概要
原作小説版『機動戦士ガンダムUC』において触れられた、高次元存在。集合精神そのものともされる。
追補小説『不死鳥狩り』で初めて登場し、ユニコーンガンダム3号機フェネクスを操っている。
魂が集うフィールドとして
『不死鳥狩り』で全体と繋がったニュータイプのヨナ・バシュタのモノローグによれば、宇宙世紀の人間はこの世に産まれ、寿命を全うし、死ぬ(肉体を捨てる)と全体へと還る。全体はこの循環運動を繰り返している。全ての人間が高次の存在となって刻を見られるその日が来るまで千年、万年、億年の時間がかかるかもしれないが、それは全体にとっては見渡せる刻の積層でしかないという。
機動戦士ガンダムNTにおいて
劇場版アニメ『機動戦士ガンダムNT』では、ミシェル・ルオが立てた仮説という形で、似通った概念が語られる。
彼女曰く「宇宙世紀の人間は死ぬと魂(エネルギー体)となり、認識の及ばない高次元にある魂が集うフィールドに行く。」 、「ニュータイプは生きたまま、魂から発する未知のエネルギーを操って現実に働きかける者」で、「サイコミュは時に魂のエネルギーを集め物理的なエネルギーに変換してモビルスーツに作用させる装置」としている。
集合精神として
小説『不死鳥狩り』の世界観では、死者の魂が全体の中へ還っても、人間としての自我は個々で残っている。ただし姿・形は接触する生者のイメージに依存するようで、ヨナ・バシュタが幼馴染のリタ・ベルナルと世界の界面(現世とあの世との境界)で再会した際にはヨナの持っている記憶が反映されて、リタは幼少期の姿をしていた。
全体の一部となった人物
リタ・ベルナル
U.C.0095、地球連邦軍とアナハイム・エレクトロニクスとの合同評価試験に強化人間として参加したリタは、搭乗機体ユニコーンガンダム3号機フェネクスのリミッターを外された事で試験中に死亡。全体の一部になった。フェネクスの全身がサイコフレームで出来ていた為、彼女の魂はフェネクスに憑依、機体が彼女の肉体となった。
イアゴ・ハーカナ(小説版)
U.C.0096、袖付きのヤクト・ドーガをコアとした不完全なネオ・ジオングとの戦闘で機体を操られ、止む無く味方のヨナ・バシュタに自分を討つよう命令したイアゴは死亡。全体の一部となった。
劇場版アニメ『機動戦士ガンダムNT』では、死亡せずイアゴは全体の一部とならなかった。
行動目的
『不死鳥狩り』では、全体の一部となったリタ・ベルナルの魂がユニコーンガンダム3号機フェネクスを肉体として、フル・フロンタルの手にハルユニット=ネオ・ジオングが渡り、準備の出来ていない人類に刻を見せてしまう前に破壊しようとしていた。
『ガンダムNT』でも『』
全体の性質
フルサイコフレームの機体に魂を移す
サイコフレームが人の意思を集積する金属だからか、全身がサイコフレームで出来たいわゆるフル・サイコフレーム機体を全体は依代とする事が出来る。『不死鳥狩り』ではユニコーンガンダム3号機フェネクスに、リタ・ベルナルの魂が乗り移っている。
フェネクスは『不死鳥狩り』では半年間、無補給で活動した。また、そのスピードはバズーカよりも速いと形容された。
既知
他人の既知の伝播
小説『不死鳥狩り』でヨナはフェネクスの近くにいた影響で、誰のものかも分からぬ他者の魂の既知が自分の既知と同化して、本来ならば知りえない対象の情報を獲得し、短期間でパイロットしての技術も向上した。
可視化された刻を見る
小説『不死鳥狩り』ではヨナが既知にアクセスし可視化された刻を通して、リタの過去の映像を視た。これらの事からニュータイプは、既知へアクセスすることで過去の映像を視ているらしい。
関連動画
『機動戦士ガンダムNT』×『機動戦士ガンダムオンライン』 コラボレーション対談 #02
上記の動画の27:05~29:45
『機動戦士ガンダムUC』と『機動戦士ガンダムNT』の脚本担当で福井晴敏氏が、大まかに全体の概念を解説した。※ガンダムUCの原作者であり、ガンダムNTでは原案作成者。