概要
冬の国立(全国高等学校サッカー選手権大会)の大会歌(イメージソング)。
「栄冠は君に輝く」に対するアンチテーゼを示すアンサーソング、「敗者の讃歌」として作られている。
「栄冠〜」は、ストレートに努力と成果によって得られる栄冠を素直に讃える歌として作られている。
(作詞の阿久は、これを「勝者が敗者を否定して嘲笑う傲慢な歌としての側面がある」と捉えた)
対して、「ふり向くな~」の方は「負けて地に伏せ、努力が無駄となり栄冠を得られないとしても、その挑戦は無駄ではない(栄冠を得ることは結果に過ぎず、何も意味は無い。挑戦を笑う者こそが愚かである)」と歌い上げている。
ちなみに阿久自身は新聞に連載を持つほどの、熱狂的な高校野球フリークとして有名な人である。
1988年に岩手県立高田高校(当時、初出場だったが天候と大会規定によって初戦を1ゲーム戦いきる事無く、一イニングを残してコールドによる強制敗退を言い渡された)に捧げた「コールドゲーム」(俗に「一イニングの詩」と言われるもの)は特に有名。
「ふり向くな~」が「栄冠は~」のアンチテーゼになったのも、それ自体が甲子園に関わる全ての者たちに対する愛情ゆえの事でもある。
だが、このように敗者に寄り添う姿勢を見せることは当時の価値観としては「勝者を愚弄して悪者へと貶めるもの(いわゆる、行き過ぎたやりすぎの判官贔屓)」「勝った子どもたちの努力を罵倒するもの」という印象を与えてしまった。
そのため、この歌は阿久の真意にそんな意図はないにも拘らず、とても誤解されやすい。しかし、実際には「敗者へのエール」なのである。