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FrozenTeardropの編集履歴

2023-06-10 15:15:04 バージョン

FrozenTeardrop

ふろーずんてぃあどろっぷ

『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』。隅沢克之による小説。

概要

2010年10月号から『ガンダムエース』で連載された隅沢克之による小説である。さらに同時期に連載された漫画版『新機動戦記ガンダム 敗者たちの栄光』と連動されている。


著者の隅沢は「成功する続編を作り上げるための段階的な小説」と連載開始前のインタビューで語っており、試験的な作品としての側面が強い。元々トレーズ・クシュリナーダ視点から過去を執筆する予定であった小説「新機動戦記ガンダムW エントリッヒ・エロイカ」の構想を代用し、さらに映像作品から数十年後の未来のストーリーも追加されたのが本作『Frozen teardrop』である。


そのため「ガンダムW続編」と銘打って紹介されているが、実際には映像作品から過去の時代が描かれているため少々注意が必要であり、さらにストーリー進行において未来過去と時間軸が入り交じった作品であるため、時系列を常に意識しながら物語を読み進めなければ、全体像を把握するのが難しくなっている。

しかし上記の問題をクリアすれば、ガンダムWの世界観を掘り下げる小説としてこの上ない作品であり、例えばトレーズ独特の思想(敗者の美学)がどのように形成されたのか、未来においてTV版からの主要人物の関係性に終止符を打った(ヒイロとリリーナの婚姻、火星大統領のデュオとファーストレディーのヒルデ)等、一見の価値あり。


また本作は先の時間軸を取っていることから、モビルスーツの技術はほぼ失われた世界観となっている。しかし人型兵器は登場し、今大半は別のルーツを持つ「マーズスーツ」と呼称される。ただし一部埋蔵されていた機体や技術を復元したものは、開発したドクトルTらによって「モビルスーツ」と呼ばれている。内容は映像作品から数十年後の「マーズ・センチュリー」の時代を描いた作品で、ガンダムパイロットの波乱万丈なその後、新たな兵器(マーズスーツ)VS旧兵器(モビルスーツ)の戦い、そして若き後継者達の活躍を描いている。


EWとの設定の矛盾について

『EW』の結末において「その後の歴史においてガンダムを含むモビルスーツと名の付く兵器が登場することはなかった」とされている。しかし本作で再びモビルスーツの登場により、その結末と矛盾しているのではないかと度々議論になるが、以下の諸説が考えられる。


  • 黒歴史との関係性

『黒歴史』とは『∀ガンダム』に登場する用語であり、太古に封印された宇宙戦争の歴史を指している。その宇宙戦争の歴史とは『宇宙世紀』シリーズのみに留まらず、『アナザーガンダム』も含まれている。富野由悠季監督は、「全てのガンダムは∀に繋がる」と発言している。

この「黒歴史」の世界観を背景とする∀ガンダムの登場によりEWの結末は否定される結果となった。そのために本作では「マーズ・センチュリー」の新時代に移行する。その後の歴史を「アフター・コロニー」の旧時代であると解釈すれば、黒歴史とEWとの矛盾を解消するに至ることもできる。

そもそもガンダムシリーズがパラレルワールドの世界が多く、黒歴史に繋がるシリーズ(分岐点)もあれば繋がらないシリーズ(分岐点)があるのが実態であろう。

それを気に入らないファンがいるのも事実ではあるが、頑なに拒むのではなく、こういった考えもあるのかと、ふんわりとした形で受け取るのが最良であろう。

また、機動戦士ガンダム 光る命 Chronicle U.C.では、∀が目覚め、月光蝶で文明を滅ぼし、数々のアナザーガンダムと繋がっているような描写であるが、あくまでも公式が定めたわけではなく、福井晴敏氏の独自解釈であるということも理解すべきである。


  • EWとは別時系列

本作自体が『EW』とは世界観が別であり、かつ本作との設定の不整合が起きない漫画版『敗者たちの栄光』の続編である可能性も巻末に示唆されている。実際にリーブラをウイングゼロで破壊するミッションでTV版とEW版ともにツインバスターライフルであったが、『敗者たちの栄光』ではドライツバークバスター・ドッペルトでの破壊であった。このように敗者たちの栄光オリジナル展開も描かれているために、EWと世界観が同一でない可能性が高い。


  • プリベンターの設定

プリベンターとはA.C.196年に発足された地球圏統一国家に置かれた秘密情報部である。

戦争の火種となりえる争いが発生すれば、秘密裏に『火消し』という名の鎮圧を目的とした組織である。トレーズ率いる世界国家軍とミリアルド率いるホワイトファングとの闘い『EVE WARS』が終結後、すでに世界では軍備縮小に向けて動き出していた。しかしプリベンターは トールギスⅢトーラスといった戦闘兵器『MS』を保有していたためマリーメイア軍のクーデターにも対処することが可能であった。

そのために今後も歴史上にMSが登場しないだけであって、プリベンターが戦争を未然に防ぐため、極秘にMSを保有し続けるのは十分に考えられるであろう。


アニメ化の予定はあるのか?

本作もガンダムシリーズであるため新型モビルスーツが登場するが、主要機体の設定画が公開されずに終了した異例の作品である。これは隅沢がカトキハジメのアニメ化まで機体公開を控えたいという主張を尊重したためであると推測される。しかし当の本人は元々アニメ化の予定はないと後のインタビューで主張しているために語弊が生じている。

これは上述の通り本作は試験的な側面が強い作品であり、なおかつ過去も描かれているため、アニメ化の企画が動いたとしてもTV版シリーズに匹敵するボリュームになる可能性が高く、放映が終了した既存のガンダム作品にそこまで予算が回らないという事情もあるのであろう。


2019年に超合金GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITEで本作に登場したMS「白雪姫(スノーホワイト)」がウイングガンダムスノーホワイトプレリュードとして初の立体化。


2023年GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITEでガンダムデスサイズヘルEWが立体化。その開発インタビューにおいてデスサイズヘルEW版のバリエーション展開として「魔法使い(ワーロック)」の立体化が示唆されている。


同年『ガンダムエース』8月号にて『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 静寂の終曲(フィナーレ)』のコミカライズ化が決定。これはFTのその後を描いたショートエピソードである。


主な登場人物

主人公。唯一他のメンバーと違ってコールドスリープしていたため年を取っていない。新たなガンダムである白雪姫に搭乗し、本編のようにリリーナを「殺す」ために行動を開始する。

かつてのデュオ。戦後に平和に馴染めず生活や性格が荒れ、不義理な行動を取り続けるも、最終的に後継者や守るべきものを得て更生していく。

かつてのトロワ。自身に昔の名前を与えてくれたドクトルSの名前にあやかって付けられていると見られる。ちなみにTはトリトンのと読む。キャスリンとともにサーカスの興行を行っていたが、戦乱の機運を感じてガンダムの必要性を悟り、エンジニアとしての才能を活かして開発(復元)を実行に移す。相変わらず寡黙だがかつてと比べると温和になったとされ、さらにじじい呼ばわりされてムッとするなど感情がわかりやすくなった。

かつてのカトル。ドクトルTとおなじく縁のあるH教授の名前を借りている。それぞれが年月の経過から容姿が老けたことが描写される中、彼だけは青年として描かれる。

かつての五飛。ヒイロを除けば老いてなおバリバリの現役でMSパイロットをこなす化け物。ガンダムエピオンをエピオンパイとして復元し、自ら搭乗する。



火星連邦政府


ラナグリン共和国


地球圏統一国家


トレーズ・ファイル


ピースクラフト・ファイル


ゼクス・ファイル


主な登場メカニック

白雪姫(スノーホワイト)

魔法使い(ワーロック)

シェヘラザード

プロメテウス

ガンダムエピオンパイ

エピオン初号機

トールギスヘヴン

ビルゴⅣ


表記揺れ

フローズン・ティアドロップ FT


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新機動戦記ガンダムW 小説

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