Dr.スランプ
どくたーすらんぷ
概要
天才工学博士でちょっとスケベな則巻千兵衛が作ったロボット少女・則巻アラレがペンギン村で様々な騒動を巻き起こすギャグ漫画。
2001年から2004年にかけてコンビニコミックス版が発売、2006年から2007年にかけて、完全版コミックスが発売された。
2007年3月には、月刊少年ジャンプでDr.スランプ復活作品として掲載された完全新作「Dr.スランプ 2007年特別編 Dr.マシリトアバレちゃん」アニメ映画化された。
読者アンケート1位の常連であり、押しも押されもせぬ週刊少年ジャンプの看板作品であった。
人気に留まらず、さまざまな形でサブカル業界に影響を与えたエポックメイキングな作品である。
なお、タイトルのDr.スランプとは千兵衛のあだ名。作者の鳥山明は千兵衛を主人公にして彼が作るポンコツ発明品が起こすトラブルを描く漫画として展開するつもりだったのだが、連載開始後に名物編集者である鳥嶋和彦の強い主張でアラレを主人公にする作品として方向転換を行った。
いくらギャグ漫画といえども当時の少年漫画界で「女の子が主人公の漫画」は前代未聞であったが、この挑戦は結果的に成功を収めることになった。アニメ化をきっかけに女児からの人気も得ており、アニメの方は玩具展開など見る限りはむしろ女児向けのカテゴリーと見られていたところもある。
「んちゃ」「ほよよ」「キーン」のアラレ語は当時の流行語になった。
メディアミックス
1981年に『Dr.スランプアラレちゃん』としてアニメ化されると、それまで一番人気だったドラえもんを追い越して、特番が組まれるほどの人気を博した。同年には、短編だが、劇場化された。
EDに使われた『アラレちゃん音頭』は全国の盆踊りで流され、ヒットした。
現在では信じがたいことだが、当時は「アニメ化するとファンがそちらばかり見て、単行本が売れなくなる」と考えられており、雑誌も作家もアニメ化には消極的であった。
しかし、放送局側が熱心に交渉を重ね、実現にこぎつけると、原作の売上も上がり、盛んにグッズも作られるようになった。
つまり、本作は「人気作であればアニメ化する」「アニメ化すれば原作も売れる」「関連グッズも売れる」という現在のアニメ業界のビジネスモデルを定着させた立役者とも言えるのである。
それ以外にも本作が1980年代の漫画やアニメの世界に与えたインパクトは大きく、80年代後半から始まったデフォルメの大流行は『Dr.スランプ』のヒットが下地になっている。
1997年にも『ドクタースランプ』というタイトルで再度アニメ化。グッズやCM起用も放送当時は全てこちらになったが、放送終了後は、グッズやCM起用は全て『Dr.スランプアラレちゃん』基準となり、リメイク版のグッズは全て販売終了となり、リメイク版のデザインのグッズなどはこれポッキリとなった。
ストーリー
ひたすらのどかなペンギン村には名物の女の子が居た。則巻千兵衛博士がノリと勢いで作ったアンドロイド、則巻アラレちゃんである。
万年スランプの博士と一緒に今日もアラレちゃんは大暴れ!!ペンギン村は今日も嵐だお祭りだ。
登場キャラクター
キャラメルマンシリーズ
- メガネブタ(ブータレブー)
よく出る脇役キャラの豚で、サングラスをかけており、「ペンギン村に朝がきたぞーい」と言うセリフがほとんどである。性格は生意気で、最初の頃は生意気なことを言っても千兵衛や鳥山などが言い返すことはなかったが、中期あたりからは、「今日の晩飯はとんかつがたべたいな」「わしはとんかつが大好きなんだぞ」などと脅されるようになる。
- ガラとパゴス
ペンギン村の警官で、よくアラレにパトカーを壊されている。アラレが警官になる番外編では、アラレのコスプレ姿でアラレが乗っているパトカーを壊そうと復讐を企てたこともあるが、失敗に終わり大怪我した。
- パーザン
自称ジャングルの王者。スッパマンと顔が似ているため、よく間違えられる。
- ブビビンマン
ハエに似た姿の宇宙人で、ハエブンブ星人。スッパマン同様、スーパーヒーローになることを夢見て地球にくるが、上陸したところがペンギン村だったため、あまりに強いアラレと遭遇してしまい挫折する。地球人の出したうんちを好む。当初はちょこちょこ登場していたが、いつの間にか登場しなくなった。アニメでは、うんちを食うシーンはカットされている。
ブビビンマンよりも後に登場したスッパマンが人気になって定着してしまい、スッパマンとキャラが被っているため存在感が薄くなった。
- チビル
ペンギン村の活火山のパタパタ山の火口を通じて、地獄からやってきた小悪魔の男の子。
- モラス
チビルの姉で、箒に乗った魔女。やたらに惚れっぽい性格で、男性を見るたび誰彼構わず結婚する気になる。
アニメ
TV
- 『Dr.スランプアラレちゃん』(1981年4月8日 - 1986年2月19日、1990年12月31日、1992年1月1日 - 1月3日、2007年6月29日、2008年1月1日) 全268話、全252回(243話+SP6話+短編3話)
- 『ドクタースランプ』(1997年11月26日 - 1999年9月22日)全75話(74話+SP1話)
劇場映画
- 『ハロー!不思議島』(1981年『東映まんがまつり』)上映時間25分
- 『ほよよ! 宇宙大冒険』(1982年)上映時間90分
- 『ほよよ!世界一周大レース』(1983年『東映まんがまつり』)上映時間52分
- 『ほよよ!ナナバ城の秘宝』(1984年『東映まんがまつり』)上映時間48分
- 『ほよよ!夢の都メカポリス』(1985年『東映まんがまつり』)上映時間38分
- 『んちゃ!ペンギン村はハレのち晴れ』(1993年『東映アニメフェア』)上映時間40分
以上6作品は1980年代のTV版第一作『Dr.スランプアラレちゃん』に準ずる映画化であるのに対し、以下の3作品は『ちょっとだけかえってきたDr.SLUMP』の劇場版になっている。
- 『んちゃ!ペンギン村より愛をこめて』(1993年『東映アニメフェア』)上映時間32分
- 『ほよよ!!助けたサメに連れられて…』(1994年『東映アニメフェア』)上映時間25分
- 『んちゃ!!わくわくハートの夏休み』(1994年『東映アニメフェア』)上映時間20分
- 『アラレのびっくりバーン』(1999年『東映アニメフェア』)上映時間20分
『ドクタースランプ』に準ずる本作が、現時点では最後の劇場映画作品になっている。
関連作品
めちゃっこドタコン:旧アニメ版では同期に放送されたDr.スランプの少年版であったが、明暗を分ける結果になった。
サイボットロボッチ:1982年10月から翌年6月迄ダイナミックプロ原作・ナック製作・テレビ東京系で放送されていたロボットギャグアニメで、本作を手本にした。此方もDr.スランプの少年版である。
ドタコンとは逆に予定より放送延長された。
イチゴーキ!操縦中:ある事件で改造人間に変えられた主人公と主人公を改造人間に変えたマッドサイエンティストなヒロインを中心としたギャグ漫画。「発明の才能はあるが失敗ばかりの科学者」、「(一応)正体を隠しているが、全く気づかれない」といった点が本作とどことなく共通している。
また遊びに来てちょ!
バイチャ!