領は2国間の経済関係の深化と多様化への関心を強調した。
栄光・転落
かつては国民のほとんどを白人が占める白人国としての自負が強く、チリ・ブラジルとは宿敵の関係にあり、むしろイギリスとの関係が深かった。ただしチリは白人主体ではあるが、混血の比率が高い。
第2次世界大戦まではイギリスを初めとするヨーロッパ連合諸国への牛肉・小麦の輸出で栄えた。世界の10本の指に入るほどの経済力を有し、国民1人当たりのGDPは日本より遥かに高く、西ヨーロッパ諸国に匹敵するほど豊かであった。しかしアルゼンチンの繁栄は外需依存のいびつなものであり、1955年9月以降は内戦・軍のクーデターが打ち続くなど政治的混乱が続いて経済が失速した。財政破綻を何度も経験し、先進国から発展途上国へと転落したと言われている。
その他
首都ブエノスアイレスの地下鉄では丸ノ内線・名古屋市交通局の旧型車両が使用されている。
南極大陸の一部を自らの領土として主張していた時期があり、同様の主張はチリ・イギリスといった他国でも行われていた。現在はアルゼンチンが加盟している南極条約によって領土の主権などは凍結されている。
