概要
マンガやアニメやドラマには得てして「お決まりの流れ」があるものであり、読者や視聴者はこういった展開に期待する(場合によっては恐れる)。
定石化した話の属性には「○○回」として特有の呼び名が生み出されることが多く、次回予告などで作品側がメタ的にこれらの呼称を用いることもある。
ここでは、そんな「○○回」の一覧記事として、各個別記事へのリンクを掲載。
(※一定の用例があるもののみ記載してください。)
全般的カテゴライズ
特定の属性を持たず、性質がそれぞれ大きく異なる回。
神回
文字通り神のような回。後述する感動回を示すことが多いが、お色気シーンが豊富な回や熱い共闘が見られる回などその内容はアニメによっても視聴者によっても様々である。
空気回
上記とは逆に存在感の薄い回。一般に話数が少ない作品においてほど認識されやすい傾向にある。大抵の場合は脚本や演出に派手さが無いことが原因だが、必ずしもその回の出来が悪いことを意味しないので注意。
糞回(クソ回)
糞みたいな出来の回。設定を蔑ろにした展開、ご都合主義、作画崩壊などその理由は様々。熱心なシリーズファンがいる作品にて生じることが多いタイプである。
なお稀に文字通りウ○コを題材とした回に対してこの表現が使われることがあるため、混同を避けて「クソ」とカタカナ表記する場合もある。
問題回
内容が問題視される回。行き過ぎたパロディ、差別表現、ターゲットに合わない過激描写などコンプライアンス的に危ない回に対してよく使われる。一方、エロシーンの多い回などに対して半ばネタ的に問題回と称する場合もある。
最終回
最後に連載・放映・配信された回。特にストーリー物の場合は綺麗に〆ることが求められるため批判の対象となりやすいものの、胸熱展開を持ってきて綺麗にまとめてみせた作品は多い。一方で、打ち切りや自主規制などで意図しない終わり方となってしまい落胆をもたらすケースも少なくないのが実情である。逆にごく稀ではあるが、作者にやる気がなくなったために残念極まりないラストを迎えた作品もある。
このほかファンの界隈では、いつまでも終わりが見えない作品に対して最終回を予想・考案する二次創作も数多く作られている。
封印回
極端にメディア露出の少ない回。規制が緩かった時代における差別表現を理由としたものが代表的。マンガであればセリフの差し替えで対応できるケースも多いが、声付きとなるアニメやドラマではそういうわけにもいかず封印となってしまうのだ。ただし2010年代頃から「原作者のオリジナリティを尊重する」という名目で当時のまま放映するケースも増えてきている。
話の流れに関するもの
読者・視聴者に特定の感情をもたらす話の演出・展開についてのもの。
感動回
涙なしには見られない、見る者に感動を呼び起こす回。主人公とパートナーの絆を再確認したり、心の闇を打ち払ったり、敵サイドと味方サイドが共闘したりといろいろな事例がある。感動させるということで当然評価も高くなりやすく、先述した通り神回に名を連ねるケースも。ただし演出があまりにも露骨な場合(いわゆる御涙頂戴)は批判の対象となる。
鬱回
読者や視聴者が鬱な気持ちになる回。重要キャラが死んだり、取り返しのつかないダメージを負ったり、主人公と決別したりといった展開は代表格である。鬱な状況を打開して感動に持ち込むケースもあれば、その鬱な経験を引きずって物語が進むケースもある。どちらにせよ、ストーリー物ではスパイスとして挿入することが有用な回である。
説明回
登場人物や舞台設定などを解説する回。大抵は第1回だが違うこともある。キャラクターの独白によるものと囲みやナレーションを用いるものとがあるが、前者の場合は伏線の設置に役立てられることも多い。
キチ回
キチガイのような回。登場人物がキチガイな回というよりは、通常からかけ離れた展開・演出が目立つ回に対して用いられることの多い呼称である。
登場人物の行動・変化に関するもの
入れ替わり回
ある人物とある人物の精神が入れ替わってしまう回。お互いの不思議な境遇に振り回されつつ、自分のあるべき姿を再認識する…という流れがお決まり。入れ替わり相手が異性である場合はサービスシーンとして活用されることも。
水着回
登場人物が水着になる回。当然肌の露出も増えるので、多くの場合サービスシーンの一つに数えられる。海やプールに行くことが普通だが、何らかの理由で行くことができずに部屋の中で水着を披露する流れもよく見られる。
温泉回
登場人物が入浴する回。銭湯など本来の意味の温泉でなくてもよく使われる。当然入浴は全裸で行うから、裸の付き合いとばかりに相手の肉体を褒め称えたり羨んだりして想像力を掻き立てる。他にも覗きや洗いっこなど入浴に関して描けるネタは多い(そして一様にサービスシーンとなる)。
エロ回
何らかの理由でエロい内容になっている回。無論テコ入れも兼ねて狙ってやっていることが多いものの、アニメの場合は作画の乱れで意図せず扇情的になってしまった、なんてことも。
当番回(お当番回)
とあるサブキャラにスポットを当てた回。元は声優が言い出した単語だと言われる。場合によっては回ごとに1人ずつ回して全キャラを紹介するスタイルの作品もある。
旅行回
物語の普段の舞台を離れて旅行する回。実在の観光地が利用されることも多く、紹介されたスポットが棚ぼた的な人気を得た事例も。泊まりがけの旅行の場合は宿で温泉回につなげやすい。
作品そのものの状態に関するもの
作画崩壊回
作画崩壊が目立っていたり、崩壊までいかなくとも作画が他と大きく異なる回(そのためドラマには無縁である)。大体のアニメは話数ごとに作画監督も異なるが、ハズレの人物にあたるとかなり浮いた見た目になってしまい視聴者に違和感を生じさせる。目に余る場合はDVD・Blu-rayなどでの発売時に修正されることもある。
マンガでは起こりにくいが、作者の調子の変化などで絵柄が乱れ気味になるケースも見られる。