概要
毎日放送(MBS)制作。
毎週木曜19:00-20:00にTBS系列28局で放送されるほか、系列局がないエリアでもフジテレビ系列局へ番販ネットされている(2016年4月3日から福井テレビ、2018年4月1日から秋田テレビで遅れネット)。
2012年10月に放送を開始した当初は「プレッシャーバトル」という番組名で、芸能人がドラフト形式で2チームに分かれて戦う番組だった。
ところが番組開始からわずか3ヶ月でリニューアルを行い、書き順クイズがメインになった。トーナメント形式で書き順クイズを行い優勝者を決めるというもの。敗退者には「ひらがなだったら書けるでしょ」といううたい文句で送り仮名を答えるクイズを行った。
さらに2013年11月からは、様々な趣味の能力を査定する番組へと再度大幅なリニューアルを実施。
挑戦者の作品に専門家が点数をつけ「才能アリ」「凡人」「才能ナシ」の3段階に分ける。成績優秀者は特待生となり、さらに昇格すると名人となり段位が与えられる。
夏井いつき先生の解説と添削が特徴的な俳句査定は看板コーナーであり、ほぼ毎回放送される。その添削は時に毒舌を交える程徹底的であり、例えば「雨降る」なんて詠もうものなら「雨は降るもんだろ! 降らない雨があるなら持ってこい!」(「俳句は17音しかないので言わなくてもわかることは入れるな」という意味)などと言われてしまう。
凡人以下ともなれば大御所だろうと高学歴だろうと容赦なくぶった切られるため、「イメージが壊される」として番組に出たがらない芸能人もいるらしい。
査定においてはMBS制作の番組でよくある「解説者が別室にいる」方式をとっている。生け花においては假屋崎省吾先生が査定した作品をスタジオに持ち込んで解説する。
ルール
事前に4 - 10人の有名人や著名人が1つのジャンルに挑戦する。その後挑戦者の作品に専門家が点数をつけ「才能アリ」「凡人」「才能ナシ」と査定。なお、査定の公正を期すため、誰の作品かは査定員には伝えられない。そのため、ボロクソに酷評した作品の作者が大物だったと知って査定員が青ざめるのがお約束である。
また、「才能」と命名されてはいるが、単純に当該作品の出来栄えによって判定されるルールのため、伸び代については考慮されない模様。ただし作品として下手でも発想が良かったり独創性があると認められふ場合は「将来性のある凡人(才能ナシ)」と査定で付け加えられる場合もある。
放送での順位の発表順は浜田に任され、多くの場合は真ん中の順位の挑戦者から発表し、2人が残ったところで1位に選ばれた挑戦者を発表する。
「才能ナシ・最下位」と査定された挑戦者には、コーナー最後に「センスがなく、番組を壊してしまう恐れがある」という趣旨のプロフィールを読ませる。但し、使いどころを間違えると芸能人へのレッテル貼りにもなりかねないためか、現在は改編期に放送される2択査定(後述)の敗者、TBS系人気番組対抗戦(TBS・MBSが制作するテレビ番組の出演者が出演)において「才能ナシ・最下位」と査定された場合等一部シチュエーションのみに限定して行われる。
様々な査定
いずれの査定でも、査定発表後には先生が添削及手直しを行ったり、同じ題材で「お手本」となる作品を披露する。
- 出場者に事前にお題と1枚の兼題写真を出す。挑戦者はその写真からお題に沿った一句を詠んで提出する。兼題写真および写真に関連するもの・光景からどうとらえるか、写真から発想を飛ばし連想される光景をとらえるかは自由である。
- 提出した句を収録前に夏井いつき先生が査定。70点以上で「才能アリ」、69 - 40点で「凡人」、39点以下で「才能ナシ」となる。
- 放送では作者による説明、特待生・名人による講評の後、浜田が「先生」と呼び、別室にいる夏井先生が登場する。評価のポイントを解説し、より良い句にするために添削。作者の説明で言葉の意味を間違えている、作者の意図と実際に出来た句がかけ離れているなどの理由により夏井先生が採点時に解釈した語意と食い違っている事が判明する等した場合は、夏井先生の判断による減点、それによりランクダウン・順位の入れ替えが発生する。
- なお出来や作者の工夫が良かったり、独特の世界観が評価された場合は、添削の必要なしと判断。逆に才能ナシ10点以下、もしくは凡人査定でも手の施しようがない場合は、添削不可の烙印を押される事も。
MBSでは、公式サイトで展開している「MBSコラム」内で、「もう一度楽しむプレバト俳句」を開設し、毎回の放送後、「俳句の査定才能ランキング」について紹介するコラムを更新している。
- 収録前にテーマとなる草花が発表、それを必ず利用して30分以内で自由に生けてもらう。後に番組が用意した数種類の花器から1種類選ぶ形となり、作品に見合った花器の選び方や合わせ方も査定されるようになった。さらに特待生に対しては背景に後ろに掛け軸があるなど特殊なシチュエーションで生けてもらう場合もある。
- 出来上がった作品を假屋崎省吾先生が査定。スタジオに査定した作品を持ち込み、手を加えながら査定や手直しのポイントを解説する。出来が良い場合は手直しなしとなるが、あまりにもひどい場合は手直し不可となる。
- 挑戦者1人につき1つの課題料理を出す。その料理を自分のセンスで盛り付けてもらう。器や調味料は番組が用意したものを使用でき、お題に沿って食材を自分流にアレンジすることができる。特待生に対しては盛り付けの題材は自由だが器が指定される、名人初段以上からは同じ器を2枚並べ、同じ料理を別々の形で盛り付けるという課題が出される。作品発表前に「どうぞお召し上がりください」と言うのがお約束。
- 盛り付けた料理をVTRに登場する土井善晴先生が査定。見た目の美しさ、独創性、一般的な料理の作法・マナーに則っているか、料理の味を損なわない盛り付けになっているか、食べる人のことを考えているかを基準に判断する。
- 題材は自由(特待生はランダムに題材が与えられる)で、出来上がった作品を野村重存先生が査定。なお、「お手本」はもはやオーバーキルとも言える出来映えであり、浜田に「描きたいだけやろ!」とツッコまれることも。
- 切り取り方、正しい描写、明暗を各10点満点で採点し、合計が25点以上で「才能アリ」、24 - 15点で「凡人」、14点以下で「才能ナシ」となる。
- 題材と宛先は自由で、出来上がった作品を花城祐子先生が査定。花城先生にはどのような間柄の人に宛てた絵手紙かが伝えられる。
- 絵の味わい、絵と字のバランス、メッセージの工夫を各10点満点で採点し、合計が25点以上で「才能アリ」、24 - 15点で「凡人」、14点以下で「才能ナシ」となる。
- 挑戦者にはそれぞれの出身都道府県で行われた小学生書道コンクールの作品から1字(特待生の場合は二字熟語)を提示する。出来上がった作品を武田双葉先生が査定。
何故か2018年以降行われていない。
- 題材は自由で、出来上がった作品を田口奈津子先生が査定。査定解説後、同じ題材で「お手本」、あるいは挑戦者と同じはんこを用いて手直しを加えた作品を作る。こちらのお手本もオーバーキルと言える出来映え。
- 彫り方、押し方、デザインを各10点満点で採点し、合計が25点以上で「才能アリ」、24 - 15点で「凡人」、14点以下で「才能ナシ」となる。
- 題材がランダムに(食べ物が多い)決められ、出来上がった作品を三上詩絵先生が査定。やはりお手本はリアルすぎてオーバーキルになる。
- 色選び、塗り方、明暗を各10点満点で採点し、合計が25点以上で「才能アリ」、24 - 15点で「凡人」、14点以下で「才能ナシ」となる。
その他
特待生制度
2015年10月に登場。連続して才能アリを獲得、2回以上1位を獲得した場合、高い技術や発想力を評価した場合、特待生に認定される。ただしこれらは最低基準であり、最終的には査定員の判断により認定される。特待生ランクは以下の通り。
師範 |
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名人10段(永世名人) |
名人10段(☆ - ☆☆☆☆) |
名人10段(無星) |
名人(初段 - 9段) |
特待生(1 - 5級) |
特待生は通常査定の間は待機席の一番上の段に座り、挑戦者たちを見守り、作品についての批評を行い、通常査定のランキング発表後、特待生昇格試験に挑戦。通常より厳しい査定を行い、「昇格」「現状維持」「降格」のいずれかを判定。「昇格」なら昇段、昇級でき、「現状維持が続く」「特待生・名人としてあるまじきミス」「査定員を傷つけた」などの場合は「降格」で、降段、降級となる。特待生5級で降格の場合は通常挑戦者に戻り、名人初段で降格の場合は特待生1級に戻る。特待生剥奪となった事例は俳句の羽田圭介と光浦靖子と犬山紙子、和紙ちぎり絵のくっきー!。名人剥奪は今のところ無い。
査定結果は、査定員から渡された結果と「先生からの一言」が記された紙を浜田が読み上げて発表する。昇格、降格は通常1ランクだが、かなり出来が良い作品の場合は2・3ランク昇格になる場合もあり、あまりにも出来が悪い作品の場合は2ランク降格もある。改変期のスペシャルでは、特待生一斉昇級試験が行われることもある。
当初は「特待生」「名人」「師範」の3段階だったが、11月に特待生が5つのランクに細分化された。2016年6月9日放送の俳句査定で梅沢富美男が特待生1級から名人に昇格。名人が「名人初段」となり、師範まで何段あるかが不明とされていた。その後昇段するごとに上のランクが解放され、師範までの間に10段ある事が明かされた。
2018年7月19日放送の俳句査定で梅沢が俳句の名人10段に昇段した際には「永世名人」を導入。名人10段を6つに分け、昇格時は星なしでスタート。査定員が添削がなしで素晴らしいものであれば「前進」となり星を1つ獲得する。添削がなくても発想がありきたりである場合などは「現状維持」、1つでも添削された場合は「後退」となり、星を1つ没収される。無星の状態で添削を受けても、通常における「降格」に値する出来でない場合は「現状維持」で留め置かれる。星を5つ獲得すると「永世名人」の称号を獲得する。さらに最高位の師範にもなると、査定員と同様の立場で添削を行うことになるらしい。
永世名人のお手本俳句
- 永世名人(現在は梅沢富美男、東国原英夫、村上健志(フルーツポンチ)、千原ジュニアの4名)が自身の句集を制作するため、活字にできるほどの良句を50首作ることを目標とした企画。段位は関係なく「掲載決定」か「ボツ」かの二択で査定される。
- 永世名人の俳句は「お手本」ということで専用の掛け軸に大きく掲示されるが、ボツとなった場合は「永世名人の権威を守る」という理由、というより名目で丸ごとシュレッダーにかけられ盛大な紙吹雪と化せられる。その際にはエレクトリカルパレードのテーマソングが流れている。なお、シュレッダー屑は廃棄しておらず、梅沢の紙人形として再利用している(それでも梅沢自身にとっては不服極まりないようで「絶対に(紙人形は)完成させないからな!!」と息巻いている)。
タイトル戦
改変期には、特待生のみでタイトル戦が行われる。
- 俳句の場合は「春光」「炎帝」「金秋」「冬麗」の4タイトルがあり、各タイトル戦優勝者がその称号を獲得でき、一般観覧席の上に肖像画が飾られる。さらに2018年炎帝戦からはまず特待生だけで予選を行い、その通過者と名人による決勝戦を行う2段階形式となった。いずれも通常のお題より難度の高いお題が出される。
- 水彩画の場合は事前に野村先生が指定した複数のお題から抽選で決定。採点基準は通常の切り取り方、正しい描写、明暗各30点ずつに加え、特別加点10点の100点満点方式で採点。優勝者はその時の絵を拡大したものが番組セットとして飾られる。
- 生け花の場合は1つの器に2種類の花をメインに生けてもらう。
才能ナシが無いからつまんないなんて言ってはいけない
2択実力査定
俳句や生け花において、「才能アリと凡人」「両方才能アリだが一方は手直し無し」といった組み合わせの作品から、より良い方の作品を当てさせる。また、もう片方の作品を才能アリレベルまで直す課題が出される。同じ人が司会のライバル局が制作する番組と同じじゃないかなどとは言ってはいけない。
それぞれの査定での名人・特待生
ここでは各査定で代表的な人物を挙げていく。
梅沢富美男…言わずと知れたMr.プレバト(自称)。俳句コーナー初期からその才能を披露し、2020年5月に永世名人の座に一番乗り。夏井先生とは互いに「なっちゃん(不都合な事を言われた時や、悪態をつく際には「ババア」)」「おっちゃん」と呼び合うほどの仲良しであり、因縁のライバル(?)として、事ある毎に口喧嘩したり、言いくるめられるのがお決まりのパターン。
また、活け花や料理の査定にも意欲的に取り組み、複数の分野で名人・特待生の称号を獲得している。
「この番組は誰のおかげで視聴率取れてると思ってんだ!」
東国原英夫…2021年4月に2人目の永世名人となったほか、タイトル戦では最多の6度の優勝経験を誇る梅沢と双璧を成す俳句名人。梅沢とは対照的にシリアスな雰囲気の句を得意とするほか、元宮崎県知事らしく現代社会や政治問題を絡めた俳句も多い。プレッシャーには結構弱い。
「俳句ハラスメントですよ……」
村上健志(フルーツポンチ)…2回の査定で俳句の特待生になったほどの俳句名人。夏井先生からは、何気ない場面を詩的に切り取れる能力は誰にも真似できないと評される一方、その自己陶酔系の性格とポエミーな俳句ゆえに千原ジュニアや藤本敏史からは「いい句やけど嫌いやわぁ(笑)」と評される。2022年6月に3人目の永世名人になった。
千原ジュニア…主に消しゴムはんこ査定で活躍。精巧な作品は田口先生をして「プロの消しゴムハンカーとして有名になれる」と言わしめるほど。俳句でも実体験を元にした「750cc(ナナハン)俳句」などが評価され名人にまで昇格。ついには2020年の秋のタイトル戦である金秋戦を敗者復活から勝ち上がり本戦で優勝する快挙までも達成した。その他にも生け花、絵手紙、丸シールアートと5部門で特待生認定された稀有な才能を持つ。
2023年1月に4人目の俳句永世名人になった。
三遊亭円楽…落語家初の俳句特待生。 タイトル戦で夏井先生への賄賂でいじられることが多い。
なお、2018年4月から2021年3月までは裏番組に「笑点 特大号」があったため、両方でその姿を見ることができた。
立川志らく…円楽に続く落語家2人目の俳句特待生にして落語家初の名人。ここぞと言うときの勝負に弱いらしく、俳句タイトル戦ではボーダーラインの一つ下で予選敗退が目立つ。また、東大卒の才媛、鈴木光に敗北して以降、高学歴の挑戦者にも弱い傾向がある。同じ落語家同士である円楽には対抗心を持ち、共演する度に舌戦を繰り広げるのがお約束。
くっきー!(野性爆弾)…ジュニアと並び特待生を5部門持つ数少ない人物(水彩画、絵手紙、消しゴムはんこ、色鉛筆、バナナアート)。毎回とんでもなく奇抜ながらもちゃんと上手い作品で先生や他の出演者を驚愕させている。ただし裏目に出ることもあり、以前は和紙ちぎり絵も特待生だったが、あまりに奇抜に過ぎて降格になっている。水彩画はダーハマを描き入れて本人に突っ込まれるのがお約束。
辻元舞…ファッションモデルで2児の母。絵画に関する才能は突出しており、色鉛筆、水彩画、消しゴムはんこ、バルーンアート、丸シールアート、陶芸、バナナアートと、7部門全てにおいて初回で特待生認定されている。
光宗薫…元AKB48メンバー。辻元と双璧を為すほど絵画の才能に優れており、水彩画、黒板アート、バナナアート、トーストアートで一発目の挑戦で特待生認定されている。また、スプレーアートコンテストで2回連続1位を獲得している。
田中道子…女優。芸術面での才能が有り、個展を開いたこともある。水彩画に於いて野村重存先生より「光の道子」、更に「水の道子」と評される。自ら納得いく作品が出来なかったり、評価が悪かったりすると感情をむき出しとする。
犬山紙子…夫(劔樹人)ともどもハロヲタのコラムニスト。才能ナシ2回、凡人2回、才能アリ1回という成績のまま、特待生でもないのに出場した2021年の炎帝戦でいきなり優勝してしまった。しかし、その優勝後に提出した俳句は才能ナシ査定で、やはりただのダークホースかと思われたが、2連続の才能アリで特待生に昇格した……のも束の間、次の俳句で特待生を剥奪されてしまう……のだが、次の俳句でまたも才能アリ評価。ちゃんと修正してきたとの理由により特待生に返り咲くという、やたら乱高下を繰り返す波乱万丈タイプ。
その他
- 松岡充(俳句、陶芸)、岩永徹也(俳句、色鉛筆)、松田悟志(水彩画、色鉛筆)、三上真史、竹内涼真(生け花)といったpixiv民に馴染み深い特撮俳優も特待生認定されている。
- 2021年、賀喜遥香(乃木坂46)は、消しゴムはんこ査定で番組初出演であるにもかかわらず見事「才能アリ」に認定、しかも一発で特待生入りを果たした。消しゴムはんこ部門でのこの偉業は、番組開始史上初の事態である(ちなみに俳句で林修(2020年)、陶芸でハラミちゃん(2021年)、トーストアートで望月理恵(2022年)などが番組初登場でいきなり特待生になっている)。
余談
前代未聞の転落劇
- 2022年8月11日放送回にて、「俳句」部門初登場の乃木坂462期生・鈴木絢音が見事「才能アリ」で第2位となった…が、鈴木が詠んだ俳句の意味が夏井いつき先生が考えていたものとあまりにも異なっていたため、70点だった点数を半分の35点に減らされた上に「才能ナシ」へと転落する羽目になった。この転落劇は番組史上初の事態である。
関連タグ
格付けチェック(出演者のほか、プロデューサーや演出などの一部スタッフが共通)