お辞儀ランドセルどばー
おじぎらんどせるどばー
概要
お辞儀ランドセルどばー(おじぎランドセルどばー)とは、深くお辞儀をした小学生が、その拍子に背負っているランドセルの中身を盛大にぶちまける現象。注意力散漫(注意散漫)な児童がときおり見せる習性である。
そのような日本語が俗称として存在するわけではなく、pixivのタグで勝手に造られた語である(2023年10月27日作成)。従って、余所の人にしゃべっても“きょとんハテナ”とされかねない。ただ、日本人であれば「あるある」ネタなので、きっと話せばわかる。
なお、タグは2023年に作成されたが、言葉としては少なくとも2014年には登場している(※『関連イラスト』節に所収の cave『お辞儀ランドセルドバァ』)。
ぶちまける際の音のオノマトペ(擬音語)にも定型は無い。pixivでタグを新規作成するにあたっては、「関連イラスト」節で表示した既存の作品のほか、インターネット上で確認可能なものを見渡したうえで一つを選ぶ根拠を見出せなかったため、わずかに多数派であった「どばー / ドバー」を採用した(※注1)。選外としたのは「ドサッ(※作品内)」「がばー / ガバー(※c)」「ざばー / ザバー(※d)」あった。
ランドセルの開け口に鍵をしっかりと掛けない注意力散漫な小学生と「先生や大人の皆さんにちゃんとご挨拶しなさいね」という古き良き(※注2)日本社会の教えが、不思議な化学反応を起こした結果、教科書やらノートやら筆箱やら持ち物の一切合切が傾斜角度20~40度前後で前方に向けて滝の流れがごとく零れ落ちる。
持ち物は、零れ落ちる際、ランドセルの綴じ蓋(※『かぶせ』という〈※I〉)を航空母艦の飛行甲板であるかのように滑走し、颯爽と離陸する。
持ち物にはそれなりの重量があるため、傾斜角度は現象の発生時より深度を増すこともある。その場合には、大して硬くないランドセルの閉じ蓋は持ち物の重さに負けて若干たわむので、その分だけ傾斜角度はますます急峻になり、持ち物たちは勢いよく飛び出した割には案外近くにボタボタと落下する。
しかし、勢いがすこぶる良い場合は、かなりの距離を飛んで着地するものが出る。
係る惨事は放課後の帰り道で起こりやすい。雨の日にやったら目も当てられない。
AIG損害保険株式会社 (cf.) が実施した2017年度のアンケートによれば、当社保険加入者の約47パーセントが小学生の時に経験しているという(※a)。
「どばー」をやらかしたうっかりさんの発するオノマトペ(擬声語)としては、「あーあ」や、それに強い動揺や嘆きを含意する濁音の加わった「あ゛ーあ゛」などが一般的であろうか。
なお、ぶちまけ防止対策を施した新開発のランドセル・グッズが発売されているとの情報に触れ、確認してみたが、ランドセル内部に大掛かりな装置を嵌め込み、持ち物を一つずつ固定するという、なかなかに面倒臭くて笑えるユーモア発明品であった。
関連イラスト
pixivでタグ付けされていない作品も含む。メイン画像に使用した作品はロックされていてタグ付けできない。
関連事項
脚注
注釈
※注1 平仮名を選択したのは隣り合った「ランドセル」と書き分ける必要があったからである。また、「どばぁ」と「どばあ」も検討したが、「ばぁ」では長音 (cf.) を表現できておらず、「どばあ」はあまり見ない表記と考え、いずれも選択肢から外した。
※注2 横断歩道を渡る際に停止してくれた自動車運転手へのお辞儀の習慣を「気持ち悪い」と批判する向き(朝日新聞社)はある。記事は有料会員向け記事に置換されてしまって無料で閲覧できないが、ヘッドラインと発信者名のみ閲覧可能。ヘッドラインは「横断歩道で停止した車に対して子供にお辞儀をさせる気持ち悪さ」、発信者は赤木智弘及び『朝日新聞デジタル』である。
出典
※a 「アンケートによると、小学生のときにお辞儀してランドセルの中身が飛び出てしまったことがある人は、約47%。新学期から1ヶ月が経ちました。フタも気持ちも引き締めていきましょう!」- AIG損保(公式Twitter)、2017年5月9日投稿。
※b 「真剣一本!友達のランドセルのふた開け対決!」- 東急メディア・コミュニケーションズ「DAILY PORTAL Z」、2023年5月25日作成。※中身をぶちまける惨事に、本項で扱っている「落下型」のほかに「横方向へのぶちまけ」もあると言及しており、これら2種類の惨事を「落下型ぶちまけ」「扇型ぶちまけ」と呼び分けている。
※c 「学生生活を共にする”かばん”はランドセルが適正なのか? ランドセルの有り無し、どちらも経験した人たちの思い出」- オリコン『eltha』、2022年7月23日作成。※関連するのは漫画とキャプションのみ。ここでは「教科書の雪崩れ」と呼んでいる。発生時のオノマトペ(擬音語)は「がばー」。
※d 「ラン活と”婦人科健診。”」- タマ タマヨ「最悪!転じてHAPPY☆」、2016年8月5日作成。※この人(一般人)は「お辞儀ザバー」と呼び、「ランドセルを閉め忘れてお辞儀をしてしまい全て落とすお約束技」と定義している。よくやらかしていたとのこと。
※I 「知っておくべきランドセルのパーツ名は?」- イオンリテール(公式ウェブサイト)