※厳密には「変」がカタカナ表記ですが、タグの都合上この表記に統一します。
概要
通称「ここ変」。ビートたけし司会で、1998年~2002年までTBS系列で放送された「討論バラエティ番組」。
当初はスペシャル番組として1997年に一度放送された企画が好評を博し、翌年にレギュラー化した。
放送時間は2001年3月までは毎週水曜日の22時~22時54分であったが、同年4月から最終回までは木曜日の同時刻に引っ越した。
内容と反響
回によって差異はあるが、「日本在住の外国人約100名」と日本人パネラーが討論をかわしていくというスタイルは共通。
当初は「外国人が日本で生活していく中での様々な疑問について議論する」といった感じであったが、番組内容が話題になるにつれて段々と過激化していき、途中から国内外の諸問題を外国人目線をあわせて討論していく内容となった。(余談だが、同時期に同じくTBS系列で放送されていた『ガチンコ!』もプロボクサーを目指す企画「ガチンコファイトクラブ」がヒットして以降、他の企画もそれに追従するかの様に過激ドキュメンタリー路線へとシフトしていった)
日本国内における社会・時事関連の討論番組のイメージに良くも悪くも強烈な爪痕を残したことで知られる。
放送が終了して20年以上が経過した現在でも5ちゃんねるを始めとする掲示板サイトやTwitterなどのSNSで後述する番組のエピソードが時折語られたりと、半ばレジェンド的に語られると同時にあまりのカオスぶりから「ガチンコともども、ある意味TBSの黒歴史」と評されることもしばしば。
具体的には…
討論内容がド直球
掲げられる議題が政治、文化の諸問題的にガチすぎることで有名。
国内外のカルチャーギャップだけでなく、日韓の歴史問題、憲法9条、構造改革を推し進めた小泉内閣、外国人労働者問題、イジメ、虐待、LGBT、アダルトビデオなど、普段なら会話のタネに挙げることも憚れるようなデリケート極まりないものばかりがメインなのが特徴。
(ただし、稀に日本食についての討論やギャルと討論したりなどの軽いテーマのものもあったため、一定のバランスが取られてはいる)
議題内容が上記の通りな上に、出演者のちょっとした発言に対しても日本人サイド・外国人サイド共にヒートアップ。段々と荒っぽい態度や言葉遣いになっていき、酷い時には今の御時世では倫理的に問題視される様な発言や出演者同士による喧嘩に発展する事態が何度かあった。(後述)
過激過ぎる発言と喧嘩騒ぎ
同性愛が議題に上がった際、出演したゲイの日本人男性に対してインド人男性からは「自分の子供がもしゲイになったら殺す」「もしあなたが私の近所に居たり、親戚だったとしても殺す」といった本来ならば脅迫罪にあたる発言が出たのを皮切りに、ナイジェリア人男性からは「生きる資格はない!」といったもはや全否定も同然な発言まで飛び出し、これにはゲイ・レズビアンは当然として、ラモスも激怒した。
更にそこからゲイとパキスタン人男性(ゲイ反対派)の間で喧嘩寸前になる事態にまで発展し、スタジオはパニック状態となった。
他には軍服マニアとの討論にて、ナチスの軍服を着たマニアに対してフランス人男性が「フランスでその格好してたら逮捕されるか、死刑になる」「街中で歩いてればマジで殴る」と激怒。その後、軍服マニアがナチス式の敬礼を行い、これがフランス人男性の逆鱗に触れて放送事故扱いの喧嘩寸前になりかけた。
コメンテーター側の暴走
ラモス瑠偉、KONISHIKI、江川達也、RIKACOなど著名人がコメンテーターとして出演していたが、議論がヒートアップした時には手厳しい発言をする場面も多かった。
特に出演者、視聴者の双方から顰蹙を買ったのはレギュラー出演者のテリー伊藤。もともと常軌を逸した思想と言動で知られた彼だが、番組内での挙動はある意味で伝説となっており、我を忘れ過ぎて延々と他出演者を罵倒したり、傍若無人ぶりを見せ続けるのはデフォルト。
後に『ここがヘンだよテリー伊藤』として、数々の問題発言を吊し上げられる事態になった。
「日本の芸人は世界に通用するのか?」という企画ではモリマンが局部を露出する、島崎俊郎のアダモステにアフリカ側の出演者が激怒するなど各芸人がヤバすぎる芸を連発し、会場が騒然となる事態になった。汗かきジジイ(=今井彰一)に至っては汚すぎて初っ端から放送中断のテロップに差し替えられた。
結論はナシ
『朝まで生テレビ!』などの他討論番組と同じく、問題提議や討論はしても結論は出さない。
このため、重苦しい議題や喧嘩になりかける程の散々な討論内容に比例して後味の悪い幕引きになりやすく、視聴者からは「一緒に視聴していた知人と意見が合わず険悪な雰囲気になった」といった報告が相次いだ。
こうしたことから、あらゆる意味での「問題番組」として賛否両論の評価がされている。
また、日常生活において侮辱罪・誹謗中傷・脅迫罪にあたる様な発言や、出演者の高圧的な態度や品のない言葉遣いに対してクレームがあった等の問題点から、2000年度の『親が子供に見せたくない番組』ランキングにてワースト10にランクインした事があった。
エピソードほか
出演した外国人は会社員や大学院生などの一般人とされたが、実際には稲川素子事務所の所属タレントであったことが後に明かされている。
たけし軍団とも関わりが深く、後に駐日大使になったゾマホンは番組内での独特過ぎる口調とキャラクターで人気を博したことがきっかけで、司会のビートたけしに気に入られた。
番組終了後、たけしはゾマホンを自身の付き人にしており、自身が司会を務める『世界まる見え』などのバラエティー番組でもフリートーク中にゾマホンの近況をごく稀に、なおかつ唐突に語る事がある。
彼が祖国ベナンに「たけし小学校」を開設する事業は番組内の長期ドキュメンタリーとして放送された。
2019年4月に放送された『ジョブチューン』内の特集「令和に語り継ぎたい平成のTBSバラエティーランキング」にて、本番組が6位にランクイン。その際には番組にレギュラー出演していたガーナ人男性で俳優のサムエル・ポップの近況が放送された。
派生
転じて、日本および日本人の滑稽な様相を批評、揶揄する際に用いられることもある。
関連タグ
ビートたけしのTVタックル:同じくたけし司会の討論番組。放送はテレビ朝日系列。