もしかして → インドゾウ
読めばお分かりになるが、生物というよりも、もはや単位にされている。
内容
ポケモンずかん:ライチュウ
でんげきは 10まんボルトに たっすることもあり ヘタにさわると インドぞうでも きぜつする。
ポケモンずかん:ゴース
うすい ガスじょうの せいめいたい。ガスに つつまれると インドぞうも 2びょうで たおれる。
インドぞうとは?
『ポケットモンスター赤・緑』におけるポケモン図鑑の説明に登場する生き物。
ライチュウに触ると気絶し、ゴースのガスに包まれると2秒で倒れる。それ以外の詳細は一切不明。
なお現在900種を超えるポケモンには、象をモデルにした種族も幾つが出ているが、電撃が効かないじめんタイプのゴマゾウ系統+マンムーか、毒が効かないはがねタイプのゾウドウ系統といった面々のため矛盾気味。
しかし『LEGENDSアルセウス』の図鑑では、何とライチュウの電撃で倒される対象が(最もインド象に近い)ダイオウドウに差し替えられた。
なお、このインド象を単位とする表現は、ポケットモンスターより以前に昭和時代の怪獣図鑑には多く見られた表現で、ポケモンがカプセル怪獣のオマージュである事からもわかるように、ポケモン図鑑も怪獣図鑑の影響を多く受けている事が窺いしれる。
(ちなみに、初代ウルトラマンのパンチ力はインド象50頭分である)
また、「電気ショック」関係の技にゾウが使われやすいのはトーマス・エジソンがライバルのニコラ・テスラへのネガティブキャンペーンとして交流電流がいかに危険かを示すため、アジアゾウのトプシーを電気ショックで殺した様子を収めた記録映画を興行として公開し、全米の話題を集めたことに由来している。
異説
小説版では、ポケモンとは「ある日当然存在し、それまでいた生物と入れ代わりになっている」という、後年のウルトラビーストのような異次元的な存在として描写されているので、インドぞうや食用などになってきた豚などの怨念がドンファンやマンムーとなり、地面タイプを持ち電気や毒への耐性を得て、ライチュウやゲンガーなどに強く出られるポケモンとして具現化したのでは?という声まである(偶然ではあるが、マンムーのモデルのマンモスの語源は「土の獣」という意味である)。
ダイオウドウも、電気には無敵ではないがやはり毒への耐性を持つ。
更に未来のドンファンであるテツノワダチは
「じめん・はがね」の複合であり、ライチュウにもゲンガーにも強く出る事が出来る。
なお、過去のドンファンであるイダイナキバはかくとうタイプの複合だがその為かゲンガーやアローラライチュウに滅法弱く彼らにポケモンになってからもいじめられたが故に進化の末にかくとうタイプが抜けたのかもしれない。
インドゾウは実際にはどんな生き物なの?
実際のインドゾウはアジアゾウの亜種とされ、インドから東南アジア、中国の南端部(雲南省など)といった広い範囲に生息する動物である。アジアゾウは、過去には中国東部から中東まで棲息していた。
アフリカゾウより耳が小さく、頭のこぶは大きい。食性はもちろん草食。アフリカゾウよりもマンモスと近縁である。
ポケットモンスターシリーズの図鑑説明のおかげで弱そうなイメージを思い浮かべるが、あながち間違いではなく、絶滅危惧種に指定されている動物である。
(そもそもネズミと比べて繁殖スピードが遅い事も災いしている)
なお、ゾウドウやダイオウドウは希少種ではなく普通に生息している。
その他の犠牲者達
ダイヤモンド
初代ではダイヤモンドがよく串刺しにされている。また、一部のポケモンはダイヤモンドより硬いと解説されているが…。
タンカー
初代以降の作品では海に住むポケモン(サメハダー、アバゴーラ、ドラミドロ、ブロスター)のポケモン図鑑の説明にタンカーが出てくることがある。
しかし、だいたい船底に穴を開けられて沈んでいる。ブルンゲルに至っては住んでいる海域が船の墓場と称される事も。
トラック
第3世代以降ではトラックやダンプカーもポケモンの犠牲になっている。
ひっくり返されたり吹き飛ばされたり捻り潰されたりし、破壊されると最終的に残骸を食われたりもする。
いくら沢山の人々を殺してきたトラックでも人より遥かに強いポケモンには歯が立たない事が分かる。
プロレスラー
またどういうわけかプロレスラーもポケモンの強さの比較対象によく使われている。なお、プロレスラーをモチーフにしたルチャブルはひこうタイプ複合の為、ドクケイルに強く出れる。
人間
ゴースト、ゲンガーに命を奪われ、(人間とは明言されていないが)プルリルに殺され、子供がスリーパーに誘拐される。更には死んでもデスバーンに魂を貪られる。
デスカーンはともかくオーロットは良く他のポケモンを恨まない物である。
数多の陰謀論
初代のポケモンではインドぞう以外にも、後発の設定で考えると不自然な点が確認できる。
ポケモン以外の動物が存在する
- アニメ無印1話で蚊取り線香の存在が明かされている。
- アニメでサトシが乳牛のコスプレをする。
- サント・アンヌ号の厨房のコックが「さんまのしおやき」、「したびらめのムニエル」、「ぎゅうフィレのステーキ」という料理の名前を言う。
- アニメで、コイキングが鯉のあらいにされかけている。
- アニメで、ロケット団が普通の海老を食べている。
- アニメで、ポッポが普通のミミズを食べている。
- アニメで、ロケット団が普通のハチに追い回されている。
- アニメで、ハナダシティジム地下の水槽に普通の魚がいる。
- アニメで、化石のカブトプスが大型魚を捕食していた。
- アニメで、水中の光がウミホタルに間違われている。
- アニメ絵本で、普通の犬が登場している。
「ハナダジムの魚」「食用の動物が別に存在する設定の変遷」については、アニメに初期から携わっている一石小百合氏も2017年10月31日のTweetで言及している。
「ポケモンではない普通の動物」の設定が無くなると、生まれたてのシェルダーより小さな「貝殻」など生き物由来であろう品物は入手経路が曖昧になってしまうほか、アニポケや後発のゲーム作品にも登場している肉料理や魚介料理はポケモンのものではないかと解釈せざるを得なくなる。
ポケモン同士の食物連鎖の話と同様、「ポケモンは相棒や友達のようなキャラクターとして扱いたい」という面から拒否感を抱く向きもあるものの、「まずいので食用には向いていない」つまり誰かが食べて味を確かめた旨の文章があるコイキングの図鑑説明のように、ポケモンを食べる文化を示すような情報は公式からも出ていた。
また、シンオウ神話の「人間はポケモンを狩猟し、食べることもあった」という内容のように、直接的な描写は無いにしろ公式な世界設定として組み込まれていくこととなる。
さすがに栄養や味や毒の有無などで「食用に向いている、向いていない」や、文化的な面で「○○を食べるのは平気だが、××は可愛いので食べようと思わない」といった差はポケモンごとにあると思われるが、その点は現実の動物も同じと言える。
こうした設定の変更が起きた後のサン&ムーンでもハムなどが登場している他、動物質の食材はゲームシリーズでも登場し続けており、特に料理関係のシステムでは変に存在をボカすでもなく、ソーセージなどは普通に取り扱われている。
実在の地名が登場する
- ペルシアンは「ペルシアの」という意味の言葉であり、分類の「シャムネコポケモン」の「シャム」とはタイのこと。
- ウインディが「中国の言い伝えにある伝説のポケモン」とされている。
- パラセクトの胞子を「中国では漢方薬にする」とされている。ちなみに「漢方薬」は「漢由来の薬」という名が示す通り日本で独自に発展した中国医学の医薬品を指すので、厳密には「中国では医薬品にする」が正しい。
- ミュウの故郷が南アメリカ(作中に登場する日記によるとギアナ高地)である。アニメのサイドストーリーでは、主要キャラの母親がアンデス山脈まで探しに行ったが行方不明になったと言われている。
- ポニータの脚力は東京タワーを飛び越えるほどであるという。
- ニョロボンはバタ足だけで太平洋を横断できると言われる。
- ゴルダックや上記のニョロボンの図鑑での解説文からオリンピックの存在が窺われる。
- カイリューは地球を16時間で一周できる速さ(マッハ2.5)で飛べるとされている。
- マチスはアメリカ軍出身である。
- ニビシティの博物館は「コロンビア号」なる「スペースシャトル」が展示されている。これらは、アメリカ航空宇宙局「NASA」によって造られた特定の宇宙船を指す固有名詞である(コロンビア号は機体名、スペースシャトルはシリーズ名)。コロンビア号は2003年に空中分解事故で失われ、乗員7人全員が死亡する悲劇が起きたものの、事故後に発売されたFRLG及びバーチャルコンソール版においても削除・修正される事なく残されている。海外版・LPLEではコロンビア号への言及は削除されたが、スペースシャトルについては変わらず言及されている。
- カツラが技「だいもんじ」を説明する際、技の元ネタである京都の大文字送り火についての台詞がある(FRLGのみ。LPLEでは「京都」のセリフが省略されている)。
- シルフカンパニー内のはぐれ研究員(元シルフ研究員)の一人に「社長にロシアまで派遣された」という旨の台詞が存在している。ロシアにある派遣先の支部の所在地は「ポナヤツングスカ」という架空のものだが、初代の英語版では「Tiksi(ティクシ)」という実在のものに置き換えられた。リメイク版である『LPLE』では「ロシア」の部分が削除され、英語版では「Tiksi」が「boondocks(奥地、田舎)」という一般名詞に差し替えられている。
- 「ネイティオは右目で未来を、左目で過去を見ている」と言う話が南アメリカで伝えられている。
- デリバードはエベレスト山で人を助けた事がある。
などなど。アニメの小説版で語られる設定では、より顕著に見られる。
ポケモンの「ぶんるい」でも、ピカチュウ等における「ねずみポケモン」のように、実在の動物が言及されている。
これらの事情から、元々は「ポケモンとは、我々が住む地球に存在する、動物とは違った特別な生き物である」という設定だったようだ。
この点についてはポケモンの没プロットの記事も参照。
だがポケモンはシリーズを重ね、次第に描かれる世界が大きく詳細になっていった結果、現在では「ある星における動物に等しい存在の生き物」ということになっている。実際に、2019年1月4日に放映された特番「ポケットモンスターの平成史~火曜から木曜、そして日曜~」では、ポケモン世界を「地球とは遠く離れた惑星」としている。
このためなのか、近年のシリーズ作品では街頭に掲げられている看板やテレビ番組の字幕などに使われている文字も、地球で使われている如何なる言語のものとも異なる特殊な文字が使われるようになっている。何と書かれているのかわかりづらいものもあるが、中にはアルファベットをいかにも未知の言語っぽくアレンジしただけというものもあり、頑張れば解読することができるケースもある。
また、2018年に発売された初代のリメイク作である『LPLE』では実在の地名や固有名詞に関する記述がすべて修正されている。
しかし、シリーズが進んでも「ぶんるい」において実在の生物は用いられ続けている。例として「チンチラポケモン」であるチラーミィなど。
仮に作中世界に存在しなくても、プレイヤーに特徴を伝えるためにはモチーフとなった実在の生物の名称を使う必要がある、というメタ的な事情と考えられる。
また、拡張現実型のゲームである『ポケモンGO』では、実在の地名や固有名詞を出しても不自然さが生じない、むしろ作品にリアリティを与える演出の一つとなるためなのか、ゴルダックやニョロボンの図鑑説明が初代とほぼ同様のものだったり、ミュウのスペシャルリサーチの進行時にウィロー博士からミュウが南米で発見されたことが語られたりするなど、往年のファンなら思わず懐かしいと感じてしまうような設定の数々が復活している。
これらの設定の変遷による矛盾
一方、ゲームの設定上も現実世界からは完全に切り離したのかと言われたら、必ずしもそうとは言えない部分が見られる。
- 地球の衛星の名前である「月」に由来する「つきのいし」や「つきのひかり」「ムーンボール」「ムーンフォース」等の存在
- 同様に「満月」「新月」に由来するまんげつじま・しんげつじまの存在
- 唯一無二の太陽系の恒星の事である「太陽」に由来する「たいようのいし」の存在
- 雲一つない快晴を意味する慣用句「にほんばれ」。当然だが文化圏や国家としての日本の存在を前提にした言葉である。英語では「Sunny day」だが「太陽」を意味するSunが含まれている。
- 地球という言葉をもろに使っている「ちきゅうなげ」
- わだつみのシンフォニアの「ワダツミ」。ワダツミは日本神話の海神である。日本、ましてや地球ではないのに『ワダツミ』と名付けられていた存在が『ポケモン』世界にも存在していた事になる。
- 一般トレーナーの外国人名系の名前に、現実世界における神話や宗教に由来するものがみられる。[アブラハムの宗教]]系に顕著だが、英語圏で一般的な名前には、聖人の名前から採るといった由来を持つものは多い。
といったように、今度はフィクション・ファンタジー世界ゆえの「何故我々の住む地球(=現実世界)とは異なる世界観で、現実世界の固有名詞が出てきてしまうのか」という問題が発生してしまう。
「動物」の存在とは異なり、これらの修正は行われてはおらず、現実世界に関する描写が削除・修正されたLPLEで修正されなかった。
上記については、主にスペースオペラなどのSF作品で見られるような「恒星」や「衛星」一般を指す単語として「太陽」や「月」という言葉を充てていると解釈することは可能。英語では専門書を除いて「Fixed Star(s)」や「Satellite(s)」よりも「Suns」や「Moons」で表現されることが多いのも、この説の補強に持ち出されることがある。
この点はポケモン世界の言語で「自分たちの住む惑星」を意味する言葉を、日本語のテキスト上では「地球」と置き換えているという形であっても説明はつく。
あまり独特な定義の言葉を連発すると作品自体がとっつきにくくなるのは創作全般に言えることで、これは「地球」をはじめとした天体の話に限らず、現実の太陽系とリンクしない別世界を舞台にしながら台詞は日本語(を含む地球の言語)という全ての創作物で、大小はともかく日常的に行われている事である。
また「ポケモンの舞台はどこか遠くの惑星だが、地球との人的・情報的な交流はある(過去にあった)」と考えると、地球の生物に準えた別名が付けられている点などの説明にはなる。
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他作品におけるインド象の登場例
前述の通り、怪獣図鑑における単位として扱われたのが元ネタとも言われるため、「ポケモン」以外にもインドぞうが単位として扱われることがある。
ジャミラ:インドぞうを5000頭も持ち上げることができるとされる。
ドラコ:腕の一振りはインドぞう10万頭分の力があるとされる。
ギャンゴ:インドぞうを1千万頭も持ち上げる怪力とされる。
ケムラー:インドぞうを3秒で殺す毒ガスを出すとされる。
大豪院邪鬼:得物の剣は一振りでインドぞうをも切り裂くとされる。
江戸川コナン:腕時計型麻酔銃はインドぞうでも30分は眠るとされる。
雲雀恭弥・ピラザウルス:インドぞうでも動けなくなる毒を盛られても動いていた。
映画ドラえもん のび太の日本誕生:ゾウでも気絶させられる電撃機能を持つ22世紀産の槍が登場する。
ダイナマイト:ゾウと並んで良くキャラクターの強さの比較対象にされる。
ジャイアント馬場:空想科学読本において、キャラクターの強さを測るための指標にされ、「ジャバ」という単位にされてしまった。
アンジャッシュ:自身のコント内で『インド象アフリカ象』という架空の芸人が存在している。