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概要

自らを『異端児(ゼノス)』と称するモンスターの一派。通常のモンスター達と異なり、高い知性や心といった理知を備えているのが最大の特徴で、人間の言葉を理解し話す者もいる。また、容貌が元の種と大きく異なる者もおり、特に性別が女性(メス)となるモンスターの場合は、並の人間よりも美しい外見をしているケースも少なくない。ダンジョンでモンスターが産まれない「安全階層(セーフティポイント)」を『隠れ里』として拠点にしている。

本編よりおよそ16年程前、当時ウラノスと深い繋がりがあった派閥によって、初めてその存在が確認された。ウラノスとフェルズに保護されて以降は、ダンジョン内を巡回しつつ同胞を探したり、ダンジョン内で起きている異常事態(イレギュラー)を秘密裏に解決すべく動いている。犠牲を払いながらも奮闘し続けており、現在の『異端児』の数は40体程との事。なお、彼らの『異端児(ゼノス)』という呼称はウラノスが付けたもので、神々の言葉で『異端』を意味している。(ちなみに「ゼノス(Xenos)」はギリシャ語で「客」「外国人」「異分子」「不思議」「異邦人」等の意味を持つ)

なぜ『異端児』が生まれたかは不明だが、前世で強い憧憬を持って事切れたモンスターの生まれ変わりである事は判明しており、自身が通常のモンスターだった頃の時代、つまり前世の記憶を夢に見る事があるらしい。アステリオスを除く全員に共通して地上や人類に対する強烈な憧憬を持っており、いつか地上で生きる事や人間と共存する事を夢みている。

通常のモンスター達からは「裏切者」という認識になっており、見つかったら命を狙われる身となっている。それ故に、冒険者の遺品となる武器防具で武装したり、同じ『異端児』同士で集まり助け合い生き延びてきた。また、通常のモンスターを倒して得た魔石を喰らう事で強化種にもなっており、そこに知性が加わる事によって多くが上級冒険者以上の戦闘力を持っている。中でも『異端児』のまとめ役であるリド、グロス、レイの3人はLv.5相当の実力者で、新入りのアステリオスに至ってはLv.7相当という作中最強クラスの実力を有しており、『異端児』の総戦力はオラリオの大派閥にも引けを取らない。

ウラノスとフェルズは、異端児の存在が人間とモンスターの途方も無い年月を経た戦いの歴史に変化をもたらす希望として期待しているが、現状彼等の存在意義等は何も証明出来ておらず、前途多難な状況となっている。作中で『異端児』の事を知ったロキも、彼らの存在が公になれば世界全体を揺るがしかねない異常事態(イレギュラー)にもなり得ると評しており、ウラヌスが止む無く隠し続けていたのも当然だと納得している。

作中では、ベルがダンジョンで新たに生まれた『異端児』のウィーネと遭遇し、彼女を保護したのを切っ掛けに【ヘスティア・ファミリア】と『異端児』が交流が始まる事になる。

ベルと『異端児』の出会いは、本編において大きな転機となり、人類にとって『絶対悪』と言うべきモンスターでありながら人の心を持つ彼らの存在は、ベルを含めて多くの者の運命を変えていく事になる。

フェルズによると『異端児』の存在を知り、同情をした人間は今までもいたらしいが、結局最後は我が身可愛さに全員彼らの前から姿を消したとの事。その為、『異端児』の三分の一は人間に対して不信感を持っており、人類との共存にも否定的だった。しかし、【イケロス・ファミリア】の暴挙によって『異端児』が窮地に陥った際に、オラリオ中を敵に回してでも自分たちを救おうとしたベルの決意と覚悟は彼らの心に大きな影響を与え、『異端児』全員がベルに対して強い信頼と好感を抱くようになる(地の文によると好感度が限界突破しているとの事)。

本編当初は、彼らの存在を知っていたのは【ヘルメス・ファミリア】と【ガネーシャ・ファミリア】の一部ぐらいだったが、【ヘスティア・ファミリア】と接触して以降は、彼らの存在を知りながらも受け入れてくれる者達が増えていく事になるなど、少しずづだが状況に変化が生まれていく事になる。

世界のどこにも居場所がない彼らを救う事が、ベルにとって最大の悲願となっているが、フェルズによると、人類と『異端児』の共存を果たすにはダンジョン最下層の攻略が必須であるらしいが理由は現状不明。

主なメンバー

本作のヒロインの一人。竜女(ヴィーヴル)の異端児。

赤緋色の鱗と雄黄の瞳が特徴的な蜥蜴人(リザードマン)の異端児。異端児のリーダー格。

毛先が青みがかったくすんだ金髪と青い瞳が特徴的な美しい相貌をしている歌人鳥(セイレーン)の異端児。

人間を信用していなかった石竜(ガーゴイル)の異端児。

黒い猛牛(ミノタウロス)の異端児。新参ながら異端児で最強の実力を持つ。

人魚(マーメイド)の異端児。下半身が魚であるため、ダンジョン下層の「水の迷都」から離れられず留守番をしている。

甲冑を着た人蜘蛛(アラクネ)の異端児。グロス同様に人間を信用していない。

【イケロス・ファミリア】に重傷を負わされ、辱められる前に自害した。

チョッキと時計を付けた一角兎(アルミラージ)の異端児。性別はメス。

赤帽子(レッドキャップ)を被ったゴブリンの異端児。

ガネーシャが唯一見たことのある異端児。

冒険者で例えるとLv.4の実力。

丁寧な口調で、『ミスター○○』などと呼ぶ。

半人半鳥((ハーピィ)の少女。

ベル達を『地上のお方』と呼び好意的である。

黒犬(ヘルハウンド)の異端児。

アルルと共にアステリオスを呼びに行った。

地上ではアルルと共にカサンドラに保護されていたため、彼女の匂いがのちに役立った。

獣蛮族(フォモール)の異端児。

リド、レイ、グロスに次ぐポテンシャルを誇り冒険者で例えるならLv.4ぐらいの強さらしい。

図体に反して性格はとてもやさしい。

【イケロス・ファミリア】のディックスに殺された。

  • ユーノ

一角獣(ユニコーン)の異端児。

地上で戦う際に殺傷能力を落とすために切り落とした角の先端をヴェルフが加工してベルのナイフ『白幻』に使った。

半人半蛇(ラミア)の異端児。

片言で会話できる。ベルが好意を抱くレイをイジっている。

  • オード

戦影(ウォーシャドウ)の異端児。

甲冑のような形状をしている。言葉は喋れない。

【イケロス・ファミリア】のグランに殺された。

  • クリフ

馬鷲(ヒッポグリフ)の異端児。

【イケロス・ファミリア】に殺された。

  • グリュー

木竜(グリーン・ドラゴン)の異端児。

20階層の隠れ里の『番人』の役目を担う。

  • シルバ

野猿(シルバーバック)の異端児。

かろうじて単語で会話出来る。

  • トロル

トロールの異端児。

言葉は喋れず、雄叫びで会話する。

  • カール

カーバンクルの異端児。

  • バーバリアンの異端児

ベルがダイダロス通りの孤児院の地下で遭遇した個体。当時Lv.3だったベルが苦戦するほどだったが既に傷だらけであった。その場は最終的にシルの護衛として居合わせたアレンにより倒される。実はディックス達が以前捕らえていた個体が隙をついて逃げ出し地下に身を潜めていたことが後に彼の口から明かされる。

深層編でベルと戦い死んだジャガーノートの異端児。ベルへの強い殺意から異端児として復活した。強い殺意にリドやフェルズも生かしておくことに悩んだがベルの判断によりカールに封じられる形で生存させることが決定した。

余談

メモリア・フレーゼにおいて

本編ではシリアスな話が多い『異端児』だが、『メモリア・フレーゼ』のイベントでは、バレンタインにチョコを冒険者に配って騒動を起こしたり、フェルズの実験のせいで性格が改変したりと、ギャグパートが多い。地上の住民も彼らのこんな姿を見れば、モンスターだからと頭ごなしに否定するのも馬鹿馬鹿しくなるかもしれない。

シリアスな話も当然あるが、そちらでは【ロキ・ファミリア】と共闘する事が多く、リド達もベル達以外の人間と肩を並べる事が出来るのを嬉しく思っている。