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概要編集

五十嵐正邦による漫画作品。電撃マオウで連載中。既巻15巻。


あらすじ編集

高校生名探偵として華々しく活躍したのも今は昔、齢35にしてすっかり全身にガタが来ておまけに時代の流れにもおいてけぼり気味な探偵 名雲桂一郎とそんな彼の助手にして化け物じみた……というかほぼ化け物な超絶戦闘能力をもつ女子高生 真白の活躍を中心に展開する探偵コメディ。


登場人物編集

CVは ボイスコミック版 より

名雲探偵事務所編集

探偵事務所を営む探偵。高校生の頃は名探偵として数々の事件を解決し世間からも注目の的だったが、35歳(作中一度誕生日を迎えているので36歳の可能性もある)になった現在では若い頃の無茶が影響して(本人談)全身にガタがきている。

また世間の流行などにも疎く探偵としての活動にもそういった面から支障が出ることが多々ある。一方で推理力は健在で、なおかつ事件慣れしていることなどもあり、それらのみを発揮できる(数少ない)局面においては現在でも十分優秀な探偵である。


なお彼の「今は衰えてる」ネタは本作の根幹ともいえる定番ネタだが、その衰え方は30代どころか、リアルに考えると死にかけの老人といったほうが良く、


 ・老眼、蓄膿、乾燥肌、等々で、五感ひととおりに深刻な機能低下を抱えている

 ・短期記憶、長期記憶ともにガタが来ており、つい先ほどの話を忘れたり、昔の記憶があいまいだったりする。

 ・急な運動をすれば筋をヤってしまう

 ・特に何もしなくても腰が破滅することがある

 ・内臓が弱りすぎており、特に油物は一切受け付けない


等々、ギャグマンガでなければ今夜が峠といった風情すら漂っている。

探偵としてポンコツ化しているのもこれら身体ハンデによる部分が大きく、アズハの薬で一時的に不調が解消された時は、往時の凄腕名探偵としての活躍を(一瞬だけ)みせつけた。

名雲の助手の女子高生。人間離れした超戦闘能力と四次元ポケットじみた収納術を活用し数々の犯罪者を粉砕する(文字通り)。

変顔、というより完全に別人レベルの顔面変形が持ちネタであり、(一応)美少女の設定にもかかわらず、まともな顔をしているコマは登場シーンの恐らく半分程度。

特に、状況に合わせた(っぽい雰囲気の)有名人の名言を引用するとともに、その有名人そっくり(リアル寄り)の顔になるネタは頻出。


また結構好戦的なところがあり、戦闘時や強者と相まみえた時などには嬉々とした反応を見せることも多い。

実は幼少期に(腕利きの名探偵だったころの)名雲に助けられたことがあり、その関係から探偵を志して名雲の元にやってきたらしい事が示唆されているが、本人はそのことを名雲に黙っている。

「中西」は母の再婚相手の苗字であり、本来の苗字は「朝倉」であるが、そちらの苗字を使うと名雲に素性がバレると考えて「中西」姓を使っているらしい。

探偵事務所のブサイクな飼い猫。とある事件の最中真白によって捕獲され、そのまま事務所で飼われることとなった。名雲が好きだが真白は嫌い。

元・下っ端ヤクザ。所属していた組が受けた依頼を勘違いしてカチコミをかけてきた真白によって壊滅させられたのが縁で真白の舎弟のような立ち位置になった。

良くも悪くも一般人レベルの小物であり、本作のメインディッシュとして人外のトラブルを起こしまくる真白に対し、こちらは付け合わせのセコいトラブルを引き起こす役回り。

一応は成人であり真白より年上だが、初対面時に完全に屈服したためか真白のことを「あねさん」と呼び、進んで舎弟ポジを受け入れている。

名雲の知り合いのマッドサイエンティスト

正確には探偵事務所のメンバーではないが、事務所のすぐ下の階に住んでいることもあり、脈絡もなく出入りしたり、捜査に同行することも多い。

大学生だがほとんど大学には行かず、自身の部屋で日々様々な発明を行っている。色々でかい

真白のことを「新鮮JK」と呼ぶ、食肉のことを「死肉」と称する、好みの男性のタイプは「脳だけの人」など、言動が極めてエキセントリック

彼女の発明品は効果もすごいが副作用もとんでもないものが多く、それでも効果や性能は確かなので名雲たちも時々協力してもらっている。

家族構成については巻末のおまけマンガなどでネタにされる程度だったが、後に物語の核心に深くかかわっていることが判明した。(詳細は後述の「星野家」を参照)


アスナロ探偵事務所編集

  • 翌檜ユウ(あすなろ-)

現在もっとも注目されている高校生名探偵。かつての名雲の活躍に惹かれて探偵を志し、今現在でも彼に強い尊敬を抱いている。

常にレトロ書生スタイルでキメている、一人称に「某(それがし)」をつかうなど気取ったキャラだが、落ちぶれた名雲に失望すること無く、むしろ常に「尊敬する先輩」として立てる事を怠らないなど、根っこは善人でお人よし。

ただ、そのために名雲につきまとう自称助手(真白)との関係性は最悪で、顔を合わせるたびに大なり小なりケンカする仲。

常に余裕たっぷりの態度を崩さない自信家でもあるが、その立ち居振る舞いに反して豆腐メンタルの一面があり、自身に対する毒舌に傷ついて静かに涙したりすることも。


名雲に対しては「恩返し」と称して仕事をもってきたりする関係で、共同で事件捜査にあたることも多い。推理力だけでなく探偵として活動する為フィジカルも鍛えており、場合によっては真白と正面から勝負できる程の身体能力も発揮する。


アスナロの助手。この漫画では数少ない常識人。周りからの通称は、苗字の一部をとった「マキ(ちゃん/さん)」。

お金にシビア(というよりややがめつい)一面はあるが、作中のキャラたちからも「良識がある大人の女性」として認識されているらしく、悩み相談などを持ち込まれることもある。

見た目はアスナロと同等の若々しさだが、実際にはお酒を飲める年齢。まだ20代ではあるらしいが、職業経歴の豊富さ(バーテン、カジノディーラー、銀行員)や、結婚を多少焦ってるらしき描写を考えると20代半ばを過ぎている可能性もある。また、普段の服装としてポンチョを愛用しているが、それには理由がある。

マスターであるアスナロのことは基本ぞんざいに扱いつつもかなり慕っており、それをアスナロの方もよく理解しているなど関係性はとても良好。

十歳前後ほど年の離れた姉がおり、姉やその息子(甥っ子)からは名前で「ハナ」「ハナちゃん」と呼ばれている。姉曰く「風巻家は商人で成り上がった家系」とのことで、お金にシビアな理由はここからきているらしい。また、姉はスタイル抜群の美女であり、姉妹で明暗が分かれている。




警察関係者編集

  • 美馬坂総也(みまさかそうや)

所轄署の警部。名雲と同年代の元高校生名探偵で現在でも交流がある。

高校生探偵モノにおける「キザなライバル」といったポジだが、当時から関係性は良好で、現在でも悪友といって良い仲。

いまだに「探偵」という不安定な職業で苦労し続けてる名雲とは裏腹に、公務員というかたい職業かつスピード出世(名雲と同年代=三十代半ばで警部は相当なエリート)しており、きちんと家庭も持っているなど順調な人生を送っているが、身体能力などは名雲と仲良く「オジサン」化しており、名雲ほどひどくはないが苦労している。

娘が反抗期気味、かつ交友関係にだいぶ問題があるのが悩み。

  • 美馬坂風(みまさかふう)

総也の娘。小学生。父に仕事の話を聞かされていく中で怪盗に憧れるようになり、『怪盗ビーバー』と自称してちょくちょく名雲探偵事務所に顔を出してはイタズラ程度の盗みを行ったりしている。

反抗期気味で大人に生意気な態度を取りがちだが、根は素直ないい子であり、あまりに濃い人物や事件に遭遇してしまった場合などは恐怖や混乱のあまり泣き出してしまう場面も多い。

乳首試食おじさん(後述)に懐いてしまい、名雲と美馬坂の悩みのタネとなっている。

  • モブ警官たち

全員がスキンヘッドのいかつい連中。

通常、探偵ものといえば警察は引き立て役ゆえにやや無能になりがちだが、

本作はギャグマンガであるため「常識で考えたら警察を呼ぶべきシチュエーション」では普通に通報を受けて速やかに現れ、犯人を袋叩きにして連行する。



ヤベェおじさん四天王編集

名雲探偵事務所のご近所で話題の、四人のヤベェおじさん。

自身の乳首に厳選した様々な食品を塗り試食してもらうことを生業としているおじさん。

見た目はブーメランパンツ一丁にメガネとネクタイだけ身に着けたダンディな髭のマッチョ、というまごうかたなき変態。

通称「試食さん」。

必殺技は乳首に毒物を塗り付け試食させる「死食」だが、皮膚吸収で自分にも効いてしまう自爆技。


隙あらば乳首を差し出して「試食」を勧めてくるマッチョ、と見た目も行動もヤバすぎる人物だが、性格そのものは非常に紳士的・理知的でなおかつ純粋な力比べなら真白ともほぼ互角に戦えるほど戦闘力も高く、なんだかんだで周りからはかなり信頼されている。

特に女性キャラからは、初見こそ奇行にドン引きされるが、慣れてしまうと人格面を評価されて頼られることも多く、何気に本作でいちばんモテているキャラ。

  • 十字(クロス)胸毛おじさん

試食おじさんの父。その名の通り胸毛が十字状になっているおじさん。額につけたライトが必殺技。

  • ロープ大好きおじさん

試食おじさんの兄。その名の通り全身にロープを絡めたおじさん。身体に入ったタトゥーには色々設定がある…らしい。

  • 厚着挙動不審おじさん

名雲のこと。上記3人のおじさんとは時に共闘している。


星野家編集

  • 星野カグヤ

アズハの母。11巻の回想編で初登場し、その後に本人も登場した。

古くからの知人である名雲いわく「アズハをタールで煮しめたような」人物で、アズハの珍発明の才は母譲りらしい。

娘が「人並みの常識が欠落してるタイプ」であるのに対し、こちらは「人並みの常識を理解した上で完全無視するタイプ」であり、よりタチが悪い。

現在は夫とは離婚しているとのことで、「星野」は彼女の旧姓。


名雲とは約18年前(アズハが生まれた後くらい)に知り合ったが、現在に至るまで外見が「女子高生~せいぜい女子大生」くらいの雰囲気でほぼ変わっていない、年齢不詳の美人。

(名雲の述懐から18年前の時点で既に20歳以上ではある模様)

当時は高校生だった名雲を「ハタ迷惑な助手志望兼、ちょっと気になる年上のお姉さん」として振り回し、その関係性は現在においても変わっていない。

物語の核心「ハーメルン事件」に深くかかわっている様子をみせるなど、謎の多い人物。

  • アズハの父

三巻のおまけマンガで「アズハが作った豊胸薬を使い、副作用で肌がかぶれた」という、

とんでもない情報だけぶち込まれたまま、長い事言及がなかった謎の人物。

妻であるカグヤの言によれば、現在は既に離婚している。


過去回想編にてついに詳細なプロフィールと衝撃の事実が明かされたものの、

直後に「実はその話をした時の名雲は、途中からバグっていた」というオチがついたため、

結局、現在どうなっているのかは不明のままとなっている。

アズハのグルグル目と髪色は父譲り。

  • アズハの祖父

三巻のおまけマンガいわく、アズハの巨乳は「祖父」からの遺伝だとのこと。


怪盗達編集

どこかで見たような、そうでもないようなドロボウ達。

  • リバーフェイク

一切の証拠を残さないと言われる伝説の怪盗。

シルクハットにマントに夜会服、という絵にかいたような怪盗スタイルだが、実物はメタボの小汚い中年男性。

風の憧れの人だったが、実物をみて幻滅されてしまった。

手記を出版したり、インタビュー記事が出たりと、意外と良くメディア露出している。

  • 有瀬怪盗団
    • 有瀬 :「令和のアルセーヌルパン」を自称するキザ青年。黙っていればイケメンの類。怪盗ものあるあるの、芝居がかった様式美的な行動(潜入先を見下ろしながら気障なセリフを吐く等)をおこなっては、周りの人間に「何言ってんだ」的な冷めた反応をされるのがお約束。
    • 石川 :「ござる」口調で着物姿の青年。刀の代わりにテルソリウム(古代ローマの尻拭き棒)を用いるため、他キャラからの通称は「スカトロ侍」。
    • Z : 殺し屋風の黒スーツの外人。日本語は「喋れるが理解してない」ため、TPOと完全に無関係な意味不明発言しかしない。覚えた言葉が妙に下ネタ系に偏るため「底辺男子校に拾われた九官鳥みたい」と評されている。

  • ヴィユ・ド・シャ
    • スイ: リーダー。怪盗としての能力は低くないが、やたらに惚れっぽい一面がありドジを踏んだりする。リンリーによると女子大卒。
    • リンリー: 中国人で、語尾が若干カタコト。登場当初こそおバカキャラの一面があったが、それ以降は周りの奇人変人にツッコミをいれる常識人枠。また真白と正面から力勝負ができるパワーキャラでもあり、対決した際はまるでバトル漫画のようなワンカットを披露した。三名の中ではもっとも出番に恵まれており、ほぼ主役を務めた回もあるほど。
    • リサ: 主に逃亡時のドライバー役。そのため登場シーンが少なく、他の二人にくらべかなり影が薄い。

ハーメルン関係者編集

本作の最大の謎である「過去のとある事件」の主犯「ハーメルン」と、その関係者

  • ハーメルン

名雲と因縁の深い犯罪者。かつて名雲によって捕えられ20年ほど収監されていたが、ハーメルン自身が結成した組織『コーシュ』によって解放された。長期間厳重な警備で外部との接触もほぼなかった為現代事情については名雲とどっこいどっこいの疎さだが身体能力などは衰えていない。

  • ネガパンダ

白黒部分が反転した、少し不気味なパンダのアバターを使う謎の人物。モニタ越しに現れ、捕らえた犠牲者にデスゲーム的なものを強要する。

内容はガチの場合もあるのだが、ギャグマンガなのでいつも想定の斜め上を行くトラブルが起き、うまくいかない。

  • ブラック

『コーシュ』の、数少ない初期メンバーの生き残りにして第三支部長。と肩書だけは凄いが、実体はただのポンコツ中年。陰謀を企みはするが準備段階で失敗し、実行に移せない。

  • アイリス

ブラックの秘書的な立ち位置にいる『コーシュ』のメンバー。

ただし絶望的なまでにやる気がなく仕事がいい加減で、ブラックの活動がうまくいかない理由の何割かは彼女のサボタージュが原因。

そもそも『コーシュ』に入った理由も「就活に失敗したから」らしく、組織への忠誠心も皆無、というとんでもない人材。


その他編集

  • コーチ

真白に戦闘技術を教えたコーチ。スキンヘッドにサングラスのマッチョの黒人。

真白がピンチの時などに彼の教えを思い出すが、大抵どうでもいい内容。

同作者の別作品「川柳少女」にもよく似た人物が登場している。

真白が、捜査で「普段とは別の制服」が必要になった時に服を借りに行った他校の友達。

本編中では借りた服しか出てこないが、単行本のおまけ挿絵で本人も後姿で登場。






関連タグ編集

探偵

川柳少女:同作者の別作品。登場人物など世界観が同じことを示唆するような描写が散見される

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