「ここはプロの現場なんだけど!
遊びに来てるんなら帰りなさい! 」
「お願い
私と一緒に良い作品を作って
アンタとなら出来ると思うの 」
「アンタの推しの子になってやる 」
プロフィール
概要
かつて「10秒で泣ける天才子役」として一世を風靡した高校生女優。子役としてのピークを過ぎてからも役者としての仕事は続けていたが、かつてのような勢いはない。
子役時代に出会った星野アクアと星野ルビーの兄妹と高校で再会したことが切っ掛けで、止まりかけていた彼女の芸能人生が再び動き出すことになる。
人物
身長150cmの小柄な美少女。屋内でも被っていることが多い帽子(主にベレー帽)がトレードマーク。
見た目は可愛らしいが言葉遣いは悪い。感情が高ぶるとつい出てしまう癖らしいが、下手をしたら炎上しかねない失言もある(本人も気にしている)。
真面目で少し頑固なところはあるが、自他ともに厳しい努力家の優等生タイプ。人の長所と短所を見極め適切なアドバイスが出来る洞察力があり、後輩の面倒見も良いなど先輩としても優秀。
逆に、チョロくて流されやすいので押しに弱く、頼まれると断れないという弱点があり、即落ち2コマという展開も多い。
自ら「性格が終わっている」と卑下する通り、性格はかなり歪んでいる。普段は気丈に振る舞っているが、情緒不安定で表情がコロコロ変わる。
一見自信家のように見えるが、過去のトラウマのせいで根はかなり臆病でネガティブ。不安を隠すためにその場しのぎの嘘で強がったり、心の傷を笑顔で隠すために自虐ネタにしたりと、常に自分を偽っている。
母親に見捨てられた境遇から、愛情に飢えた典型的なメンヘラだが、同時に人の好意を素直に信じないツンデレでもあるため、かなり面倒臭い。
役者としてのプライドが高いため、自分の演技が他よりも劣っていると感じれば、納得するまでリテイクを要求するなど、非常に負けず嫌いでもある。
天才子役と呼ばれるに相応しい才能と実力の持ち主だったが、初登場したときの彼女はすっかり大御所気取りで、バーターで急遽映画出演が決まったアイとアクアをコネと見下すような問題児だった。その後、旬が過ぎると強すぎた自己主張が仇になって、すぐに仕事を失ってしまった。
子役時代の経験から「役者に大事なのはコミュ力」「上手い演技≠良い作品作り」と学び、協調性を身に付け我を通さず、大人たちに使って貰い易い演技をするようになる。
しかし、幼い頃から演技に対する熱意は誰よりも強かったため、演技力よりも話題性やコネなどを優先する現場には不満を感じている。
趣味・嗜好
主な趣味は「雑学」で、仕事の無いときなどは事務所のソファなどで『よくわかる〇〇〇〇』という雑学書を何冊も読み漁っている。これは芸能界で生きていくために必要なトークネタを集めているだけで、進学などのために勉強しているわけではない。
逆に興味が無いのがYouTubeやTikTokのようなSNS系。苺プロで、腹面筋トレ系YouTuberのぴえヨンや、インフルエンサーのMEMちょと出会うまでは殆ど観たことがなかった。子役出身なので精神的に早熟なためか小中学生の流行なども知らなかった。
嫌いな食べ物はピーマンなのだが、子役時代に歌った『ピーマン体操』でむちゃくちゃ我慢して食べた結果、今では見るだけで蕁麻疹が出る程になった。
妄想癖があり、ミコちゃんと同類の疑いがある。
アイドルとしての有馬かな
当初はフリーで活動し、役者一本で続けるつもりだったがアクアのゴリ押しに負け、苺プロと契約し、アイドルに転身することになる。彼女としてはいずれ役者に復帰することが前提のため、気持ちは役者のまま。
彼女を値踏みしたルビー曰く、アイドルとしては「こってりしたオタク」に好かれるタイプとのこと。
B小町の3人の中では最も芸歴が長く、面倒見が良いのでB小町のまとめ役を引き受けることが多い(アクアからはルビーだけではなくMEMちょのことも頼まれている)。
役者と平行して歌手活動をしていた時期があり、カラオケで97点という高得点を出すなど歌唱力が高い。しかしいくら曲を出しても、売れなかった経験からB小町のセンターを務める気は無かった(唯一のヒット曲であるピーマン体操も彼女にとっては黒歴史の一つ)。
結局、残りがヘタウマと音痴しかいなかったため、消去法でセンターを務めることになるが、初めは不安しかなかった。
B小町のメインであるダンスは未経験だったが、元々毎朝欠かさず走り込みを続けていたため、B小町の中では一番小柄ながら、体力や身体能力は一番高い。さらに飲み込みも早かったので特訓の結果、歌いながらでもミスなく踊れるまでに成長した。
この様に、何も上手くいかなかった低迷期のせいで本人は過小評価しているが、実際は演技だけではなく、歌もダンスも一流という万能型の天才である。
容姿・歌・ダンスとアイドルとして必要な才能を、全て持ち合わせていた彼女だったが、初めはアイドル活動そのものに消極的で、目標も決められないまま初ステージを迎えたが、ステージ上からヲタ芸を披露するアクアを目撃した際に、「アクアの推しの子になる」という目標が出来て、
女優としての有馬かな
アイドル活動を開始した後も、役者としての活動は続けている。
役者として一番得意なのは、芸歴=年齢で積み重ねてきた知識と経験を活かした『受けの演技』である。これは過去に自己顕示の強い演技をし続けて仕事を失った彼女が、芸能界で生き残る為の戦略であり、芸歴10年の一流役者でも舌を巻くほど自然なアドリブを決めるなど、周りの演技力や状況に完璧に合わせることが出来る。
しかし過去のトラウマが原因で、自分から前に出ることに酷く臆病になっており、地味でパッとしない演技ばかり続けていた。たとえ自分が脇役で終わっても、「それで良い作品が出来るなら構わない」という、悪く言うと独善的な考えに陥っていた。
周りの役所達に合わせて演技力を調整する癖は悪いことではなく、主役を務める天才役者に合わせたときは、ライバルである黒川あかねやその場にいた劇団ララライの一流役者たちのやる気に、火を点けるほど見事な演技だった。要するに周りの演技力と彼女の気持ち次第。
ネタバレ
彼女の本当の魅力は、目を焼く程に眩い太陽のような『巨星(スター)の演技』。
実は天才子役と持て囃されていた頃の彼女は、何も考えず好き勝手演技していただけで、「私は特別に可愛い」という嘘を信じ込ませてしまえる程の『説得力』を持っていた。その説得力を鏑木Pは『スター性』と呼んでいる。つまり彼女のスター性とは「知識」や「経験」で培ったものではなく、「本能」や「無意識」のように、生まれた時から身体に宿っていたもの。
アクア達のアシストのおかげで、子役時代のように前に出て演技が出来るようになり、彼女のスター性はアイドル活動にも好影響を与えるようになった。
彼女の『巨星の演技』は、天才アイドル・アイの人格や感情すら完全にコピーした、憑依型演技の天才黒川あかねにも投影不可能なもの。そもそも演技中に何も考えていない有馬が対象では、完コピの要であるプロファイリングによる解析すら出来ない。これが黒川あかねが有馬かなを『天才』と認める理由である。
何もかもが規格外に思える彼女の『スター性』だが、最大限に発揮する条件が悩みや迷い、不安などの負の感情を全て捨て、「自分を見て」と心で叫ぶことなので、深いトラウマのせいで普段は気丈に振る舞いながらも、根は臆病でネガティブな現在の彼女にはハードルが高くなっている。
余談
彼女が自身の『スター性』を最大限に発揮しているときは、彼女の瞳にも星が映るのだが、アイ達と同じ六芒星ではなく、十字型の星が無数に散らばるような模様をしている。
実は漫画家のアビ子先生も感激したときなど、感情が昂った際に瞳に同じ十字型の星が無数に映っている。瞳の模様の違いが何を意味しているのかは不明。
人間関係
子役時代に共演し、天狗になっていた自身に挫折を与えた存在。アクアとの出会いは非常に印象的だったようで、高校で再会して彼が芸能界に身を置いていることを知って非常に喜んでいた。
その心は、芸能界の中で自身と同じくもがいている彼に対するシンパシーだったが、アクアと再び共演し、彼のアシストによって自身の演技力を活かした上で良い作品を作れたことで、その心境は大きく変化していく。
アクアが『今ガチ』で取ったある行動から、一時期彼を突き放すものの、B小町のデビューライブを通じて「彼の推しの子になる」と決心し、ステージを降りた後は元の関係に戻る。
アクアの妹で芸能科の後輩。初対面でいきなり有馬に対して[暴言を吐き>重曹を舐める天才子役]]、再会した時も態度が悪かったため、初めは彼女のことを快く思っていなかった。しかしお互い口が悪く上品とは言えない性格など、似たもの同士のため早いうちからノリはぴったりで、遠慮も要らない関係だった。
何だかんだ言いながらも、素人なのに大きな才能を感じる彼女に対して、芸能界の先輩としてアドバイスしながら面倒を見ていたため、次第に打ち解ける様になる。打ち解けた後はお互い強く信頼し合うなど、姉妹の様な仲になっている。
同じB小町のメンバー。お互い年齢の事で苦い思いをしたり、早熟の有馬と精神年齢が近いということもあり、出会った初日から意気投合、B小町のメンバーとして快く受け容れる。
2人で少し抜けていて危なっかしいルビーの面倒を見たり守ったりするなど、共にアクアやミヤコの代わりにルビーの姉役を任されることが多い。また有馬自身も暗く落ち込んでいるときなどは、彼女に慰めてもらうなど共に姉妹の様な関係である。
同業者にして『今ガチ』でアクアと共演した女優。
元天才子役と言われた有馬から見ても、彼女は「天才」であり、その存在を疎ましく思う程意識している。自殺未遂後のあかねに対しても「(芸能界を)リタイアすればよかったのに」と辛辣。
"仕事上として"アクアと付き合っており、一時期アクアとの不仲を作った原因でもある。一方で、実は同じく子役からデビューしており、子役時代に有馬に仕事を奪われた経験から、あかねの方も有馬を目の敵にしている。商売敵にして恋敵という、三角関係で互いを睨み合う宿命のライバル。その一方で、あかねは役者としてのかなに憧れを抱いているというめんどくさい関係でもある。
子役時代に共演したアイドル。当初はコネで役をもらったと見下していたが、共演してその認識を改め、売れるべくして売れた「本物」と振り返っている。
モデル?
有馬かなのキャラクター像のモデルとなった人物の一人として、かつてジュニアモデル・子役として活動し、現在は女優・声優・タレントとして活動する春名風花が挙げられている。
実際に、春名は当作品に取材協力として一部参加している。
余談
劇中で「10秒で泣ける子役」を「重曹を舐める子役」と言い間違えられたシーンをきっかけからファンからの愛称が「重曹ちゃん」になり、作者も認知した結果作中でも使われるようになり、公式愛称としても使われるようになった。
アニメ化決定後はエイプリルフール企画で『重曹のイメージガールに決定!』と弄られたり、重曹のコラボ商品を本当に発売したり、アニオリで『実際に重曹を舐めている場面のイメージ映像』が作成されたりと公式のキャラ弄りがより深刻化してしまっている。
とはいえキャラ人気は紛れもなく本物であり、アメリカの大手アニメメディア「Anime Trending」が主催する2023年春アニメをノミネート作品とした「Spring 2023 Anime Awards」において、女性キャラクター部門および女性脇役キャラクター部門の双方で堂々の1位を獲得している。