Tiamat(モンスターバース)
もんすたーばーすのてぃあまっと
※以下、アメコミ『ゴジラ:ドミニオン』のネタバレ注意
概要
モンスターバースシリーズに登場する怪獣(タイタン)の一種で、学名はタイタヌス・ティアマット(Titanus tiamat)。名前はメソポタミア神話における原初の存在とされる女神・ティアマトに由来する。
初登場は第3作目『キング・オブ・モンスターズ』だが、劇中では名前のみの登場でコンセプトアートもない、正体不明の怪獣だった。
だがその後日談となるアメコミ『ゴジラ:ドミニオン』にて、同じく第3作では名前のみの登場だった怪獣・アムルックと共に登場、怪獣王となったゴジラと死闘を繰り広げた。
特徴
海神・龍神として知られるティアマトが名前の由来となっただけあって水中生活に特化した怪獣であり、外見はよくフィクションなどで見られるシーサーペント(海竜)に似た姿をしている。そのためゴジラも「海蛇」と称している。
全長は1220フィート(約371.8メートル)と、モンスターバースシリーズの怪獣では最大の体躯を誇る。(なんとゴジラ・アースと同じくらい)アナコンダのように水辺に近づいた獲物を水中に引きずり込み、その巨体で締め上げて仕留めるが、この際に刃物のように鋭利な鰭状の鱗で獲物の皮膚を切り裂く。更に口から猛毒の息を吐き、ドクハキコブラのように敵の視界を奪うこともできる。また、DCコミックスとのコラボ漫画では、目から電流を放射していた。
縄張り意識が非常に強く、自身の領地を決定、防衛するためなら周囲の生物や建造物を惨殺、破壊して回るなど手段を選ばない攻撃性を持つ。
たとえ自身の王と認めた相手であろうと領地を侵されることだけは決して認めず、劇中ではそれによりゴジラと戦うこととなる。
活躍
キング・オブ・モンスターズ
アメリカ・ジョージア州ストーンマウンテンで休眠状態のところを発見され、以降はMONARCHによって監視されることになった。なお、休眠場所には第53前哨基地が建設された。
中盤、宇宙由来の外来種・ギドラによって他の怪獣と同様に覚醒。前哨基地を破壊し脱走した後は、近郊の都市を破壊し回ったと考えられる。
ゴジラ:ドミニオン
ゴジラがギドラを倒して怪獣達の頂点に君臨した後は、休眠場所であったストーンマウンテンには戻らず、そのまま大海原を回遊しながら、遭遇した鯨やダイオウイカ、他の怪獣を手当たり次第に殺し回っていた(MONARCHの潜水艦も沈められている)。
その後、かつてゴジラが住処としていた地下空洞世界を占領したが、新たな住処を求めるゴジラが襲来したことで交戦することになる(その前にはとある怪獣の同族が住んでいたらしいが、攻め込んできた彼女に殺害された模様で頭蓋骨が転がっていた)。
その巨体でゴジラに巻き付いて海中へ引きずり込むと、鋭い鱗で彼の硬い皮膚を切り裂き、更には毒の息吹で一時的に失明させた。だがゴジラは蛇のピット器官にように熱探知でティアマトの体温を感知すると、乱戦の末に地下空洞世界の地表に上陸。ゴジラの長い尾で陸上に打ち上げられたティアマトは頭を踏みつけられ、それでも威嚇の咆哮を上げるが、怪獣王の雄叫びを浴びせられたことで自らの負けを認め、そのまま海中へと撤退した。
ゴジラxコング:新たなる帝国
実写作品に初登場を果たした。
『ゴジラVSコング』の直前にゴジラが発したアルファコールの命令に従い北極海で休眠についていたが、そこで自身のものとしていた太陽風により滞留されていた莫大なエネルギー源を、新たな脅威に備えるため自身の強化を必要としていたゴジラに狙われることとなった。
そのエネルギーを求めて北極海に到達してきたゴジラに放射熱線による攻撃で棲家に穴を空けられた事に激怒。即座に氷塊から飛び出し、縄張りや棲家を防衛するためゴジラに戦いを挑む(この時、溜め込んだエネルギーが漏れ出していたのか、紫のオーラを身にまとっていた)。
前回の時と同じく巻き付き攻撃で攻め、ゴジラを怯ませるが体の一部を食い千切られる反撃に遭う。これに負けじとゴジラの顔面に食らい付いてから鰭で覆って反撃し返すが、事前に原子力施設の核エネルギーを吸収し強化していたゴジラの放射熱線をまともに食らい、無惨にも体をぶつ切りにされて絶命(ちなみに、この時と前後して地下空洞世界では別の蛇型怪獣(タイタン)がコングと戦って同じような末路を迎えていた)。その死骸もゴジラに投げ捨てられてしまった。
そうして邪魔者を排除したゴジラは改めてティアマットの巣に進入し、一時的な休眠に付きながら滞留されていた太陽風由来のエネルギーをも全吸収。
さらなる強化を果たしたゴジラエヴォルヴへと変身を遂げることとなる。
本作では翼のような鰭が無くなり、腕が生えているなど漫画とは造形が異なっている。実写に落とし込む時にデザインか変更されたのか、それとも太陽風エネルギーの影響で進化を遂げたのかは不明。
(直接の登場がなかった『キング・オブ・モンスターズ』の頃から映画用の3Dモデルがあり、それではピンク色の発光がないだけで『新たなる帝国』のものとデザインは同じだった。ただし、同一世界の漫画と見た目が違うことに関しての世界観の中での解釈は不明)
余談
- 監視されていた第53基地の数値は、ゴジラに大きな影響を与えたとされる『原子怪獣現わる』が公開された1953年に由来しているのではと推測されている。
- 毒の息を吐くという能力は、同作に登場したリドサウルスが血中に殺人ウイルスを含んでいることに由来したとも言われている。
- 『キング・オブ・モンスターズ』のエンドロールでは、名前の由来となった女神ティアマトがマルドゥク神と対峙した姿を描いたとされる壁画が登場している。ただしこの壁画はアンズーとニヌルタ神を描いているとも言われている。
- スマホゲーム『Fate/GrandOrder』においてもティアマトが登場しているが、こちらはシン・ゴジラの影響を大きく受けている。
- 『新たなる帝国』では、スキュラと比較するとゴジラへの敵対心や人類及び地球への被害を及ぼした描写も特になかったため、ファンからは(地球の非常事態だったとはいえ)「とばっちりを喰らった被害者」と同情の声が散見されている。
- ただ太陽風のエネルギーを溜め込んでいた理由が、『ドミニオン』で一度敗れたゴジラにリベンジするための準備だったとするのであれば、ゴジラは将来的な敵を一石二鳥(片方を倒すついでにもう一方に対処するエネルギー補給)で対処したとも考えられるが、真相は不明。
- 監督のアダム・ウィンガードは「スキュラの一件のせいでゴジラは精神的余裕がなくより利己的になっており、何の罪もないタイタンを殺すほどに追い詰められていた」と語っている。スキュラ戦後に映画でゴジラが殺したタイタンはティアマットだけであることを考えると、何の罪もないタイタンとはティアマットのことであると思われ、反逆の意思はなかったものとみられる。
関連タグ
キング・オブ・モンスターズ ゴジラxコング:新たなる帝国 アメコミ
タマミツネ:デザインが酷似。しかし、ファンの間で話題となっている件についてデザイナーが反応し「そもそもタマミツネ自体知らないで作ったので別に意識してない」と発言している。要は単なるそっくりさんである。