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スカーキングの編集履歴

2024-05-02 21:03:42 バージョン

スカーキング

すかーきんぐ

スカーキング(Skar King)とは、モンスターバースシリーズに登場する怪獣(タイタン)である。

※本記事には「新たなる帝国」のネタバレを含みます。





















概要

モンスターバースシリーズ第5作『ゴジラxコング:新たなる帝国』に登場する怪獣(タイタン)で、本作におけるメインヴィラン。


地下空洞に生息していた、コングと同族たるグレイト・エイプの一頭。但しゴリラに似てがっしりした体型のコングに対し、身長はコングよりやや低めの97m程で、チンパンジーや人類に似た手足の長い細マッチョな体型をしており、コング以上に猿人に似た風貌となっている。


※スカーキングに限らずグレイト・エイプは外見に個体差があり、スカーキングと同じ細身の個体もいれば、コング同様にゴリラ型の個体もいる。


毛色はオランウータンに似た明るい赤茶色であり、瞳はゴジラの如く青いのも特徴。頭部の体毛はやや禿げ上がっている。


地下空洞においては、ス-コをはじめとした同族達のアルファ個体として君臨しているが、暴力と恐怖で支配する典型的な暴君であり、大半の仲間達からは恐れられている。

それを裏付けるかのように、縄張りや所有物に赤い塗料で自身の手形を刻みつけているが、群れの仲間達にも自身の下僕であるかのように刻みつけている。

スカーキングの玉座の間にはハーレムが形成されており、彼の子供と思しき赤子を抱えた雌個体が大勢目撃されたが、彼女たちの怯え具合を見るに愛情など一切ない模様。


コング同様、霊長類の特徴たる高い知能と器用な手を存分に活かしており、専用の武器として他の怪獣の骨で作ったウィップスラッシュ(Whipslash)を肩にかけている。このウィップスラッシュの先端部には氷に似た結晶のような刃を装着しており、これを用いてとある強大な力を持つ存在に苦痛を与え、服従させて使役(というか奴隷のように酷使)している。

長年に渡り他の怪獣と戦い続けた事で、様々な怪獣との戦いに精通した歴戦の戦士であるが、その性格は前述した通り極めて残忍で悪辣で自分の仲間を大した理由もなく殺害すると極めて身勝手。

また、自身は安全圏に居つつ、仲間を唆して数の暴力で敵を捻じ伏せる等、威厳に欠けた卑劣な一面も併せ持つ。


本来グレイト・エイプは人類を守護する善なる種族だったのだが、スカーキングは果てなき支配欲から地下空洞だけでは満足せず、地上すらも自身の支配下に置く野望を抱いており、そのためにかつてゴジラとの種族間での戦争を引き起こした。

謂わば、ゴジラとコングの長年にわたる種族間での対立を招いた全ての元凶と言うべき存在なのである。


また、地上で生まれ育ち善なる者として育ったコングと、地下世界で邪悪なる支配者として君臨し続けてきたスカーキングは、互いに対になる存在と言え、ある意味ではコングが辿る可能性のあったifの姿とも言うべき存在とも言える。


劇中の活躍




ネタバレ注意!



































地下空洞のモナーク前線基地にてカメラ越しに足と目が映る形で登場。

その後、調査隊が到着するまでに基地を破壊して職員を皆殺した上、現場には自身の縄張りを主張する手形を残していた。


コングが未調査エリアに踏み込んだ時に最初に交戦したグレイト・エイプたちは彼の親衛隊・レッドストライプスであり、コングが王国に現れた報告を受けたことで遂にその姿を現し、グレイト・エイプたちが平伏する中でコングと睨み合う。


その際、コングの銀歯を見て嘲笑うも、そのノリに合わせようとしたス-コの態度が気に入らず威嚇、ス-コを庇ったグレイト・エイプの懇願を受けて見逃す、と思いきや彼をマグマに蹴り落として処刑するという非道な行為を見せたことでコングの怒りを買い、彼と交戦する事になる。


戦闘経験の差と「ウィップスラッシュ」を駆使した高い戦闘力でコングを圧倒するが、反撃を受けると悪辣な笑みを浮かべつつ服従させていた伝説の怪獣シーモを差し向け攻撃させ、コングに重傷を負わせて撤退に追い込む。

逃げたコングをレッドストライプスに追跡させ、彼が残したコングアックスを手に取って勝利の雄叫びを上げた。


しばらくして戻ってきたレッドストライプスのワン・アイから地上に繋がるポータルについての報告を受けると、今度は自ら行動を開始。

再び地上侵攻のためにシーモに跨り、レッドストライプスを引き連れて出陣する。


The Empire

コングがゴジラへ応援を要請するために地上へ向かっている間の時間稼ぎとして、イーウィス族がピラミッドを動かして重力反転を起こそうとしていることをピラミッドの様子から看破、到着するなりシーモにピラミッドを凍結させて阻止するが、トラッパーの奇策により大量のヴァータシーンを差し向けられて足止めを食らう。


その間にとうとうコングが怨敵のゴジラを連れて帰還

シーモと組んでコングとゴジラと2対2の最終決戦へと突入する。


戦闘開始と同時に、シーモの氷が溶けて重力反転が発生。

想定外の状況に翻弄されながらもゴジラの相手をシーモに任せ、自身はコングと壮絶な死闘を繰り広げる。


戦いの末、ポータルを通って地上のリオデジャネイロへと出現。

念願の地上世界への侵攻に成功したことから邪悪な笑みを浮かべ、人々を一方的に攻撃してシーモと共に街を破壊していると、同じく地上に上がっていたコングの渾身の一撃を喰らい歯を1本失う(その様子を見たコングに銀歯を笑われた時の意趣返しと言わんばかりに鼻で笑われた)。


そのままシーモと共にゴジラとコングと戦闘を続行するも、因縁の相手であるゴジラとの1対1の戦闘では終始圧倒され、ウィップスラッシュを破壊される。ゴジラの熱線を回避しつつシーモを服従させるための刃だけは守ろうと奮闘するが、コングと取っ組み合いをしてる隙にス-コがコングアックスで刃を破壊したことで、シーモの洗脳が解け、同時にその衝撃波で吹っ飛ばされる。


刃を破壊された怒りでス-コを殺害しようとしたところでコングに殴られて投げ飛ばされ、ゴジラの尻尾による追撃で野球の如く弾き飛ばされ、再びコングにキャッチされて首を掴まれる。

丸腰で一方的に叩きのめされ、いよいよ絶体絶命の状況で必死にシーモに命令するも、刃の力で使役できていただけのシーモが従うわけもなく、ゴジラのアルファコールを受けたシーモに逆に氷漬けにされ、意識を保ったままコングに粉々に粉砕されて死亡した。

ゴジコン感想絵(ちょっとネタバレ)

かくして醜い支配欲のままに同族のみならず、地上すらも征服しようとした王を気取る邪悪な怪物(モンスター)は、かつての怨敵と自身が見下した同族の一匹、そして恐怖に打ち勝ち自由を掴まんとした勇気ある小猿によって自分ごと野望を砕かれる因果応報な末路を迎えたのだった。

また、その後、シーモがコングに懐いて従っておりこの瞬間、「王」としてもコングに完全敗北する事となった。


評価

グレイト・エイプを力で従わせて王国を支配しては気に入らない存在を殺し、それでも満足せずに地上の世界すら支配を目論むなどの暴君ぶりを見せたスカーキングだが、多くの怪獣と戦ってきたコングと互角に渡り合えるなど実力は決して低いものではないものの、

  • コングに反撃されるなり、すぐにシーモを差し向ける
  • 彼に重傷を負わせて勝利したのは自らの実力ではなく、シーモの力によるもの
  • 武器を破壊されると慌てて刃の回収を優先する

など、過去の壁画はともかく本作の映像内で確認できる彼の強さはシーモによるものが大きい節があり、最後に刃を失って追い詰められた際もシーモ頼りという有様だった。

それでいて肝心のシーモとは刃の力で従わせていただけの関係のため、上述通りの結末を迎えている。


さらに地上侵攻において最大の障害となるゴジラとの戦闘では、自らの攻撃を一切当てることができていない上にあっさり武器を破壊されてしまい、熱線の前ではひたすら回避に徹するしかできていなかった。

自分よりもはるかに広大な世界を支配し、力づくであっても我欲のためでなく秩序を守ってきたゴジラ相手にこの結果では、仮に地上を支配できても、凶暴な怪獣が多く生息する地上世界で彼の王国は長く持たないであろうことは想像に難くない。

  • 前作において回避に徹しつつ、肉薄してゴジラに手痛い一撃を浴びせていたコングとは対照的だが、あちらには熱線を受け止める手段があったため、もし地上に持ってこれていれば話は違ったかもしれない。
    • とはいえ、前作の時点でゴジラはその武器の特性を理解しており、なおかつコングがその武器を持っていても不利に立たされていたため、仮に持っていたとしてもスカーキングに勝機があったかは不明である。
  • この時は刃を回収する事に専念していた事と、ゴジラがこれまでより進化した状態であるため、熱線の使用に制限があったKOMの中盤辺りまでなら互角に戦えた可能性はある。ゴジラが自身の強化に専念していたのもタイマンでスカーキングたちやシーモに挑むためと考えられるため、ここにコングやモスラ、人間たちのアシストも入ったことはスカーキングにとってはある種運がなかったといえるだろう。

また、コングは敵意がある者には冷徹でありつつも逆にこちらから危害を加えなければ温和な上に、弱い者に手を差し伸べるなどの優しさを見せてス-コの信頼を得ており、それによりスーコは自ら斧を手に取り、ポータルを渡ってまでコングを支援した事で勝利に繋がっている。

そして、ゴジラとは敵対関係ではありつつも、共通の敵には共に立ち向かって連携を取り、コングがピンチの時に自らの意思で援護するなど信頼関係を見せていた。

それとは対照的に、グレイト・エイプやシーモを力で従わせていただけのスカーキングには、全員が戦闘不能になっていた事を差し引いてもポータルを通ってまで助けに来る兵士はおらず、シーモに関しても長いこと接していながら信頼を築いていなかっために洗脳が解ければ反抗される程度の関係でしかなく、ゴジラの一声に従って恨みをぶつけられるという無様な姿を見せてしまっている。

今まで、力と恐怖で他者を支配してきたスカーキングだが、裏を返せばそれ以外の方法で誰かの上に立てず、自身より強い者のみならず、スーコのように弱くとも恐怖する事を止めた者を支配する事は不可能だという事である



総じて己は支配者になったつもりでその為の力もあったが、逆に言えば力以外のものを何も持たない上に残忍で身勝手な気性からスカーキングを認める者はおらず、力に頼るばかりでそれよりずっと強い力に滅びる程度の偽りの王でしかなかったようだ。


また「前々作」と「前作」のラスボスは殺戮を快楽とする等、スカーキングとは残忍性が異なるものの、スカーキングと同様にただ本能だけで暴れる怪獣とは言い難い邪悪な存在として描かれていた。

一応、スカーキングら以外の怪獣が殺し合いをしたり、人間を襲う事もあるが、それは生存目的の防衛や捕食といった食物連鎖である。一方でスカーキング(本作におけるキングギドラとメカゴジラもそうだが)はそれらとは無関係に他の生物を殺しており、弱い立場の生物であろうと必要以上に虐げた挙句に殺害する一線を超えた蛮行から地上への侵攻を除いてもコングの逆鱗に触れるのは当然であった。


ちなみに世代交代やゴジラのように休眠などをしていないのであれば、地下世界のイーウィス族の壁画の記載(髑髏島のものより数世紀古い・かつてゴジラと戦った・服従させたシーモが氷河期を起こした原因)から数百歳~約7万年もの時を生きた長寿怪獣であると推測される。


今回、その醜悪なまでの欲深さ故に滅ぶ事となったスカーキングとその手下達だが、その様子は正に「人間」の暗黒面そのものであった。アダム・ウィンガード監督もこのことを認めており、「スカーキングはある意味では人間の脅威そのものに最も近い、人間の恐ろしさをタイタンに重ね合わせたような存在である」と評している。

そして、現在モンスターバースの世界では多くの国が地下世界への進出を企てている。現在こそゴジラやコングに「自然の一部」として見逃されてこそいるものの、人間達による地下世界への侵略はあり得ない話では無い(そもそも、前作で人類は地下世界のエネルギーを利用しようと目論みそれを実行に移しているわけで…)。

そう考えると、今回の出来事は人類にとっては決して他人事ではなく、忘れてはならない事態と言えるのかもしれない。


関連タグ

ゴジラXコング:新たなる帝国 モンスターバースシリーズ


ラスボス 全ての元凶 悪のカリスマ 絶対悪 独裁者 暴君 だいたいこいつのせい 諸悪の根源

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