概要
DMM.comにて配信中のブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に登場する刀剣男士・へし切長谷部とプレイヤーキャラクター・審神者のカップリング。刀剣男士×審神者(刀×主)の一種。
プレイヤーである審神者はゲーム内や刀剣乱舞絢爛図録にて少量の情報はあるが、公式からは審神者の具体的なビジュアルや人物像はユーザーに委ねられている。審神者の種族や性別は定義されない。原作内の審神者の情報については審神者(刀剣乱舞)を参照。
ちなみに「へしさに」で投稿されている作品は、相手役が女審神者であることが非常に多い。男審神者の「刀×主」作品の場合、「へし主」の表記で投稿されるケースがしばしば見られる。
審神者と刀剣男士は、人の姿を与えた者と与えられた者であり、持ち主と刀剣という主従の関係である。ゲーム外のメディアでも、長谷部は『審神者に随従する忠臣』とした姿で描写されることがとても多い。
作品投稿時の留意点について→刀×主
閲覧者も含めたジャンル全体のマナーまとめ→とうらぶマナー
ゲーム内における長谷部と審神者
※以下は回想や刀剣破壊などのゲーム内のネタバレを含むので注意
『主への忠誠が厚く、いちばんの臣でありたい。』(2015年2月20日発行 B's LOG 4月号)というキャラクター紹介文が初期にあり、主に忠実な姿勢の台詞が多いため、審神者とへし切長谷部の関係は主君とその忠臣という描写が多数となっている。
2015年8月11日に実装された二編に渡る回想イベントの後編では、黙していた黒田家についての思い、人間と共に生きる人ならざる付喪神の死生観について痛切に語ったのち、最後に長谷部は毅然とこう言った。
「本当に良い方だったのだ…… だが一番は今の主だ!それだけは覚えておけ!」
その時点では、プレイヤー側も長谷部の言葉は現在への忠義であり今の主たる審神者への言及にそこまで重い意味が込められているとは見ていなかった。
だが、同時期に販売された絢爛図録の長谷部のキャラクター設定文には下記の記述があった。
そして、あの世までついていきたかった過去ある長谷部が人の姿を得て実際に死ぬ刀剣破壊で想う先は過去ではなく・・・
「ここで終わりか……! 主の命は……俺がいなくても、果たされるのかなぁ……」
最期まで審神者への忠誠心に厚いことが今生の別れによって明確になる。
リリース一周年記念ボイスでは「俺たちも今日で一周年となりました。これからも慢心せず主のため働く所存です」と心の内を明言していた。
2016年2月7日のニコニコ生放送に出演した中の人は、『恐ろしい由来の人を斬った不吉さが性格にも出ていて、戦闘で斬られても挑発的な台詞を言う狂気染みた戦闘狂のような部分もあり、主に対する忠誠心が純粋』『純粋すぎて危ない、アンバランスな感じ』で演じていることを語っていた。
2016年2月16日に実装された回想イベントでは、不動行光が刀剣破壊で口にする信長が好んだ敦盛になぞらえて諸行無常を説いたのちに、再度今の主への姿勢について触れていた。
不動行光「……お前は、信長様のところにずっといるべきだったのかもな」
へし切長谷部「ははっ。二度とごめんだね。俺の主は、今の主さ」
付かず離れずの距離感で追従する台詞が多いため一見すると淡白そうに映ってしまうが、その内心では種族差や別離を理解していながらも主を一番とし主の一番を渇望して献身に徹しているのであった。刀剣男士が付喪神という設定は初期から露出があったがゲーム内で口にしたのは長谷部が初だった。
「刀剣乱舞-ONLINE-」1周年記念では描き下ろしイラストがあった。(→イラスト掲載元)
祝儀や贈答の飾りである水引が付いているためプレゼントに差し出しているシーンなのだろう。
刀剣乱舞リリース二周年ボイスでは、「二周年を迎えました。これからも主のため、誠心誠意お仕えいたします」と審神者に一層の忠義を誓っていた。
補足
「何をしましょうか?家臣の手打ち?寺社の焼き討ち?御随意にどうぞ」という家臣(審神者の家臣=刀剣男士)の手打ちを提案する台詞や、現在は削除された負傷時のボイス「どうして…どうして俺じゃないんだ」等からヤンデレっぽい要素を見出す声もある。
回想『黒田家の話・その後』では付喪神の死生観についても考えさせられるが、各人の刀剣破壊台詞からするとただの付喪神と人の姿を得た刀剣男士にも当てはまるのかは解釈が多様である。
回想『安土の名工』からは歴史を守る戦いを無事に終えた場合は刀剣男士は美術品に戻るとも取れる。
もっとも、世界観設定からするとこの戦いに終わりはなさそうでもあるのだが。
審神者は太郎太刀から、刀剣乱舞一周年では「付喪神集うこの本丸は、ある種の神域となってきた」と言われ、審神者就任二周年では「付喪神を多数従える貴方は、ある種、もうこちら側の領域なのでしょうか」とまで評価される。来年の審神者はどうなってしまうのか…。
アニメ刀剣乱舞-花丸-
長谷部は初期刀に次いで2番目に顕現した初鍛刀であり、「主お世話係」となっている。ちなみに「主お世話係」=「近侍」ではなく、近侍は主お世話係とは別に存在する。
審神者は、視聴者に姿や声を一切見せない方式で、二階の自室に籠っており、審神者の力を込めた式を作って刀剣男士の顕現を代行させている。出不精らしい。
刀剣男士達の台詞から、性格は「ちょっとだらしなくて、おっちょこちょいで、頼りなくて、何考えてるかわかんなくて。でも頑張り屋で可愛いところがある人」「刀剣男士が戦でボロボロになって帰ってきたら優しく慰め、活躍して帰還すれば笑顔で労る」「お喋りな人」と解っている。
刀剣男士に慕われている人柄だがだらしない面が多々ある審神者のことを長谷部が嬉々として世話を焼くというシーンがよくある。
以下、各話のネタバレを含む。
第一話 睦月
「主に託されたこの作物、長谷部が全身全霊圧倒的責任感を持ってお世話させていただきます」
審神者から託されたハーブ畑をぞうさんじょうろ手に世話する長谷部。そんな装備で大丈夫か?
「いいか、そもそも俺達は刀剣なんだぞ。刀剣の本分は主より賜ったこの体で……ってお前ら―!」
「ええい、昔の話はいい。俺達は主、つまり審神者に、何故人の形を賜ったのか解るか」
主から「賜った」という言い方から審神者への敬意が感じられる。長谷部の「昔の話はいい」という台詞に驚いた視聴者も居るが、それは二話に繋がる。
「あぁ、またこんなに部屋を散らかして…」←嬉しそう
“二人きり”の審神者の部屋にて審神者のお世話をする長谷部。先ほどまで仲間を叱っていた厳しい顔とは打って変わってデレデレの声。
「またいつでもお呼びください。俺は主お世話係です。主のためなら、どこからでも馳せ参じます」
池田屋への編成部隊を読み上げる前に忠誠心を誓う長谷部。
「主、この長谷部、部隊に選ばれた暁には必ずや最高の働きをして参ります」
しかし、なかなか自分の名前が表れない。
「主も焦らすのがお上手だ…」
「では今回隊長ということで…… 打刀! 任せてください主!」
が、期待もむなしく、選ばれたのは安定だった。
「主~!あなたってお人は!」
場面は変わり、池田屋に出陣する安定達。その安定に隊長の心得を教える長谷部。
「主の立場では口にすることが許されない。だから俺が代わりに言う。
多少の傷ならいけるなどと思うな。傷が付いたらすぐ戻ってこい。戻ることは負けではない。その判断を見誤るな」
先ほどまでのコメディシーンとは打って変わり、主の心を理解している忠臣の顔を見せた。
そして主から託された「お守り」を安定に渡し、礼なら自分ではなく主に言え、と微笑む。
ちなみに一話で長谷部が「主」と言った回数はエンドカードも合わせて19回。多い。
第二話 如月
新入り二振りの紹介と朝のHRをする刀剣男士達。
「それでは、主より拝命した本日の内番を発表する!ばばん!」
続々と当番を読み上げる長谷部。
「もちろん!主お世話係は、この俺だ!(ドヤ顔)」
新入り二振りを連れて主に会いに行こうとする安定。が、それを部屋の前で清光が止める。
耳をすませた部屋の中には審神者のお世話する長谷部が居た。
「主!なぜ読んだ本は本棚に仕舞わないのですか? まったくこの長谷部が居ないと何にも出来ない…」←嬉しそう
「机の上も整理整頓をしましょう。どこに何があるかこれでは解らないでしょう?」
「あぁ~もう、主ったら!」
デレデレの甘い声。その甲斐甲斐しい姿はまるで女房。
何故か長谷部の仕事中は他の刀剣男士は審神者の部屋に入れない雰囲気があるらしい。
織田の刀を含む六振りには1582年の本能寺へ出陣命令が下される。この日の近侍は長谷部。
審神者は長谷部に隊長を任せ、さらには「ゆっくりしてこい」と伝えていた。元主の因縁の地だが長谷部を信頼しているようだ。(何を考えているかわからないとも言う)
第三話 弥生
三月になり、鶯が鳴いているから主に見せようと鳥籠を用意していた長谷部。どうやら捕まえようとしていたらしい。
みんなの願いを聞いて大樹が桜の蕾をつけた際には真っ先に主に知らせに走った。
第四話 卯月
近侍になった堀川に心得を教える長谷部。この本丸の審神者が出不精だと説明がされる。
「覚えておけ、我らが主は動かないための手間を惜しむは一切なく…」
第五話 皐月
審神者の部屋へ声掛けしている長谷部。
「御用の際はすぐ俺、長谷部を…」
三日月難民だった審神者が三日月を手に入れたことで、初期刀の清光は焦燥を感じる。
長谷部は「主お世話係」という安定したポジションがあるゆえか、それとも審神者との信頼関係がよほど深いのか、毅然としており、主から託された「お守り」を渡したり、初陣の三日月を気遣っていた。
第六話 水無月
審神者が発熱して床に臥してしまった。長谷部は責任を感じ大慌て。
「昼夜問わず、出陣・遠征・内番・鍛刀・刀装作成、誰に何をやらせるか決めなければならない過重労働。まったく部屋から出ないゆえ歴然たる運動不足。身体を壊すのも至極当然。これを防げなかったのは主お世話係失格だ!俺は…どうすればいい!」
安定と清光に諭され、薬を探すことに。
薬の材料の調達は江戸調査の部隊に任せて、長谷部は消化に良い食事としてうどんを作ることに。
長谷部「う~ど~ん~だ~な~♪」
燭台切「そ~れ~な~ら~ぼ~く~に~♪」
長谷部「待て。主の体は、俺が治したいんだ。俺がうどんを作る」
審神者のために「家臣の手討ち」ならぬ「うどんの手打ち」を懸命に行う長谷部。
病床の審神者を想って涙まで流す。
「主…。戦でボロボロになって帰ってきたら優しく慰め、活躍して帰還すれば笑顔で労う。
思えば、我々は主に恩を頂いてばかりだ…。今度は俺の番。主は俺が助ける!何としてでも!
主…!死ぬな…っ!!」
……なお、審神者はそんなに重症ではなくただの風邪らしい。
余談だがゲームの回想イベントで話題された元主の長政は出先で病死している。
食べた審神者は「うまい」「ちょっとしょっぱい」と言っていたようだ。
塩分は控えめにしたとのことなので、涙のせいだろうか。もしかしたら審神者が感動で泣いていた可能性もある。
審神者が体調を崩した理由は、卯月に刀剣男士達が万屋でお金を無駄遣いしたことで金欠になり、そんななか海に行きたいという希望を叶えるため、夜なべして水着を製作していたからだと判明。
「「裁縫なんて初めて」と言っていた…」
審神者が縫った水着を手に、愛し気にそう呟く長谷部。
第七話 文月
審神者から託されたハーブ畑を世話する長谷部。
「主のハーブ、凛々しく育ちました!」
海へ行くみんなが室内の審神者に声をかけると、部屋の中から長谷部が登場。
「お前ら、静かにせんか!主は今調べ物をしておら… あぁー同時に喋るな!」
第九話 長月
義経の因縁の地阿津賀志山へ今剣を行かせる命が下される。長谷部は安定に今剣のフォローを頼む。刀剣男士達に元主の因縁の地に敢えて行かせる主の考えを不思議がる安定に「さあな」と返す長谷部。
「主は…何を考えているか解らないお方なんだ」と微笑む。
「確かに。そこがいいんだけどね」と安定。
主の考えは読めずとも、二振りとも主を信頼しているようだ。
第十一話 霜月
審神者の部屋で、新撰組の刀達を池田屋へ再び出陣させる命を授かる長谷部。
隊長の安定に主から託された「お守り」を渡し、言葉をかける長谷部。
「俺は主のお世話係。主の側にずっと居たから解る。池田屋での不甲斐ない戦い、それからのお前の汗を、主は知っている。主はお前をしっかり見ていた。その成果を見せろ」
「この桜がまた見事に咲いたら、主に心置きなく楽しんで頂きたい。そのためにお前たちに出来ることは、笑顔で帰還することだ」と出陣するみんなを送り出す。
第十二話 師走
部屋で審神者と話している長谷部。師走ということで外は雪。
「外に出ないからといって、一日中寝間着で居るのは如何なものかと」
「俺が徹夜で縫った袢纏です。見た目は悪いですが…」と差し出す。甲斐甲斐しい。
部屋の外では審神者と遊ぼうと思っていた短刀達が「長谷部さんがお仕事中なので邪魔してはいけませんね…」と雰囲気を察して立ち入らなかった。「ぼ、僕もあるじさまのお世話係やりたいです…」と残念そうな五虎退。
その他のメディア
スクウェア・エニックス出版の「刀剣乱舞-ONLINE-アンソロジーコミック~刀剣男士幕間劇~」では、主にお守りを貰って歓喜して命と同等に大事にする、主の一番を目指して他の刀剣男士と競い合う、といった短編作品があった。審神者のために頑張る長谷部の姿が多く見れるのでファンは要チェック。
2015年9月19日の東京ゲームショウの刀剣乱舞ステージでは、中の人が観客への感謝として演じているキャラクター二振りからのコメントをアドリブで述べた場面があった。長谷部のは「これからも、主命とあらば、どんな任務でもこなしてご覧に差し上げましょう。……主の……御随意にどうぞ」と緊張や即興のためか拙い敬語になってしまい中の人は後悔していた内容であるが、だがそれがいい。
余談
- 担当絵師が描いていた非公式イラストの長谷部には、主に従って栗羊羹を斬っている腕まくり姿や、主に向け朗らかに万屋台詞を言っている姿など、審神者に気さくな様子のものもあった。
- 中の人は、ゲームプレイしててへし切長谷部がよく出ると言われた際に「会いにきてるんですよ」と返したこともあった。(→参考ツイート)
- 先述の2016年2月7日の番組内では「名前が良いですよね」と、リズムが口にしたくなるとの流れで「へしきりはせべ♪ 長谷部といったら主命♪ 主命といったらあ・る・じ♪」と某ゲームをするお茶目な場面があり、回想など踏まえて主として冥利に尽きる想いに駆られるこんな言葉も。