ワイルドウインドガール
わいるどういんどがーる
概要
2015年末、月刊少年チャンピオンにて向井拓海を主人公としたスピンオフの連載がスタートするという衝撃の発表が行われた。
「チャンピオン」といえば数多のヤンキー漫画を手がけてきた雑誌だが、中でも月チャンはヤンキー漫画とホラー漫画でほぼ占められているため、特殊な主人公とはいえ『アイドルマスター』が連載されるのは異例中の異例である。
※とはいえ後述の通り主人公のキャラ立ちはチャンピオン系列で連載しているマンガなんだと納得せしめる、それこそクローズの猛者どもに引けを取らない迫力を誇り、違和感は思った以上にない仕上がりになっている。
正式タイトルは『アイドルマスターシンデレラガールズ WILD WIND GIRL』。
2016年5月号より連載開始。作者は迫ミサキ。
作風はまさに「月チャン版アイドルマスター」と呼ぶにふさわしく、他のメディアミックスにはない直接的な暴力・セクハラ表現を用いた過激な作風ながらも、ヤンキー漫画とアイドル漫画の王道がうまくミックスされたような展開となっている。
また、作者も元々原作ゲームをプレイしているだけあって、原作で見られるエピソードを意識してストーリー中に盛り込んだ描写も多い。
2017年8月号は休載し、かわりに5thライブ「SerendipityParade!!!」石川公演のライブレポが掲載された。単行本4巻に収録されている。
本作の単行本3巻と『アイドルマスターシンデレラガールズU149』1巻には相互に応援コメントを寄せている。
2017年12月号において本編が最終回を迎え、2018年4月号から12月号まで番外編『Burning Road』と題して隔月で再び連載された。単行本の巻数は本編と通巻。
2021年(第52巻)12月特別号にシンデレラガールズ10周年を記念した読み切りが掲載された。
2018年3月よりWebコミックサイト・サイコミにおいても本編が期間限定で出張連載され、拓海・里奈・早苗・プロデューサーが裏表紙を飾った。
原作ゲーム内では6周年記念キャンペーンの一環として特設ページに本作と『U149』のお祝いイラストが掲載された。
また、『スターライトステージ』公式Twitterで公開された3周年カウントダウンイラストの1枚も手がけている。
秋田書店オンラインストアでは作者描き下ろしのアクリルキーホルダーが期間限定で受注販売され、2017年に第1弾・2018年に第2弾が登場した。
登場人物
※CVはオリジナルCDより
向井拓海
(CV:原優子)
主人公。今どき見ないテンプレのような暴走族「狂鬼会」の紅一点&リーダー。
カチコミに明け暮れる毎日だったが、ひょんなことからプロデューサーにスカウトされ、アイドルへの道を歩み始める。
はじめは彼の口車に乗せられほとんど嵌められるような形でステージに立ったこともあり、アイドルを頑なに拒んでいたが、そこから見た景色や他のアイドルたちの輝きに感化され、心境が変化していく。
藤本里奈
(CV:金子真由美)
ふわふわした見た目とつかみどころのない性格だが、仕事に対する熱心さと歌唱力は本物で、それはアイドルに否定的だった拓海の心をも動かすこととなる。
ある事件をきっかけに拓海との相性を見込んだプロデューサーの提案によりユニットを組むことになる。
プロデューサー
(CV:内匠靖明)
拓海と里奈のプロデューサー。ホストのような見た目に違わぬいいかげんな性格で、警察のお世話になることもしばしば。拓海のスカウトもナンパまがいのものだった。
しかし根は熱く、アイドルへ危害を加える者はたとえクライアントでも許さない。
部長
(CV:宮崎敦吉)
プロデューサーの上司。眼鏡にバーコードヘアーと、いかにもな風貌の中間管理職。
しょっちゅう問題を起こすプロデューサーに頭を悩ませており、向こうからも陰で「クソハゲ」と呼ばれ疎まれている。
それでもアイドルのために必死な様子の彼を少しずつ認めていくようになり、ひとりの人間として成長するきっかけを作った拓海たちにも感謝の意を表している。
片桐早苗
(CV:和氣あず未)
童顔小柄な婦人警官。第2話で営業中のプロデューサーを連行しかけたのを機に、何かと拓海たちと関わることになり、遂には警察の身分を自ら捨てアイドルに転身することとなる。
事務所に入ってからは意外にもプロデューサーとウマが合ったり、拓海とも渡り合う格闘能力を見せたりと、いろんな意味で本領を発揮している。
大槻唯
(CV:山下七海)
第4話より登場。里奈たちと同じ事務所のアイドルの1人でギャル仲間。明朗快活な性格で、誰とでも積極的にコミュニケーションを図る。
ダンスレッスンを通じてアイドルを楽しむことを表現し、初期の拓海の心に影響を与えた人物の1人となる。
北条加蓮
(CV:渕上舞)
第4話より登場。里奈たちと同じ事務所のアイドルの1人。レッスンには真摯に取り組み、ノリ優先の唯の操縦役。里奈と連絡がつかず焦る拓海を冷静に励ましたり、翌日に歌番組の収録を控えていたため参加せずプロデューサーと共に観戦した水着スポーツ大会で拓海の魅力に気付くなど陰に日向に拓海のアイドル活動を支えた。
神谷奈緒
(CV:松井恵理子)
第7話より登場。里奈たちと同じ事務所のアイドルの1人。公私ともに加蓮と一緒にいることが多く、加蓮の弁によると拓海と奈緒は似た者同士なのだとか。
ぶっちを可愛がっており、事務所からいなくなった時には加蓮と一緒に探しに駆け回っていた。
中野有香
(CV:下地紫野)
第4話より登場。里奈たちと同じ事務所のアイドルの1人。小柄でツインテールの可愛らしい容姿だが、実は空手黒帯の実力者。早苗とともに不良に捕まった際もすぐさま二人で返り討ちにしてしまった。
一方で、カワイイ女の子への憧れも持つ見た目相応の純真乙女でもある。
木村夏樹
(CV:安野希世乃)
第6話で初登場したロック系アイドル。拓海たちが海の家でのお仕事をしに行った浜辺のLIVEイベントにてトリを務めていた。里奈もお気に入りのマジイケパフォーマンスは女性人気も高い。プロデューサーの案内で見物したそのライブは拓海の心に何かを残したのだった。
そして第14話にてツーリング中の拓海と邂逅。初対面ながらもお互いステージでの姿を知っており、バイク趣味もあってすぐに意気投合、拓海が心情を吐き出して新しい一歩を踏み出すきっかけとなった。
仏恥(ぶっち)
暴走族時代に拓海が世話をしていた子猫。現在は事務所で飼われており、主にちひろが世話をしている。他に拓海や奈緒、たまにプロデューサーも世話をしている。
命名は見ての通り拓海だが、プロデューサーには「名前に「恥」が入っているからやめてやれ」と言われている。
原作の「SR[硬派乙女]向井拓海」のカードに描かれていた子猫をリファインしたキャラクター。
その他、原作に登場する多数のアイドルがゲストやモブとして登場している。
IDOL INFORMATION
彼女たちのこと、教えます!!
毎回本編後に掲載されている1ページのアイドル紹介コーナー。主にその回に登場したアイドルが取り上げられる。雑誌掲載時のみの企画かと思いきや単行本にも収録された。
最終2回には掲載されなかったが第16話で3人紹介しているので帳尻は合っている。
16~18回と20~21回は同じ号に掲載された。
回 | 名前 |
---|---|
1 | 向井拓海 |
2 | 藤本里奈 |
3 | 龍崎薫 |
4 | 大槻唯 |
5 | 片桐早苗 |
6 | 十時愛梨 |
7 | 北条加蓮 |
8 | 神谷奈緒 |
9 | 白坂小梅 |
10 | 城ヶ崎美嘉 |
11 | 松永涼 |
12 | 中野有香 |
13 | 大和亜季 |
14 | 木村夏樹 |
15 | 川島瑞樹 |
16 | 日野茜 |
17 | 輿水幸子 |
18 | 姫川友紀 |
19 | 速水奏 |
※番外編より
単行本限定CD
本作の単行本は通常版と特装版の同時発売となっており、特装版にはオリジナルボイスドラマと楽曲で構成されたオリジナルCDが付属する。
また、アニメイトでは店舗限定版として特装版にさらに特製ブックカバーがかけられている。
巻数(発売日) | 曲名 | 歌 |
---|---|---|
第1巻 | Absolute NIne | 向井拓海 |
2016/09/01 | お願い!シンデレラ | 藤本里奈 |
純情Midnight伝説(GAME SIZE) | 向井拓海・藤本里奈 | |
第2巻 | Orange Sapphire | 向井拓海・藤本里奈 |
2017/02/08 | お願い!シンデレラ | 片桐早苗 |
Snow Wings(GAME SIZE) | 大槻唯 | |
第3巻 | 生存本能ヴァルキュリア | 向井拓海 |
2017/06/08 | きみにいっぱい☆ | 藤本里奈・片桐早苗・大槻唯 |
Yes! Party Time!!(Short version) | 安部菜々 | |
第4巻 | Virgin Love(新曲) | 向井拓海・藤本里奈 |
2017/11/08 | BEYOND THE STARLIGHT | 向井拓海・藤本里奈 |
Jet to the Future(GAME SIZE) | 木村夏樹 | |
第5巻 | 炎の華(新曲) | 向井拓海 |
2018/03/08 | Love∞Destiny | 神谷奈緒・北条加蓮 |
お願い!シンデレラ | 向井拓海 | |
第6巻(番外編) | ||
2019/03/08 | LOVE☆ハズカム(新曲) | 藤本里奈 |
明日また会えるよね | 大槻唯・中野有香 | |
サマカニ!! | 向井拓海・藤本里奈・上田鈴帆・難波笑美 |
※ボイスドラマは省略。