概要
「船団護衛!輸送航路防衛戦」とは、合同会社EXNOA(DMM GAMES)のオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベント。
前段作戦は2023年8月9日未明(8日深夜)に開放された。後段作戦は第五・第六海域が同月25日(最終海域以外)に、それ以降が26日(最終海域)にそれぞれ開始予定であったが、海域実装作業における不具合などにより実際には第五・第六海域が26日、最終海域が28日に開始となった。
作戦名についてはバナー上において「期間限定海域【前段作戦】船団護衛!輸送航路防衛戦」表記されており、後段作戦名は「反攻上陸!ノルマンディー上陸作戦」と、2022年春イベ・梅雨イベ以来の前段と後段とで別の作戦名を有するイベントとなっている。
仕様
新システム
ステージ
前段4海域、後段3海域。
20年夏イベ以来の7海域の大規模作戦となった。
前段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | 横須賀鎮守府/呉鎮守府 | 【本土近海哨戒遭遇戦】 | ☆5 |
E-2 | 南沙諸島沖/カムラン湾沖 | 【朝日、再び】 | ☆7 |
E-3 | 八戸港沖/三陸沖 | 【八戸の盾】 | ☆9 |
E-4 | 津軽海峡/北海道釧路沖 | 【鎮魂の北海道厚岸沖】 | ☆12 |
近年増えてきた本土周辺および南西諸島までの哨戒を目的とする海域群であり、各地を転戦しながら最終的に東北・北海道方面の敵戦力を叩き出すことになる。
ストーリー的には欧州遠征に向けて本土近辺の制海状況を安定させる諸作戦群という位置づけ。
前段を通して『甲作戦と乙作戦の難易度差が大きい割に報酬差はそれほどでもない』という傾向が見られ、甲限定の報酬は過去イベントや任務で実装済みかつ同種装備の中で一段劣る第二選択くらいの装備や他海域の乙難度以下でも入手可能な装備など、基本的にスルーしてしまってもさほど問題ない装備が多い。
後段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-5 | 大西洋/イギリス海峡沖 | 【大西洋の壁】 | ☆13 |
E-6 | ポートランド島沖/ライム湾 | 【タイガー演習】 | ☆15 |
E-7 | ノルマンディー沖 | 【ノルマンディー上陸作戦】 | ☆18 |
こちらはほぼ完全にノルマンディー作戦実施までの史実をなぞる形となっており、最終的には大西洋の壁を破壊するのが目的となる。
E7最終盤では史実において欺瞞作戦によりドイツ軍の目を向ける先であったパ・ド・カレーを攻略するIf展開も描かれる
後段は前段と一転し、道中が難しくボス戦は対空砲火が極めて苛烈だが甲でもボス突破自体はさほど難しくないという傾向がみられる。
また、報酬の傾向は前段から引き続いており、全体的に近年デビューした後発の提督が古参提督に追いつくことを意図したイベントとも考えることができるだろう。
新艦娘
報酬
- 鵜来型海防艦十二番艦「稲木」(E-3突破報酬、E-4ドロップ)
- 吹雪型駆逐艦八番艦「白雲」(E-4突破報酬)
- Nevada級一番艦「Nevada」(E-5突破報酬、E-7ドロップ)
- Nelson級二番艦「Rodney」(E-7突破報酬)
ドロップ
- 丁型海防艦十二番艦「第二十二号海防艦」(E-1、E-5)
- 改敷島型練習特務艦二番艦「朝日」(E-2)
- Salmon級潜水艦SS-182「Salmon」(E-2、E-3、E-6)
- Marcello級潜水艦十番艦「C.Cappellini」(E-5、E-6)
- J級駆逐艦六番艦「Javelin」(E-6)
新敵勢力
後段作戦の元ネタがノルマンディー上陸作戦であることもあってか、多数の陸上型の敵が新たに登場している。
新アイテム
報酬
初期装備
新規BGM
その他
重巡ネ級改 夏mode大暴れ
初登場して以降、高火力・高雷装・高命中・高耐久・高装甲で幾度となく提督達の行く手を阻んできた重巡ネ級改及び派生形の夏modeだが、今回も例によって猛威を奮う。
E-1-2という最序盤から戦力ゲージのボスマス旗艦を務め、難易度丙以上だと最終形態で1隻増え、難易度甲に至っては先制雷撃可能な改Ⅱとなる。最終形態で増える1隻も、当然先制雷撃可能。札の関係上、主戦力の投入に慎重にならざるを得ない事もあり、E-1としては艦これイベント史上最凶クラスのマップとなった。
これ以降も、ギミックマスだったりボスの随伴艦だったりと至るところに登場し、場所によっては2隻出てくる挙句、難易度甲では先制雷撃をしてくる、といった具合に難易度を大きく引き上げる要因となった。この光景が前段作戦のあちらこちらで見られたのが恐ろしいところである。
一方で、後段作戦は対地戦が主軸となっているために出番はあまり多くなく、出てきたとしても連合第1艦隊にいるため先制雷撃ができない、と前段作戦よりは比較的大人しめ。無論、出てくる事自体が大きな難関となるため、脅威は健在である。
またこの状況は甲だけであり、乙以下であれば先制雷撃がほとんど飛んでこなくなるため難易度が大幅に易化する。
設計ミスか?史実再現か?E-4ギミックM3マス→新ルート発見へ
E-4のM3マスはルート短縮ギミック及び装甲破砕ギミックでS勝利を取らなければならない難所マスなのであるが、当初はルート分岐条件が
- 連合艦隊でM3マスへ向かうにはH→Cへ向かう低速艦が必要な航路を取らなければならない(通常艦隊でのB→C経由でたどり着くルートは未だ未解明)
にもかかわらず
- M3マスへ向かう為のK→M1の分岐条件が艦隊全員が高速+
とそもそも矛盾した条件しか判明していなかった。
この条件だと本ゲームにおいては艦の速度を出撃中に変更する事は不可能な為、普通にやっていても絶対にたどり着く事ができなかった。
ではどうすれば良いかというと
CマスもしくはKマスで低速艦を艦隊から除外する
事が必要だと言われたのである。つまりは、CマスかKマスで艦隊司令部で低速艦を退避させるか、手持ちがなければ低速艦を轟沈させるかというものであった。
なぜこんな複雑怪奇な条件が設定されたかというと、史実において白雲が米潜トートグによって撃沈され、薄雲が輸送艦を退避させた場所が当のM3マス付近だからだという説が濃厚である。
一方、ゲームとしては潜水艦をギミックの為に囮として使い捨てにするのがセオリーになっており、攻撃を回避する等で低速艦がKマスまでに大破していなければそもそも目的が達成できない、という問題が発生。艦隊が健在であるにもかかわらず、である。当然これでは作戦は失敗であり、支援艦隊や基地航空隊は無駄となってしまうのだ。
この為、一時はわざわざ再度出撃して大破させることを避けるために最初から大破した艦娘を編成し、ダメコンでH・C両マスを強引に突破して撤退もしくは轟沈させる、あるいはそこまでしたくないという提督の場合狙われやすい潜水艦を中破にして出撃させるなど、事情を知らない提督が見たら頭を抱えそうなかつてない異次元のプレイングを強いられるという、ゲームとしての設計ミスという説も出ていたほど。
そして前段作戦が開始されて3週間以上経過した後に、高速+のみでもM3マスへ到達できる編成が発見され、これらの諸問題は解決された。
その条件は『戦艦2以上、重巡系3以上、高速+統一』というわかってしまえば普通も普通な条件。このため『オンメンテでサイレント修正されたのでは?』といぶかしむ声も上がっているが、記録をとっているはずの検証界隈から「その編成は試した」といった声が聞かれないため、Cマスへ向かう『低速艦含み』という条件があまりにも普通だったため、パージ戦法も含めて低速艦でM1マスへ向かう方法を探す方向で検証が進んでしまっていたことと、もう一つの可能性である『編成が重いと高速や高速+でも低速ルートへ逸れる場合がある』という部分を後段が控える中では検証しにくかったことが合わさった結果迷走していたというのが実際のところのようである。
とはいえ、根本的な「高速+化によるスロットの不足」「ルート制御による戦力の不足」はそのままなので、油断は禁物。
史上初・クインティプルゲージ
最終海域のE-7は、艦これ史上初のクインティプルゲージ、すなわち5本のゲージが実装された。複数ゲージやギミックが導入されて以降、徐々に肥大化してきている艦これイベントだが、その肥大化の歴史に新たな1ページを刻む事となった。
史実においても『史上最大の作戦』と呼ばれるネプチューン作戦ことノルマンディー上陸の兵員輸送陣容を再現した結果と考えられる。
海域数だけでも7海域あり、E-6まででもゲージ本数の合計が17本もあるところに、最終海域で5本のゲージと来て、多くの提督が衝撃を受けた。
しかし、蓋を開けてみると、
- 新規の札こそあるものの、E-6までで使用した一部の札も出撃可能で、なんなら新規札の投入する要員以外は既に投入された戦力だけでも攻略可能
- 1本目と2本目、3本目と4本目がボスマスを共有し、ルートも1・2本目は完全に共通かつ3・5本目で一部ルートを共有している事から、マスの数自体は飛び抜けて多いわけではない(ちなみに、異なるゲージで同じボスマスへ挑むというのは前例がある)
- ゲージ本数やギミックは多いが、個々で見ると飛び抜けて難易度が高いわけではない
といった事実が判明し、(最終海域に入って気兼ねなく主力を投入できるようになったのもあるだろうが)E-1-2やE-6-3の方が難しいといった感想も出るようになった。
大規模かつ初の5本ゲージという事もあり、運営としても様子見として難易度を抑え目に設定したのもあるかもしれない。
また、その後のドイツ攻略まで含めたオーバーロード作戦ならまだしもノルマンディー上陸という一点に限ればオマハビーチの一部が地獄と化しただけで作戦全体としてはスムーズに進んでおり、ドイツ側の不手際も影響して実は規模からすれば被害は大幅に抑えられた作戦でもある。
そのオマハビーチも地獄だったのは着岸後、それも一部上陸点であって輸送自体はスムーズだったため、ゲーム設計上海戦~上陸までが中心であり着岸上陸した後の事には特にかかわらない艦これ的な視点で言うと『手間は大きいが難易度はそれほど高くない海域』という設計になったのはある意味まっとうな調整ともいえる。
とはいえ、再利用や混成込みとはいえ札5枚使用かつ5本ゲージの海域という前例ができてしまったのも事実である。
過去の例を見てもギミックの有無や札数、1海域あたりのゲージ本数などは再登場や更新が早く、これらが高止まりしたわけでなく今後も増え続ける可能性を垣間見てしまった提督達の心境は如何程か。
余談
ノルマンディー上陸作戦と言えば切っても切れない関係なのが英国面の権化ともいえるパンジャンドラムであり、特攻兵器寸前のプチ潜水艇だの謎の情熱が込められた下駄ばきだの各国航空機運用のびっくりドッキリ艦艇だのと珍兵器に事欠かない艦これにおいてこれがついに実装されるかと話題になっていたが、結局これは空振りに終わった。(ちなみに、ドイツ側の珍兵器ゴリアテ(兵器)はトーチカ要塞棲姫−壊が使っていたので、ドイツ側から見たノルマンディー上陸作戦のイベントがあればお目にかかれるかも?)
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