概要
ある基準に基づいて、差をつけて扱うこと。区別すること。元々は仏教用語の一つで、「善悪などを持つ特殊相」のこと。マーケティングでは「差別化戦略」などの用語もある。
近年は、社会問題として言及される場合が多く、「特定の集団や属性に属する個人に対して不当な扱いをする行為」というような意味となり、単に「差別」という場合こちらのほうが一般的である。
差別の種類
この現象が行われる分類としては、以下のものが多いとされる。
学歴、年齢、性別、性的嗜好、人種、財産、言語、階級、宗教、病気、門地、容姿など。
無論、このほかのことにおいても差別される事例は数限りなく存在する。
差別にまつわる問題
差別の対象になりかねない本人が公表していない個人情報を第三者に暴露する行為はアウティングと呼ばれる。
合理的なものとされやすい年齢・病気等による差別でも、不当なものはハラスメント行為と見なされる。特に高齢者への差別・偏見は、高齢化社会に伴い「エイジズム」として問題視される事例が増えている。
性別・人種等を理由とする差別は、すべてが不合理であると考える向きがあるが、実際にはこれらの場合も合理的な理由により区別される事例が存在する。一例として男女間の再婚の期間の差別がある。これは当事者にとっては差別に見えるかもしれないが、実は子供の親権問題による処置である。しかし時代の変化により、過去には合理的だった差別もそうではなくなっているので、見直される事が必要であろう(上記の再婚期間差別もDNA鑑定が可能になっている現在では合理的とは言い難くなっている)。
また、差別解消のため優遇政策(アファーマティブ・アクション)を行う場合があるが、それが逆に新たな差別(逆差別)につながったり、差別されている側がかえって不利益を被ったりする場合がある。例えば黒人の医学部入学優遇で、医者の器ではなかった黒人までもが医者になり、「黒人の医者は腕が悪いので危険」という風評被害が広がるなど。差別解消後も優遇が続けられることにより、単なる利権と変わらないものになってしまう場合もある。
社会運動等標榜ゴロ
差別を利用して恐喝・強要・詐欺などを働く不届き者もいる。日本でよくあるのは「えせ同和行為」である。
被差別部落の関係者を自称する人物や団体が企業などに押しかけ、同和問題についての本を高額で買うことを要求するなど。こういった行為は、当人が被差別部落とは縁もゆかりもない暴力団員などであるならばもちろん、真に被差別部落の出身者であっても、えせ同和行為となる(暴力団の名前を出したりヤクザがバックに居ることをほのめかした場合、暴力団対策法違反にも当たる)。
被差別者やその関係者であっても、その立場を笠に着て不当な要求をする事は、差別解消どころか差別を残し続ける上に新たな差別を生み出す元となる。多くの企業や団体がこのような悪質なクレーマーに安易に屈してきたことが、「社会運動等標榜ゴロ」(社会運動を装い金品等を要求する反社会的勢力)を増長させてきた。不当な要求・糾弾は毅然として断り、証拠を添えて警察や法務局に通報するべきである。
同和問題などの部落差別に限らず、こう言った差別を利用して荒稼ぎを狙う輩もいるため気をつけなければならない。
また、こういった犯罪組織と本来の差別解消運動を意図的に混同し、「反社」などのレッテル貼りをする「反・反差別」のレトリックもよく見受けられる。
pixivにおける差別表現の禁止
利用規約には差別表現の禁止が記載されている。
14条の5項、18項、24項など。