UNDERのボス
あんだーのぼす
【機密事項】
※以下、漫画『アンデッドアンラック』の重大なネタバレを含みます。
「光も無く否定の業を背負わされ 闘う事を強いられた」
「何故能無し共の生を憂う 奴らの命も使え 俺達はそうする」
「そうでなければ••• 不公平(アンフェア)だろう?」
概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する集団・UNDER(アンダー)のボス。
その素性は仲間にも詳細不明だったが…
その正体が、ユニオンのⅢ席・ビリー=アルフレッドだったことが判明する。第31話(単行本4巻)
100個目の罰(ペナルティ)を賭けた課題発表(クエストオープン)の際、突如としてユニオンに反旗を翻したビリーは、UMAバーンを従え、円卓を奪取する。
彼の目的はユニオンと同じ神殺し。神の加える理(ルール)によって「不公平」を強いられる世界に変革をもたらそうとしているが、その目的を成すためには如何なる非情な手段も辞さない。
罪のない人々の命を守ることを目的とするジュイスに対し、UMAの討伐に核兵器の使用を示唆するなど、多数の犠牲を厭わない姿勢を見せる。
アンディたちの活躍により黙示録(アポカリプス)を奪うことを阻止されたビリーは、「アークは俺たちが先に手にいれる」という意味深な言葉を告げた後、UMAバーンと共に姿を消す。
人物
「あるのは利害の一致による信頼のみだ」
「その方が公平だと思わないか?」
組織にいた頃の気さくな言動から一転、不公平を疎み、合理的で冷徹な言動をする。神殺しを目的とせずとも、利害の一致があれば協力するという方針のもと、UNDERを従えている。
「能無し共」「役に立たない人類」などの発言から、否定者以外の一般人を蔑んでいる節があり、UMAスプリングの討伐の際には、実際に核兵器を使用。不発ではあったものの、目的達成のためであれば多数の命を危険に晒す残虐性を見せる。
ユニオンのメンバーは、彼にとって「神を倒すために必要な弾」であり、「一度だって心を許したことはない」と発言している。かつてマフィアに囚われていたタチアナを救ったのも、彼女に「恩義」を売り、その能力を自分のために使わせることが目的だったと思われる。
しかし、神殺しを目的とするならばユニオンと協力していた方が建設的であり、彼の裏切りは他にも理由があるのではないかとアンディたちには疑われている。
またジュイスと対峙した際には、反逆の際にはコピーできていたはずの「不正義」が使えなくなっていたり、彼女の「不正義」が通用していたにも関わらず仲間への攻撃や自死を行わないなど、不可解な点が目立つようになる。(彼が自分の正義のために裏切っていた場合、「不正義」の使用によって、自死や仲間への攻撃を行うはずである。)
その真意は、謎に包まれている。
能力
「いい能力だ」
「対人には有効だな 使い勝手がいい」
「ありがたく頂こう」
他の否定者の否定能力をコピーし、「否定能力は一人に一つ」という理(ルール)の公平性を否定する。
ビリーが組織(ユニオン)にいた頃は「不可信」の否定者と登録されていたが、彼の真の能力は【他者の否定能力をコピー】する能力である事が明かされ、この事から登録情報が偽装だと判明。組織は彼の離反後に登録を抹消、及び真の能力の調査を進める事となった。
なお、正体を現したのちは「公平(フェア)」「不公平(アンフェア)」という言い回しを不自然なほどに多用していたため、能力名判明前から真の能力がUNFAIR-不公平-ではないかと考察される事も多かった模様。
因みに、本作恒例である能力名フォントのデカ表示がノイズを帯びる特殊演出がされている。
コピーで使用した否定能力
組織を裏切るまで自称していた否定能力。銃限定で必中効果を付与する事ができ、対象に当たるわけがない的外れな方向に撃つと跳弾などの経緯で確実に的中する。
実はコピーした能力ではなく純粋に傭兵時代に培ったビリーの技術。
組織のアンディが持つ否定能力。自己の「死」を否定し、あらゆる負傷が再生される。これにより下記の不停止で起きる欠点(デメリット)がカバーされている。因みにビリーが不死を初めて使った際、アンディが負傷しても平然としているが痛覚は鈍っていない事実を体感し、不死を痛覚のある状態で多種多様な技へ昇華させた事に感心した。
81話でのアンディとの戦闘描写から、不死のコピー発動中は視力が回復していることが確認できる。
前述の通りUMAスポイルの能力で体が常に腐り続けている状態のビリーは、この不死で強引に腐敗を相殺している。そのせいか、再生のスピードは元の持ち主のアンディより遅い。
組織のトップが持つ否定能力。自己の「停止」を否定し、目にも止まらない高速移動が出来る。難儀な停止条件「体の形状が著しく変化する」は、上記の不死能力による再生でカバーしている。
組織のジュイスが持つ否定能力。他の「正義」を否定し、強制的に「己の信じる義」とは逆の事を実行させる。
ビリーが不正義を初めて使った際、否定能力の妙からか「ヒトの…心が見える」と、意味深な言葉をもらした。
組織のチカラが持つ否定能力。他の「動き」を否定し、視界にある対象の動作・重力といった物理法則を無視して、その場に停止・固定させる。初使用は、目の前でいざこざを起こそうとするリップとクリードを「動くな」と睨み付け二人を制止した。
不死の効果によって視力が回復している状態では、元の持ち主のチカラと同様に視界内が効果範囲。また、目の見えていない状態でも物を音で見ると解釈しているため発動可能。その際は物陰に隠れた物の動きまで否定できる。
ある建築家が持つ否定能力。他の「均衡」を否定し、建築物限定で物理法則を無視し有り得ない方向へ傾けさせる。これは手で触れるだけで発動し、高さは634.0mで重量4万8千tの東京スカイツリーをいともたやすく傾けることさえ出来てしまう。
組織のジーナ*が持っていた否定能力。ジーナの死後に発生した新規の不変の否定者からコピーしたと予想されており、小説2巻でジーナの次代の不変について言及されたことで裏付けられた。
物の形が定まることを否定する能力。コピー元不明。
ルインの否定能力。コピーできなくなった不死の代わりにコピーした。
不死コピー時と同様、不滅をコピーした際にも視力が回復しているような描写がある。
Twitterのボス
公式Twitterでは本誌連載・関連情報の他、登場人物たちが低頭身(ミニキャラ)になったおまけ漫画(ラフイラスト)などの配信(ツイート)もあり―
- 組織を裏切った時点のスーツ姿で登場。
- 23000フォロワー突破記念【#アンデラ アイコンプレゼント!】で、髪降ろしのサングラスを外したUNDERのボスver.で登場。なんともビリビリした表情のビリー。
pixivのボス
pixivならば、上記の容姿・性格の特徴に当てはまる関連作品へ本記事の『UNDERのボス』をタグ付けしたり、説明文(キャプション)に関連事項を記述するなど、もう一つの人生「ビリー=アルフレッド」と区別化する工夫をすれば絞り込み検索の助けになる。
関連項目
何も見たくねえ…:あんまりにも突然な正体開示と彼が引き起こした事態に読者達が抱いた感想の一端。
更なるネタバレ
「闘うべきでない子がいる」
「生きることで精一杯の子がいる」
「なら」「僕だけが嫌われ」「一人で闘えばいいと思ったんだ」
彼の真意とは、自らが悪役となって全ての能力をコピーし、神と戦う事だった。
かつて妻と幼い娘を失った彼は、風子やタチアナの不条理な境遇に胸を痛め、代われるものなら代わってやりたいと思っていた。特にタチアナのことは「うちの娘」と呼ぶほど大事に思っていたらしい。
つまりは、組織にいた頃の気さくで温和な人柄こそが彼の本来の性格であり、幼い否定者達に代わり神殺しの使命を果たそうと、無理に悪役を装っていたのである。
能力の発動条件が「相手に自分を敵視させること」という厳しいものであったため、組織を裏切る事でその発動条件を満たし、円卓の否定者達の能力をコピーしようと試みた。
しかし組織を裏切った姿を見てもなお尚自身を敵視しなかったタチアナや風子の能力は最後までコピーできなかった。(アンダーのメンバーの能力をコピーしていなかったのもこのためだと思われる。)
スプリング編にてアンディとの激突の末にその本質を悟られ、ルインの介入やラグナロクへのカウントダウンを経て、裏切りを止め、再びユニオンに力を貸す事を決める。
後の回想によれば、軍人として参加した紛争の最中に否定能力が覚醒し、部下達を喪った後にジュイスのスカウトを受けた模様。
しかしその頃には既にUNDERを立ち上げており、トップ達のような娘と年の変わらぬ子供が戦っている姿を見て裏切りの方針を決めた模様。このため当時からのメンバーだったテラーとクリードも真意を知っていたと思われる。
「弱者を守り強者は苦しむ」
「そういう世界でいいんだよ」
「強い奴が耐えればいい」
「それでやっと」「公平(フェア)なんだ」