概要
自分が慕う年下の人物を自分にとって理想的な「大人の女性」に育てようとする計画のこと。そんな思惑や様子を描いた作品に付けられるタグ。
元ネタは世界最古の長編小説と言われる紫式部の古典『源氏物語』。義母の藤壺を愛していた光源氏が、藤壺と似ていた美少女・若紫に惚れ、彼女を自ら養育して美しい女性に成長させた。そしてある夜、二人は結ばれ、光源氏の妻「紫の上」となった。
ここまで読めば判ると思うが、光源氏は本質的にはロリコンというよりマザコンである。そもそも大半のロリコンは「恋人は少女のままでいてほしい」と考えているので「理想の女性に育て上げる」光源氏計画とは似て非なるものである(もっとも、光源氏は14歳頃の若紫に手を出しており、たとえ母親の面影に恋焦がれていようと、現代の基準ではロリコンに該当することになるが…)。
言葉自体は『シティーハンター』で冴羽獠が海坊主(伊集院隼人)と美樹の関係を「光源氏計画」と呼んだことが最初と思われる(ただし海坊主自身にその意図はなく、獠が勝手にそう呼んだだけだが)。
それを受けて、現代では主に自分を慕う子供や後輩を、自分の理想の立派な大人に育てる意味で使われる。その慕う相手は自分にとって年下で、ほとんどが男が年下の女子に対してすることに使われ、年上女性が年下男子に対しての場合、「逆光源氏計画」と呼ぶ。同性の場合もあり。別に相手の女性に「少女のままでいてほしい」と願って育てているとは限らないことに注意。
史実では宇喜多直家などが行ったらしい。
実際に起きた事件として、「資格を取らせて自分の仕事の手伝いをさせるつもりだった」という動機で、女子中学生を保護者の同意無しで住み込みで勉強させていた男が、未成年者誘拐容疑で逮捕される事件が起きている。
(もっとも「その女子中学生が容疑者が考えているのと別の未来を望んだ場合は、どうするつもりだったのだ?」というツッコミ所は有るが)
なお、似たような事をやった男性が出ているフィクションはミュージカル・映画の「マイ・フェア・レディ」など洋の東西を問わず枚挙に暇が無いが、「理想の女を作ろうとした男が手痛い目に遭う」オチとなっているものが少なくない。
当の「源氏物語」でも、光源氏は人生の絶頂期に言った無神経な一言が原因で最愛の紫の上を失ない寂しい晩年を送る羽目になる。
当然と言えば当然ながら、冷静に考えれば「時間をかけた調教・洗脳」である以上、成功してしまうオチになった場合こそ、作者・製作者に余程のストリーテラーとしての才能・技量が無いと、単なる「胸糞話」と化してしまうリスクが存在する展開ある以上、「光源氏計画を実行した者は最終的に報いを受ける」というオチは、ある意味で物語を作る上での安全策という見方も可能であろう。
「光源氏計画」を成し遂げたキャラクター
本人が意図せず結果的にそうなった者も含む。
- 海坊主(シティーハンター)
- 殺生丸(犬夜叉)(半妖の夜叉姫)
- 河地大吉(うさぎドロップ)
- カミュ(聖闘士星矢)
- タイタン(聖闘士星矢Ω)
- 青木大介(こどものじかん)
- シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム)実は数少ない正統派(マザコンともファミコンとも)
- 紅丸(天外魔境JIPANG7)
- サンソン(ふしぎの海のナディア)
関連タグ
源氏物語 光源氏 教育 青田買い ロリコン マザコン 逆光源氏 逆光源氏計画
プリンセスメーカー:シリーズ恒例のエンディングとして「義理の娘と父(プレイヤー)が結婚する」というものがある
育ってダーリン!!:逆光源氏計画が題材の漫画