曖昧さ回避
概要
クズ鉄とは、例えば以下のような行為を行う輩のことである。
- 鉄道車両の撮影で罵声を飛ばす→撮り鉄
- 廃線や鉄道車両の引退の際に集まる輩→葬式鉄
- 乗客がいても我が物顔でホームを占拠
- ホームでの三脚の使用
- 走行中の車両にフラッシュを焚く(これは車で例えると対向車にハイビームを照射するのと同じであり、運転手を眩惑させ事故の原因となる)
- 線路内に侵入
- 撮影のため植え込みを勝手に切ったり、フェンスを破壊したりする
- 撮影したい列車を非常ボタン等で不必要な緊急停車をさせる
- 保存車両の部品や駅舎の駅名標などを盗む。→盗り鉄(※)
- これらの行為を駅員や利用客から注意されると逆ギレ
※補足
部品を盗むのは鉄道ファンのコレクション目的(自己満)だと思われがちだが、売却して利益を得ることが目的の場合もあるとされ、実際鉄オタではないプロの窃盗グループによる組織的な犯罪だったケースもある。この場合ネットオークションに高値で出品して利益を得るのが目的であるので、盗品が疑われるものに手を出すのは可能な限り控えよう。
悪質なケースだと、現役車両を標的にした(特に国鉄型及びそれと同世代が狙われやすい)事件も複数出ており、実際に大井川鐵道、野岩鉄道、JR東日本、JR東海等々、更に路線バスも被害に遭っている。被害を受けた車両の中には営業運転に必要な部品が盗難被害が原因で不足して運行開始の目途が立たなくなっているものまであり、営業運転中(特に走行中)に被害に遭った場合、大事故に直結する危険もある。
なお、2022年に逮捕された飯田線三河槇原駅付近の土砂崩壊で夜間滞泊中のJR東海213系の運転台を盗んだ犯人は、野岩鉄道6050系や路線バスの部品盗難と同一犯である事が警察による証拠品押収で判明している。
更に、現役の鉄道路線で銅線・ケーブル等の金属部品が切断・盗難に遭い、列車が運休に追いやられた事件もある。これは只の窃盗に留まらない列車妨害であり、こちらも下手すれば死者が発生する危険がある。
被害を受けた路線の1つで、輸送の大動脈の1つでもある山陽本線の山口県区間では旅客のみならず、半日以上にも及ぶ貨物の到着遅れが発生した。
それ以外の例
京阪100年号事故
1976年9月4日、京都~大阪間の開業100年の記念イベントとしてC57形蒸気機関車牽引の臨時列車が運行された。当時はSLブームの熱も冷めきらぬ状況下、また大都市間に於ける蒸気機関車の運行とあって、当日は撮り鉄どころか野次馬の沿線住民までが各所で線路内に立ち入り、多数の列車の運行に支障する事態となった。
そして大阪府茨木市で群衆と共に線路内に不法侵入した小学生が、当の臨時列車である京阪100年号に撥ねられ死亡する事故が発生してしまった。
この事故によって当時の国鉄はマスコミから謂れのないバッシングを受け、大都市圏での蒸気機関車の保存運転の構想を断念、結局蒸気機関車の保存運転は大都市から遠く離れた山口線で行われるようになった。
現在に至るまで大都市圏で定期的な蒸気機関車の運行を行わない原因は、この事件の影響であるといわれる。
ただし、それ以前から撮り鉄による線路内侵入や路上駐車などの不法行為が横行し自治体や鉄道会社を悩ませていた実情から、この事故がなくてもいずれは蒸気機関車が都市部を走行できない状況に陥っていたであろうことは想像に難くない。
保存会
本来は会社から厚意で譲り受けた車両や機械などをボランティア形式で保存・展示することを目的とする団体のこと(実際、鉄道界隈にも那珂川清流鉄道保存会のようにこうして活動するものもある)。しかし批判的な文脈で使われる場合は、第三者に鉄道車両の保存の要求をするだけの集団を指すこともある。有名なのが、JR貨物のEF65形535号機を解体から守るという名目で結成された「EF65 535保存会」なる団体である。
この団体は同機の鉄道博物館への収蔵を要求していたが、そのために起こした行動は署名を集め、それを鉄道博物館に送り付けるという一方的かつ具体性のないものであった。
鉄道車両は大きく複雑なだけに、収蔵に至る過程は元より、収蔵後も保守が欠かせず、当然ながらそれらには多額の費用が伴うが、このような現実的問題の解決には一切の言及は無く、当然ながら資金面での援助はしていない。
結局、同機は製造元の東芝府中事業所が自主的に保存に名乗りを上げることで解体を免れた。
当然ながら保存会の意志が動かした決定ではなく、鉄道博物館やその母体であるJR東日本からは無視されていた(鉄道博物館は明確に嫌悪していたとも言われている)。
尚、保存会はこの決定の後に解散している。
同様の団体は後にも現れているが、いずれも活動実態が判然とせず、仲間割れや迷走の果てに自然消滅の結末を辿っている。
(高崎線から115系が引退する際に現れた「115系保存会」、東海道本線から211系が引退する際に現れた「211系保存会」など)。
大前提として、鉄道車両は鉄道会社の所有物である。もちろん、貴重な産業遺産であるとして保存を求める声は時として鉄道ファン以外からも上がることがあり、鉄道会社側がそれに応えたケースも少なくない。だが、外野がそれを強制する権利はない。
どうしても保存したければ、資金と土地を用意して自ら購入するのが唯一の方法なのである。
理不尽なクレーム
マナー違反の撮り鉄を注意したり、理不尽な要求を断ったら鉄道会社にクレームを入れられるというもので、カスハラの一種。
鉄道職員は基本的に名札を着用しているため名前が分かりやすく、それをもって会社に悪人と認知させ、人事考課に悪影響を与えるための嫌がらせである。
2021年、これを取り上げたニュースが話題となった。
その他の例として、財務事情から中古車を継続的に導入している地方私鉄に「自分の好きな形式を購入して導入しろ」という要求する者が後を絶たない(雑多な中古車を寄せ集めてきた大井川鐵道など)。
同様の理由で、導入した車両が自分の好みではない場合に「なんでそんな車両を導入するんだ」とケチをつけ、クレームを入れる者もいる。
これは先述の保存会と全く同じ思考であり、他人にアレコレ要求しておきながらリソースは一切出さないという低俗な行為である。
大前提として、鉄道会社はバカではないため、中古車の選定にあたり性能はもちろん、路線環境とのマッチングや耐用年数、メンテナンス性などを複合的に考慮した上で決断している。
そこに、知識の浅い外野が首を突っ込む余地は一切ないのである。
関連タグ
パチンカス、ヤニカス:いずれも対象は異なるが『マナーや節度を守らず○○する者』という意味での類義語。