「さぁ飛び立とう……夢に向かって!」
演:西岡徳馬
概要
飛電インテリジェンスの創業者にして、飛電或人の祖父。
人工知能搭載人型ロボ「ヒューマギア」を開発した。
第1話開始時点で他界している(命日:新2019年8月30日)。享年75歳。
その遺言状で「飛電インテリジェンスが派遣する大量のヒューマギアが、心なき存在に利用されて人類を襲う」「ゼロワンドライバーとプログライズキーを用いてそれに対抗せよ」等と記し、その唯一の使用権限者である飛電インテリジェンス社長に孫の或人を任命した。
何故、孫の或人に社長の座とゼロワンドライバーを託したのかについては不明。会社運営の経験もなければ戦闘経験もない上、或人は祖父とはあまり付き合いがあったわけでもないようなので、現状は謎だらけである。
また、過去作で主人公の親族が黒幕である場合が多かった点や、冬映画ではあるヒューマギアの「自分達に報酬はないのか?」とする趣旨の問いに対し「勉強熱心だねえ」とごまかしたとも見える点等からどこか怪しいと見る視聴者もいたが、後に現れたアナザーゼロワンに対し、社長でありながら自らの身を呈して、部下の福添達を守っているので悪人や表裏がある人物といった描写とまでは言えないシーンである。
まぁ、上記のやり取りは端的には、洗濯機や冷蔵庫が報酬を求めてくるのとほぼ同じな為、発言を濁したのは仕方ないが、ヒューマギアに対し良くて「適切な距離を取っている」、悪ければ「『創造者と被造物』以上でも以下でもない関係に徹している」とも評価でき、或人とは違って中庸なスタンスの持ち主である。ただ、あの時点ではまだヒューマギアをプレゼンする段階であり、上記の対応は機械が想定外の行動をした事実に疑問を抱いたと考えれば、一旦濁すのはおかしくはないし、その異変の調査に関しては、組織の上に立つ者の行動としては決して間違っていないだろう。また、本編ではワズを「我が友」と呼んでいたりしているので、亡くなるまでの間に、ヒューマギアへの心境が変わっていてもおかしくは無いだろう。
ZAIAエンタープライズの天津垓とは親交があり、彼からは尊敬されている様子であった一方、ヒューマギアに傾倒した姿勢や、或人を社長に任命した事等を疑問視もされている(但し、株主やスポンサーでもない外部の人間が、企業の人事に干渉できる立場でないのが事実である)。
余談
演者の西岡氏は仮面ライダーシリーズ初出演。ウルトラマンシリーズではウルトラの父の声を演じている事でお馴染みである。
奇しくも彼の孫であるタイガも、令和ウルトラマン主役第1号を務めており、令和仮面ライダー・令和ウルトラマン両方の祖父役となっている。但し、西岡氏は『ウルトラマンタイガ』には出演していない為、彼自身をウルトラの祖父と呼ぶのは早計である(最後の出演はウルトラマンジードの劇場版)。
設定上はかなり重要な立ち位置にいる筈の人物なのだが、TV本編で彼が登場するシーンが殆ど無く、外伝作品や、単独劇場版やVシネマでも特に重要なシーンで登場するわけでもなく、その他彼にまつわる事について言及が為される事はなかった。
出番が多かった作品はせいぜい上述のコラボ映画作品のみであり、それでも彼の人柄について多少分かる程度で、TV本編のストーリーの根幹に関わる要素は殆ど描写されずに退場している。
そのため、彼らのように内面を掘り下げた作品も今の所存在せず、そこまで関わりがあった訳でもない主人公を何故社長に任命したかも結局不明のまま本編は幕を閉じてしまった。
後に天津からはTV本編で彼と関わりがあった事が明かされたが、結局肝心な事は分からず仕舞いである。
「ゼロワン」本編にはコロナ禍の影響で、元々想定されていなかったであろう総集編回が何度か設けられており、実質その話数分の放送期間を減らされている。スタッフのインタビュー等でも当初の予定からの変更が示唆されており、コロナさえ無ければ、本編中で是之助の意図がきちんと説明されたのかも知れない。