概要
DM23-EX2『頂上決戦!!デュエキングMAX2023』にて登場した『頂上』サイクルに属するクリーチャーの1体。
《超戦龍覇モルトNEXT》と《ジョリー・ザ・ジョニー》の『電融』ディスペクター。
モルトとしては《DS電融ザ=デッドNEXT》に次いで2枚目のディスペクターとなる。合成方法も《ザ=デッドNEXT》と同じ電融である。
そして、初となる新章以降のクリーチャー、しかもディスペクターの敵対種族筆頭格のジョーカーズが合成元になったディスペクターである。
元になったのは2017年4月開催のDMGP-4thの決勝戦の対戦カード、【赤黒緑モルトNEXT王】と【ジョーカーズワンショット】。
《モルトNEXT》の首から下、右半身が《ジョニー》のものに電融で置き換えられ、そこから放電を介して右腕が《バレット・ザ・シルバー》の上半身、右足の膝から下の部分が左前脚に置き換わっている。
ジョニーのシンボルとも言える帽子は右足元に飛ばされており、モルトの最初の相棒、《熱血星龍ガイギンガ》を象徴する青いパーツが残っている。この点は《ザ=デッドNEXT》と真逆。
効果面では《モルトNEXT》のアンタップと、《ジョリー・ザ・ジョニー》のエクストラウィンを1枚に落とし込んでおり、単独よりもサポートありの方が活かせるものの、双方の強みを継承している。
だが、数あるディスペクターの中でも「かなりディスペクト要素が強い」と公開直後から話題になった。
このクリーチャーのディスペクト要素は、合成元のキャラクター背景を知っていると分かりやすい。
モルトはドラグナーが削除された為、《炎龍覇グレンアイラ》の効果で踏み倒せない=最愛の人物の救援に行けない、と見なす事もできる。一応、「モルトであるがモルトではないものがアイラに近付かないようにする」と言う意図があるとも取れる。
何より右腕が剣でも拳でも無く、他人の銃という点で十分ディスペクトである。
そしてジョニーの場合はもっと酷い。
ジョニーの決め台詞である「引き金は二度引かねえ、一発が全てだ」を嘲笑うかのような2回攻撃効果及びそれで相手にトドメを決めることが出来ない、シンボルである帽子が被られることなく飛ばされている、ドラゴンが絶滅した新章の世界の最初の看板クリーチャーがドラゴン種族に改造された、ジョニーの名前を失ったためそのサポートも受けられないと、最大級のディスペクト要素がこれでもかと存在する。
更に言えば、ジョーカーズはレクスターズとしてディスペクターに立ち向かった主要種族であり、その代表がディスペクターにされている事、そして自由な種族であるはずのジョーカーズをディスペクターとして束縛している事自体、ジョーカーズそのものに対する尊厳破壊としか言いようが無い(ジョーカーズのカードシンボルがちゃんと残されているのが余計にその印象を強めている)。
一方で、合成元のクリーチャーの使い手は親子であり、歪んだ形ではあるが親子の切り札が合体しているパターンは珍しい。
ディスペクトと捉えるか、それともディスペクターという形での夢の共演と見るかは各人の自由だろう。
先述の通り、この2体が選ばれたのは大会での実績が理由であり、親子の切り札が揃ったのは偶然である。
効果
レアリティ | SR |
---|---|
コスト | 水/火/自然文明〔ジョーカーズ〕(7) |
カードタイプ | クリーチャー |
種族 | ディスペクター/ガイアール・コマンド・ドラゴン/ジョーカーズ 10000 |
能力 | EXライフ |
スピードアタッカー | |
W・ブレイカー | |
このクリーチャーはブロックされない。 | |
このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。 | |
各ターン、このクリーチャーがはじめてタップした時、自分のマナゾーンにドラゴンまたはジョーカーズが合計5枚以上あれば、このクリーチャーをアンタップする。 | |
このクリーチャーの攻撃の終わりに、相手のシールドもクリーチャーもなければ、自分はゲームに勝つ。 |
エクストラウィンを内蔵しており、上手く機能すれば高い制圧力を発揮できるドラゴンでもある。
第1効果はブロックされない効果。
攻撃を確実に通したい時に役立ち、エクストラウィンに拘らなくとも、この効果を活かしてダイレクトアタックを仕掛けられる。
EXライフの存在から場持ちが良い為、相手のカウンターに耐えつつ、トドメを刺す事も不可能では無い。
第2効果は強制バトル。
厄介なシステムクリーチャーを潰しながら攻められ、更に任意効果なので、スレイヤーや破壊時効果持ちを回避できるのは強い。
第3効果は《モルトNEXT》の代名詞とも言える『龍マナ武装5』とアンタップ効果の再現。
各ターンで初めてタップした時、マナゾーンのドラゴンかジョーカーズが5枚以上ならアンタップでき、種族の関係上デッキ構築の幅も広い為、少しでも条件や色が合うなら様々なデッキで使える。また、発動条件が「攻撃時」と「火のドラゴン5体」に限定されていたオリジナルよりも緩くなっている。
花形種族のドラゴンは数えるのもバカらしくなる程多く、ジョーカーズにもドラゴンは存在する為、無理なく効果を使えるだろう。
単純にブロック無効のW・ブレイカーが2回攻撃、しかもEXライフで2回除去しないと離れない為、シンプルに強い。
もれなく、攻撃時効果である第二効果も連動してしまうため、最大で2体の除去と4枚のシールドの破壊と言う、実質Qブレイカー染みたことができてしまう。
ただ、同じ様な運用なら《轟く革命レッドギラゾーン》でも代用できる為、革命チェンジ以外のデッキや、後述のエクストラウィン等このカード独自の持ち味を活かしたいところ。
最後の効果は《ジョリー・ザ・ジョニー》の象徴であるエクストラウィンの再現。
相手のシールドとクリーチャーがゼロなら勝利でき、強制バトルでクリーチャーを潰しながら2回攻撃ができる為、ある程度相手の盤面を調整しておけば、このカードを出した時点で勝ちがほぼ確定する。
攻撃の終わりに盤面が空になった時点で発動するので、《ボルシャック・ドギラゴン》の様な革命0トリガーや、《百鬼の邪王門》による鬼エンドも無意味。
また、何らかの手段でダイレクトアタックを阻止されても、相手の盤面が空かつ、このクリーチャーが攻撃後も残ってさえいればそのまま勝利できる。
だが《一王二命三眼槍》の敗北回避は機能するので、油断は禁物。
全体的に纏まった効果であり、種族面からサポートが非常に豊富なのが最大の強みだろう。
ドラゴンサポートを受けられるのは言わずと強力だが、ジョーカーズのサポートも受けられる点で差別化が可能。
例えば、火文明のジョーカーズなので、J・O・E2を与えてコスト軽減しつつ、このカード自体をサーチできる《ドンドド・ドラ息子》が存在。
ターン終了時にデッキボトム送りになる点も、EXライフを消費すればカバー可能。
最悪、《MAX-Gジョラゴン》の弾にするのもありか。どちらも自然文明を持っているので、同じデッキに入れてもある程度共存できる。
火と自然を持つ為、チーム切札に水をタッチした構築も可能。
《モモダチモンキッド》でのマナ加速の他、《熊四駆ベアシガラ》ならマナ加速しつつマナから回収できるので、展開の幅が広がるのもありがたい。
ドラゴンの踏み倒し手段は多種多様だが、コスト7ドラゴンなので、色に共通点が多く、ワンショット性能も高い【7軸ガチロボ】に採用するのも面白い。
相手の盤面にコイツが一気に複数枚出てきたら笑えないが………
他にも3色ディスペクターなので、対応する秘伝呪文が多い。
特に《禁断竜秘伝エターナルプレミアムズ》とのコンボも有効で、マナから出したクリーチャーで追撃可能なら、『ブロックされない』効果付与でエクストラウィン失敗のリカバーも可能。
単純に強制バトル効果で相手クリーチャーを処理して、エクストラウィンの条件達成も狙える。
どんなカードで脇を固めるかで、性能の凶悪さがかなり変動する1枚と言える。