概要
明るく活発で、考え無しに物事を進める穂乃果と、内気気味で、慎重に物事を進めたがる心配性の海未。
絶望的な学力の穂乃果と、成績優秀な海未。
体を動かし、外で遊ぶのが好きな穂乃果と、休日には家の中で読書や稽古をして過ごす海未など、穂乃果と海未は、その性格や趣味において正反対である箇所が多く見られる。
(『正直に言って、幼いころからの腐れ縁でもなければ、今のような関係にはなっていなかったかもしれませんね』(ほのうみSID:第3章「学園祭の花🌸」P55より引用)
しかしながら、
「やるったらやる!」と一度決めたら最後までやり遂げる穂乃果と、頑固かつ武士道精神により、物事を途中で投げ出すのを嫌う海未。
三代つづく和菓子屋「穂むら」の跡取り娘である穂乃果と、日舞・園田流、また園田道場の跡取り娘である海未など、一見正反対に見える二人だが、「ラブライブ!」という物語において、重要な点(最後まで諦めない/音ノ木坂と離れがたい運命を持つ)で、穂乃果と海未は共通のものを持っている。
なお、ラブライブ!はメディアミックスというコンテンツ展開の手法をとっており、それぞれの媒体で、元となる設定が異なっている。基本的には、
・同年齢である
・(スーパー)幼馴染である
・小中高と同じ学校に通っている
・どちらも家業の跡取り娘である
・地元である音ノ木坂を大切に思っている
点は共通しているが、住居の位置関係、穂乃果の剣道部設定、海未と穂乃果の知り合い方など、異なる点も数多く存在する。中にはメディア間で矛盾する設定もあるが、基本的には、それぞれのメディアで展開される「ラブライブ!」の物語は、別の世界線のものであると受け入れることが必要となる。
以下、それぞれの媒体における、穂乃果や海未の性格や成り立ち、穂乃果と海未の関係性、また音ノ木坂という土地について記述する。
School idol diary(SID)
穂乃果
初めに出版されたSIDということもあり、穂乃果がスクールアイドルを志した経緯や、ラブライブ!という作品の背景まで記述されている。ほのうみ要素に溢れているわけではないが、SIDでの世界線を詳しく知るためにも、購読を強く推奨する。
01 穂乃果はあきらめない。
・穂乃果は電車に乗る機会があまりなく、小さいころから音ノ木坂という街から出ずに過ごしてきた。(P10)
・また、小さい頃にみたオトノキの制服姿のお姉さんに対して「この街いちばんの主役に見える」(P12より引用)など、強い憧れを抱いていた。
→穂乃果にとっては、音ノ木坂は生活空間そのものであり、「音ノ木坂の街の主役である音ノ木坂学院を失いたくない」「オトノキの制服姿の“お姉さん”の姿を失いたくない」と気持ちが、穂乃果のスクールアイドル活動の駆動力となっている。
02 スクールアイドルになろう。
・穂乃果の初恋(?)はスクールアイドルである。「胸がきゅーって苦しくなって心臓がドキドキして、その人を見るたびに、なんだか目が引き寄せられて離せなくなっちゃって——おまけに。なんだかすっごく興奮してきて——体が勝手に踊り出したくなっちゃうようなこの気持ち。」(P20より引用)
・UTXのライブを見た後、今後の活動に不安を覚えた穂乃果の顔を、海未はじっと見つめる。(P33-34)
→海未は穂乃果の顔に浮かぶ不安を見抜いていると考えられる。
・コメント欄にて、海未が「本能で突き進む穂乃果のパワーには——私は一生かなわない気がします♡」と記入している。
03 ダンスを踊ろう。
・「穂乃果なんかがセンターなくらいの方が、きっとまわりのみんながもっとよく見えるかもしれないしね♡」(P42より引用)や、繰り返し自分を「普通の子」(複数箇所)と言い、挙句「いちばんみんなの役に立ててない」(P44より引用)と言うなど、アニメ穂乃果とは異なるSID穂乃果の性格がよく現れている。ただ、卑屈になっているわけではなく、自分に魅力がない(他のメンバーからすればそうではないのだが)ことを受け入れており、自分の魅力のなさについて悩んでいないところは注意すべき点。
04 部室が欲しい!
・穂乃果との相合傘で、ライブ衣装よりも穂乃果が濡れていないかを心配する海未。(P48)
・海未は穂乃果に、相合傘を持ってくるような用意周到さは期待しておらず、大荷物を一人で持てる力を期待していると言う。(海未もかなりの力持ちだとは思うが……)(P50)
→海未は、穂乃果ができないことは自分がやり、海未ができないことは穂乃果にやってもらうという関係を思い描いていることがわかる。この支え合いが、正反対のふたりが今まで仲良くしてこれたひとつの要因と言える。
05 初イベントは大変!?
・穂乃果と海未が、穂乃果の家でおまんじゅうを食べていた様子を確認。(P57)
06 アイドル撮影会!
・特になし。
07 ユッキーと私の未来。
・穂乃果は和菓子屋を継ぐことについて、嫌だとは思ってはいないのだが、真剣に考えてはおらず、スクールアイドルのことで頭がいっぱいになっていることがわかる。(P85-86)
海未
海未のスクールアイドルを志した考えや、生い立ち、穂乃果との関係や穂乃果への思いを綴ったもの。
音ノ木坂という土地への愛情や、穂乃果との運命に基づいた、丁寧で強い感情を持っていることが、詳細に記載されている。
また、07「幼なじみの2人。」は、SIDコラボストーリーとしてスクフェスに実装されている。実装の際に文章の多くが削られてしまったが、声がついている点で視聴の価値は大いにある。スクフェスでは、イベント開催当時に開放しない限り、イベントストーリーの閲覧ができない仕様になっているが、現在では、イベントで入手可能なスクフェス内のアイテム「イベントストーリー開放キー」によって、過去のイベントストーリーを開放することができるため、未開放の方は、今からでもスクフェスのプレイを推奨する。
01 園田家の1日。
・母が園田道場に生まれた一人娘であり、現在の日舞・園田流の家元。父は武道家であり、入り婿である。(P10)当然、海未は日舞の跡取りとして期待されているが、父からも跡取りとして期待されており、現時点ではどちらかとも決まっていない。(P11)
・海未の母と穂乃果の母(きぃちゃん)は幼なじみであり、ふたりが同時期に妊娠したことからも、穂乃果と海未は「おなかの中にいた時からの幼なじみ」(海未母談)(P12より引用)である。海未の母はこの昔話を気に入っているが、海未は、穂乃果と自分は母親たちとは違うと思っているため、うんざりしているものの、堂々とは否定できずに悔しく思っている。(P12)
・海未は普段は家の夜の稽古で忙しいため、μ’sのメンバーとご飯を食べにいくことができない。(P14)
・海未と穂乃果は家がいちばん近く、ほかのメンバーもみな徒歩通学のため、解散したあと最後に残るのは穂乃果と海未。(P14-15)
・海未は変化が怖いわけではないが、音ノ木坂の街やそこに住む人の笑顔が大好きなので、それが奪われそうになっている今、大きな流れに立ち向かうべきだと本能的に、心の底から思っている。その気持ちに気付かせてくれたのが、穂乃果である。(P17)
・(街が変わっていく流れが好きではないという海未の言葉に対して)「海未ちゃんは、そう言ってくれる気がしてたんだ」(穂乃果談、P18より引用)
→穂乃果と海未にとって、この街を守るという想いは、ふたりの間の約束のように強固なものである。
海未にとっては、「自分たちの居場所を守りたい」「その気持ちに気付かせてくれた、穂乃果のことをずっと隣で支えたい」というのが、スクールアイドルとしての駆動力になっている。
・「3世代目を穂乃果と一緒に産んでまた幼なじみにしよう!」(海未母談、P18より引用)
→わかっているとは思うが、これは穂乃果と海未との間に子供をもうけようというわけではない。念のため。
・穂乃果による「生まれる前から、お互いのお母さんのおなかの中にいるときからの、スーパー幼なじみの海未ちゃん」(原文ママ)というコメントより、スーパー幼なじみの定義がなされる。
・「穂乃果がこの街を大好きだって思う気持ちを——きっと一番よくわかってくれる人です」
→穂乃果と海未は、スーパー幼なじみという運命じみた関係を持ち、それがふたりの間の「音ノ木坂への愛着」への相互理解に繋がっていると、「穂乃果が思っている」重要なコメント。海未から穂乃果への気持ちばかりがクローズアップされがちではあるが、穂乃果にとって海未は、スクールアイドルの駆動力である「音ノ木坂への愛情」をいちばん共有できる存在である。
02 試験の季節。
・特になし。
03 私の運命。
・「卒業式は絶対泣かない!!」と決めた泣き虫な穂乃果が、本当に泣かずに卒業式を終えたものの、夜になって家で一人、泣き叫ぶ様子を穂乃果の部屋の窓の下で聞く海未。(P33-34)それを通して、「きっと穂乃果とずっと一生友だちでいる。他の誰かが穂乃果を見捨てても、私が最後まで穂乃果のそばにいよう」(P34-35より引用)と海未は決心する。
・「誰も味方になってくれなくても、私だけは——この強そうで弱くて弱そうで強い、不思議な力を持っている友人の、ずっと一生、味方になろうって」(P35より引用)
→これらの発言には、「穂乃果はぜったいに他人のことを思いやって行動するはずだ」と言う、穂乃果のやさしさを絶対的に信頼する海未の気持ちが込められている。海未にとっては、穂乃果が卒業式で泣かないことも、音ノ木坂学院の廃校を守ろうとすることも、他のみんなのことを想うやさしい気持ちによるものだと判断しており、やさしい穂乃果を支えてあげたいという気持ちが、海未の心を大きく占めていることがわかる。
・海未は、穂乃果の「有無をいわせない笑顔」(P35より引用)につかまった時から、アイドルになることが運命だったように感じている。(P35)
・「私は穂乃果のために、アイドル活動をがんばるのでしょう」「私は、あくまでも友情の印として、この活動をがんばるのであって」(P35より引用)
→海未SIDが書かれた時系列は、μ’sが結成してすぐのことだとされている。時系列としては後となるほのうみSID4章や、アニメ2期9話において海未自身も、自分の気持ちでスクールアイドルをやっていると吐露したが、少なくとも初めのうちは、穂乃果のために(音ノ木坂のために)スクールアイドルを始めたのがわかる。
・穂乃果に誘われたといえば、無条件でスクールアイドルをさせてくれる海未の両親(P40)
04 私の運命。続
・特になし。
05 μ’sサマータイム♪
・穂乃果のいないμ’sとして「レモンスライスの入っていないコーラ」「芥子のついていないところてん」「あずきののっていないお抹茶のかき氷」のように物足りないとしている。(P54)
・海の「どこか見ただけで人を笑顔にさせる力」が、穂乃果の笑顔に似ていると思う。(P56)
・希のコメントより「あの天然の子(穂乃果)に0歳から太刀打ちできたのはきっと海未ちゃんしかおれへんよ」(P61)
06 適材適所ということは。
・弓道部のかつての後輩に泣き疲れても、考えるのはμ’sの練習のこと。(P65)
・スクールアイドルのお店で見かけた女の子ふたりの、スクールアイドルのグッズを見つめる表情が、「幸せなドキドキと興奮の輝き」「(自分ではコントロールすることができない)心の中のすべてを占めてしまう、純粋な憧れ」に溢れているのを見つけた海未は、自分にもその覚えがあることを認める。
「ひどくまぶしくてひどく大切で、キラキラ輝く自分には絶対になれない憧れの存在がいて——たとえその対象が同性でも。そんなことは関係なしに、ただ純粋な気持ちで相手のことを思ってしまう。」
「ただ、それが自分の場合はごく身近に存在していて、たまにその気持ちが私をひどく混乱した状況に陥し入れて——」(P75-76より引用)
「そう思って少し、鼓動の激しくなってきた胸を押さえたとき」
→言うまでもないが、その想いの対象は穂乃果である。わざわざ「同性でも」と断るあたり、少なからずそのことを意識しているようである。この気持ちは明確にはかかれていないが、穂乃果のSIDの2章で触れたように、穂乃果のスクールアイドルを想う気持ち(初恋の気持ち)と似ている。これらの表現から、決して海未が穂乃果を「恋愛的に好き」だとは言い切れないが、「その気持ちが私をひどく混乱した状況に陥し入れ」「鼓動が激しく」なるほどまでに抱え込んでいることを真面目に受け取ると、海未は穂乃果に対して、アイドルに向けるような憧れには収まらない、友情を超えた「何か」を抱えているとするのが妥当である。
07 幼なじみの2人。
・海未は小さい頃は、穂乃果の家の子になって、おまんじゅうを食べて暮らせたらいいと何度か思っていた。(P82)
・穂乃果の父が、穂乃果がスクールアイドルに、まるで恋愛みたいに夢中になる姿を見て、寂しく思ってしまうのが、海未には分かる。(P85)
・小学生のころも、よく海未の家に家出をしてきていた。
・小学三年生の時に神田明神まで家出をした時、「自分で逃げようとしたときにはちっとも動けなかったのに、穂乃果のためならこんなに走れる」(P90より引用)。
→自分よりも穂乃果のことを優先してしまいがちな、海未の一面が見える。
・「気づけばあなた(穂乃果)とは、もう家族のようになってしまっていて——」(P92より引用)
・「穂乃果やことりのようなかけがえのない友人がいるのは、やっぱりこの土地のおかげだと思うんです」(P92より引用)
→海未にとっては、友人への大切な気持ちが、そのまま音ノ木坂へも流れている。先述したとおり、海未は穂乃果に特別な感情を抱いているが、そんな穂乃果との出会いを生んでくれた音ノ木坂にも、海未は穂乃果と同様の運命を感じており、それがふたりの関係を、より強固なものにしている。
・穂乃果がスクールアイドルをやめたくなっても、海未はそれを辞めさせないつもりでいる。
→よく誤解されるが、アニメ第1期第12-13話のあなたは最低です!ビンタは、この気持ちによるものではない。海未がビンタをした理由は、「穂乃果が自分の本当の気持ち(他人に迷惑をかけてでも自分のやりたいことをしたい)に嘘をついたから」であって、「途中でやると決めたことを投げ出そうとしたから」というわけではない(もちろんそれもあるだろうが、主ではない)。
・海未母「もううちの子になっちゃったら?(本文に誤字有り)」穂乃果「なっちゃうなっちゃう〜!」という定番の返しがある。(P94)
・大人になっても、おばさんになっても、お婆ちゃんになっても、ずっと二人はこの場所にいると海未は思う。(P95)
・花陽のコメントで、「いざっていうときには、なんだか何も言わなくても——お互いの目を見るだけで通じ合っちゃっているみたい」と評価されている。
ほのうみ〜秋の学園祭♪〜
この記事を読んでいる暇があるなら、購読することを強く推奨する。ほのうみの聖典として扱われている絶対的な存在であり、柴崎しょうじによるコミカライズも出版されている。また、01「前夜祭を祝おう。」はスクフェスにコラボイベントとして実装されている。「いけっ、そこだっ!やっちゃえ、絵里ちゃん、押し倒せ〜♡♡♡」の穂乃果のセリフをことりが喋っているなど、ささやか且つ意味不明な改稿がなされているが、声がついているという点で一見の価値はある。
01 前夜祭を祝おう。
・前夜祭の寸劇は、次の生徒会に引き継ぎたいと絵里たちは思っているらしい。(P23)
→穂乃果と海未はのちに生徒会の会長と副会長となり、ふたりがロミオとジュリエットをする可能性は非常に高い。また、この時から、穂乃果は海未といっしょなら生徒会もできそうだと発言している。
・穂乃果曰く、穂乃果はロミオで、海未はジュリエットらしい。(P24)
・穂乃果は二人きりの天井裏で、海未とロミオとジュリエットの予行練習をする。その際に、穂乃果は海未に対してキスを迫っており、海未は「死ぬほどドキドキしている心臓の鼓動で頭がいっぱいに」なる。(P24-26)
・(舞台に立つのぞえりを見つめて、)穂乃果「いつか、私たちもあんな風になれたらいいね♡」(P29より引用)
→海未にロミオとジュリエットの予行練習だと言ってキスを迫る、海未と生徒会をやりたがる、希と絵里のようになりたがるなど、冗談にしろ本気にしろ、穂乃果の海未への積極的なアプローチが見れる。来年も前夜祭、および寸劇を行うとして、「穂乃果がロミオとジュリエットをやりたがっている」点、「穂乃果が一度やると決めたことは、必ずやり遂げる」というこれまでの物語からも、海未と穂乃果が、希と絵里のようにロミオとジュリエットの舞台に立つ可能性は高いと考えられる。
※また、04のコメントでは、ことりと絵里が海未にロミオをやらせたがっていることがわかる。ただ、穂乃果もロミオをしたがっているため、そのあたりは個々の解釈による部分である。
02 お祭り代々。
・学園祭に来た女子小学生の2人に、穂乃果は幼少期の自分と海未の姿を重ねる。(P43-44)
・ライブ前に姿を見せなくなった穂乃果の居場所を、海未は「縁日ブースにいる」とぴったり言い当てている。(P48,50)
03 学園祭の花🌸
・「趣味も好みも、見た目からして——違っているふたり」
・「正直に言って、幼いころからの腐れ縁でもなければ、今のような関係にはなっていなかったかもしれませんね」(P55より引用)
→あくまで海未は、穂乃果と自分はまったく似ていないことを強調しつつ、幼なじみの腐れ縁こそが、ふたりを結びつけているものだと考えている。
・海未は、「穂乃果のお化け屋敷に行きたい!」という主張に結果的に折れてしまう。(P55-56)
・怨念のこもった人形などが苦手な海未を、穂乃果が無理やり連れ込むかたちで入ったお化け屋敷だったが、中に入った途端に穂乃果の態度が急変し、海未の後ろに隠れてしまう。穂乃果は海未といっしょならなんとか進めるとはいうものの、途中で恐怖心でいっぱいになり、一目散に駆け出してしまうことからも、穂乃果は怖いものが極端に苦手だということは明らかである。
→海未SID07でも、穂乃果が海未を置いて逃げ出したことがある。その時も、お化け(のようなもの)が現れるまでは、海未を守ると宣言して強気だったことや、学園祭ではロミオをやりたがっていることを考えても、穂乃果は基本的には海未よりも優位に立ちたい、守ってあげたいと考えていることがわかる。
04 穂乃果と海未ちゃん。
・穂乃果の海未に対する評価として、「いつも自分の考えがあって、先のこととかもよく考えていてて。間違ったことはしないし、忍耐強いし、穂乃果みたいなアホの子が言うことにもちゃーんと耳を傾けてくれるっていうか。」「(海未ちゃんのいいところは、)よく聞いてくれたそのうえで、きちんと「それはあり得ません!」とか言ってくれるところ」だとしている。(P78-79より引用)
→穂乃果はよく「考えなし」だと言われるが、その点を彼女自身も理解しており、その不足を補うという意味でも、穂乃果は海未を頼りにしていることがわかる。
・穂乃果は、海未に助けてもらってばかりだとしたうえで、自分は海未に何も手助けできていないことを寂しく思っている。(P81)
・海未は穂むらのキャンペーンのスケジュールまで把握している。(P81)
・ことりとはしょっちゅうは遊べなかったが、海未とはほとんど毎日のように遊んでいた。(P82)
・よく転んで、海未に膝小僧を洗ってもらっていた。(P86)
→小さい頃から穂乃果は海未に助けてもらってばかりだということを自覚する。
・初めは穂乃果はチョコ味のパピコが好きだったが、海未がブドウ味が好きだと言ってから、ブドウ味ばかり買うようになったと海未は記憶しているが、穂乃果は覚えていない。(P86)
→海未にばかり助けてもらってばかりだという穂乃果に対して、海未はそういう穂乃果のやさしさを大切にしている。
・海未の瞳は嘘がなく、きれいで、穂乃果は小さい頃からずっと好きだった。
「この人だったら絶対穂乃果のこと裏切らないって、なんでか——わかっちゃう瞳」(P89)
→海未の誓いとして、絶対に穂乃果の味方であり続ける(穂乃果を裏切らない)というのがある。また、海未SID07の花陽のコメントでもあるように、「目だけでお互いの考えていることが伝わりそう」というものがあるが、実際にそれが意識されていることがわかる。
・「いつもこうして、結局は穂乃果の望みを叶えてくれる海未ちゃん。ずっとずっと、——そんな優しさと一緒に。ずっとずっとこの街で——。私たち、がんばっていこうね。」(P92より引用)
ことり
本項はほのうみのページであるが、穂乃果と海未の関係を語るには、ことりとの関係性を触れないわけにはいかない。以降、主にほのうみについて記載していくが、ことりが穂乃果と海未を如何に大切に思っているかが描写された傑作なので、購読を推奨する。
01 LITTLE BIRD
・穂乃果のパワーを前にして、海未は一度も勝てたことがないらしい。(P10)
02 始まりは3人組。その1
・ことりが音ノ木坂にやってきたのは、小学校に入る少し前である。(P22)
→アニメでは、穂乃果とことりの方が先に出会っていたが、SIDでは、穂乃果と海未が、引っ越ししてきたことりと出会う形になっている。
・「この2人(穂乃果と海未のこと)ってすごくはっきりした個性があって、性格も考え方も違うし、趣味も感じ方もやっぱりけっこう違ってる」
・「この2人が幼なじみじゃなかったら、この子どもの少ない狭い街で生まれ育っていなかったら——今頃はいっしょにいなかったかもしれない気さえするくらいなのに」(P24より引用)
→ことりから見たほのうみの関係は、穂乃果と海未が自覚しているように、「音ノ木坂という街」「生まれる前からの幼なじみ」という生来の関係性がないと成り立たないものであると考えている。また、この不思議な関係が、ことりもすんなりと穂乃果と海未の仲間に入ることができた要因だと考えている。幼なじみの3人は、音ノ木坂という土地がもつ魅力が、3人の関係性に直結していることを深く実感している。
03 始まりは3人組。その2
・穂乃果と海未の家は、同じ通りで数十メートルくらいしか離れていない。ことりの家は駅を挟んだ反対側にあるらしい。(P29-30)
04 通り雨。
・特になし。
05 ずっといつまでも。
・特になし。
06 はさまれちゃった!
・穂乃果と喧嘩して怒る時の海未は、ケンカするのが嫌で、些細なことに怒ってしまう自分自身に腹を立てている。(P65)
・穂乃果と海未の言い合いは、子どものように低レベルなものになる。詳細はP71参照。
・海未が唯一飲める炭酸飲料であるラムネは、お祭りのときに3人で飲むお楽しみの定番で、穂乃果と海未の仲直りとして一役買っている。また、ことりは、3人で集まる機会を作ったり、メロンパンを買ってきたり、銭湯に誘うことで、穂乃果と海未を積極的に仲直りさせようと働きかける。(P73-74)
・3人の行きつけの銭湯「雲雀湯」にて、ことりに胸を揉まれる穂乃果を見て、顔を真っ赤にする海未。(P77)
・あまり好きではないカラオケにも、空気を読んで来てくれる海未に嬉しくなったことりが海未に抱きつくと、なぜか関係のないはずの穂乃果も海未の首に抱きつく。ことりは穂乃果が「天然」だからだと思っている。(P78)
・ことりが原因で、穂乃果と海未の喧嘩が起こったことは一度もない。(P79)
・にこはコメントで、穂乃果と海未の喧嘩を、「夫婦ゲンカ」だと評価している。
07 μ’s水着コンテスト。
・特になし。
μ’sの夏休み
特になし。
μ’sのクリスマス
・(希のことなら、なんでもわかっているというお母さんのような表情をしている絵里を見て)真姫が「穂乃果ちゃんと一緒にいる海未ちゃんみたい」だと表現。重ねて「ことりちゃんが穂乃果ちゃんのお母さんで、海未ちゃんがお父さん」とも。(P34)
・コメントにて、真姫と海未が「ヤキモチを焼いている絵理に気がつかない希は鈍感だ」と話し合った後に、
真姫「あ。それってもしかして——海未ちゃんもそんな経験があるってこと!? 言われてみれば、いかにも色々気がつかなさそうだもんね、穂乃果ちゃん——。」
海未「い、いや、あの、べ、べつにそういうわけじゃ——!!」(P44より引用)
と真姫に揶揄われる。
→先述の絵理SID同様、穂乃果について揶揄われると、海未は過剰に動揺してしまう。バッサリと否定できないことからも、海未は穂乃果に対する特別な感情を自覚しているように見える。
漫画(鴇田アルミ版)
設定として、穂乃果は海未と同じ剣道部に所属している。高校1年時に、音ノ木坂学院の廃校を受け、穂乃果がまず初めに取り組んだのは、スクールアイドルではなく、「剣道部の大会優勝」だった。このとき、穂乃果が優勝したのはいわゆる新人戦と呼ばれる大会だが、①現実での新人戦は団体戦のみである。②海未の方が穂乃果より強い(のに、海未は出場していないor敗退している)という2点において疑問が残る。ともかく、穂乃果は音ノ木坂学院の知名度向上、及び入学者数の増加を狙い、剣道の新人戦で個人優勝を飾ったが、穂乃果たちが2年生になっても、廃校は撤回されなかった。その後、穂乃果はスクールアイドルに出会い、海未と剣道部を退部し、本格的にスクールアイドルへの道を進んでいくことになる。
スクールアイドルフェスティバルALLSTARS(スクスタ)
世界線としては、「μ’sとAqoursと虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が同年に成立している」という、これまでの媒体とは大きく異なるものになっている。キャラ設定自体には、スクフェスから大きな変更はないが、「あなた」がμ’sやAqoursにも積極的に絡んでいくという点で、スクフェスよりも「あなた」の存在感が非常に大きくなっている。
メインストーリー
第5章 μ’sの秘密を探れ!
第2話「μ’sに密着取材 -2年生-」
時系列的に、穂乃果に無理やり誘われたものの、今では海未自身もスクールアイドルにハマっていることが窺える。「穂乃果が大好きだから、穂乃果が大好きなことをやりたい」ということりの言葉を否定しない。
第9話「技術よりも大切な」
穂乃果と海未がカラオケ店内で手を繋ぐ謎のCGが用意されている。ストーリーにはそこまで関わってこない。
第8章 夢への一歩を抱きしめて
第4話「大好きだから仕方ない」
「あなた」を想う歩夢、千歌を想う梨子と共に、穂乃果を想う海未の気持ちに焦点が当てられている。穂乃果のリーダーの素質についての話になると、わざわざカットイン演出を入れたうえで、やや暴走気味に、穂乃果が如何にリーダーとしてふさわしいか熱弁する。その熱意は、歩夢やことりさえも少し引いてしまうほどである。なお、海未に負けじと、歩夢や梨子も「あなた」や千歌について語り始めるが、最終的には、大好きな人たちのために、自分たちに何ができるかを考えていこうということで締め括られる。
キズナエピソード
μ’sのメンバーが「あなた」に攻略されていく様子を見ることになるので、ほのうみのオタクに限らず、百合カプのオタクは読まないことを推奨する。
サイドエピソード
プレイ開始時に頒布される園田海未SRのサイドエピソード「最高のおまんじゅう」にて、全国物産展に出店することになった穂むらの手伝いをする海未の姿を見ることができる。実演販売にて、とても美味しそうにほむまんを食べる海未の姿で大繁盛となり、すべて完売となる。その後、今日一日手伝ってくれたお礼として、穂乃果が海未に、沖縄のお土産品として見つけてきたほたる玉のネックレスをプレゼントする。
余談
ふたりのイメージカラーであるオレンジ(穂乃果)とブルー(海未)は、補色関係にあり、穂乃果と海未が正反対の性格であることを暗示している。
ちなみに、中の人である新田恵海と三森すずこは声優デビュー作(『TPさくら』)が同じであり、同年齢であることからも、作品外でも仲が良く、お互いの担当するラジオ番組でも、ゲストとして呼び合うことが多々ある。
また、2019年7月19日に放送された「ラブライブ!ANN」によって、三森すずこが、アニメでの海未の声のチューニングとして「穂乃果、穂乃果!」と声の調子を変え、新田恵海も「海未ちゃん、海未ちゃん!」と声を出していたことが明らかになった。