ヴァイジャヤ
ゔぁいじゃや
「…………十年早いとか言ってたけど」
「五千年早いんだよ。忍クン」
プロフィール
能力
祖先は、5000年前の古代インドにおいて薬学の祖とされる「呪術師」と呼ばれた者達であり、そのDNAを受け継いだ彼と彼の母親は、植物とそれを用いた薬物の扱いに長けている。
人間の体を体内から溶かす強力な毒薬を主な武器としており、通常は種状のカプセルとして手首のブレスレットに仕込んでおり、対象に直接飛ばして使う。また、DRやテラと同じく怪盗Xの強化細胞を移植しており、胃袋に寄生させた植物の成分により更にそれを活性化させ、大樹をそのまま投げ槍のように投げ飛ばして乗用車一台をピンポイントで当てられる程のパワーと動体視力を誇る。得意分野は暗殺だが、その気になれば街一つを毒殺可能。
人物
吾代忍とは旧知の仲。
家庭は裕福だが、実父が自分や母親を道具同然に見ており、結果として母親をオーバーワークで過労死させた挙句、自分を母親のバックアップ用データと見做していた実父を心から憎んでいた。
また、父親の仕事の関係で日本に移住したが、学校でも周囲に馴染めなかったためいじめの標的にされており、居場所を求める過程で火遊びのチームに入り、虚偽の強さと知りつつも強盗や車上荒らしなどの不良活動を楽しんでいた。
その過程でチームが早乙女金融(吾代の前の職場)の提携先を荒らしたことで吾代達が現れ、リーダー達に主犯の罪を着せられ都合のいい生贄(捨て駒)として扱われるも、吾代がリーダー(吾代曰く「草食動物の中に肉の旨味をちょっとだけ覚えた半端な肉食者」)を見抜いて制裁。力の優劣を見極める彼に憧れる様にして舎弟を名乗り半年間追従。その頃から吾代に「チー坊」と呼ばれていた(劇中では「チンケでチキンでチビ」と吾代が発言しているが、本名から見るに直接の由来とは別と思われる)。
「弱い奴は利用されて使い捨てにされる」という自身の理念から、強さに対して強い執着を抱くようになり、吾代の様に強くなりたいと願うも、吾代に「肉食動物(吾代の様な人間)なんてこの世で一番弱い」「人に危害を加えれば日本の狼が鉄砲で狩られ絶滅した様に、最後まで生き残れない=弱い」と説かれるが、父親に搾取され続け、不良チームのリーダーにも裏切られた自身に届くことはなかった。
鬱憤が溜まる日々を送る中「シックス」と出会い、ジェニュインから『よいこのあたらしいけつぞく』という血族に関する内容が描かれた子供向け啓蒙絵本(全三部作で、単行本のおまけページによると、これ以外にも大どろぼうホッツェンプロッツシリーズの様に『あたらしいけつぞく ふたたびあらわる』、『あたらしいけつぞく みたびあらわる』という続編が存在する)を読み聞かされ、「君や君の母親は特別な存在だが、父親は君たちの力目当てですり寄ってきた寄生生物」と吹き込まれる。血族入りの「儀式」として母から教わった毒草の知識(混ぜてはいけない組み合わせで調合した劇薬)で実父を殺害した後、吾代の元を離れた。
日本を離れたのが本編の5年前にあたるため、当時の年齢は推定13歳前後。
来歴
ぼったくりバー「真人間」で18万円も請求させられていた所で吾代と5年ぶりに再会し、助けられた吾代に全く変わってないとたしなめられるも、バーのスタッフ3人を上記の毒薬で殺害し、吾代に宣戦布告を行う。
ネウロの指示で彼の素性を探っていた弥子・吾代・笹塚が、嘗ての彼と僅かながら接点があった本城二三男と接触していた事から、4人をホテル内で暗殺すべく葛西と共に襲撃するも、ネウロの助言を受けた笹塚と吾代の機転で取り逃がす。
その後、一同が本城が5年前に拠点としていた湿地帯に向かったところを再襲撃。
森に仕掛けた毒霧で弥子達の動きを鈍らせたり、尖った木の枝で吾代に瀕死の重傷を負わせるなど一同を危機に追い込むも、電話でネウロの指示を受けた吾代の挑発によって大量の力を使うように仕向けられ、その隙にブレスレットを掠め取られ傷口から薬品を一気に注入される。
悶絶するも力への渇望で自我を保ち、残った力で右目に鋭器と化した根を生やして吾代を刺し殺そうとするも、「強大な力を貰ったとしても使うこと自体は楽しくない、たった半年でもデキの悪い友人(ツレ)とつるんでた方が俺は楽しかったぜ」という吾代の説得が通じたらしく、任務続行不可と判断、根を自らの脳に突き刺し機密保持のために自決した。
「強いって… 疲れるね 忍クン」
彼の最期の言葉は、吾代に(彼が初めて「新しい血族」と接触したこともあり)「『新しい血族』は本当に存在するのか」という疑問を投げ掛けることになった。
血族としての名前の由来は、母の国の言葉(サンスクリット語)で「勝利」を意味する「ヴィジャヤ(Vijaya)」から。
「チー坊」の由来も本名のチャンドラからだと思われる。