解説
昭和末期から平成初期にかけて、ファミコンやスーファミ、ゲームボーイ、メガCDなどで発売されたテクモ版「キャプテン翼」シリーズ。
その中で最も有名な迷セリフにして迷シーンのひとつがこの、「もりさきくんふっとばされた!」である。
ゲーム画面上での正確な表記は、
もりさきくん
ふっとばされた!
となる(作品によっては「ふっとんだ〜!!」となっていることもある)。
「もりさきくん」こと「森崎有三」は、若林源三や若島津健などと同じくゴールキーパーをポジションとするキャラクター。
しかし、若林や若島津とは異なり、特段高い能力を持つわけではない(代表入りできない他のGKと比べると、もう追加点をやれない場面で粘り強さを見せることもあるが、そもそも失点しているのが前提であり……)。
ゲーム作品でもそれは変わらず、基本的には作中に登場するゴールキーパーの中でも最弱クラスの能力となっている。
テクモ版キャプテン翼ではタイガーショットやごういんなドリブル、数多くの必殺タックルなど、ぶっ飛ばし系必殺技が存在し、それらを食らうとふっ飛ばされ、ガッツを削られてしまう。
森崎以外にもふっとばされる選手はいくらでもいるのだが、そこは流石の原作キャラ。
当たり前のように、ふっとばされる選手の象徴になってしまった。
事実として、Ⅱの東邦戦では何度も目にする光景である。前述の通り、ステータスの低い森崎はなすすべもなく日向のシュートで宙を舞うことになる。
だがプレイヤーはそれまでに、ボールに触れることすらままならずゴールを許す森崎くんを散々見てきたため、一部からは「触っただけ偉い」との声も……
実際、ふっとばされつつもこぼれ球にして防ぐケースも稀に見られる。希望を捨ててはいけない。
Ⅲ以降は(若林や若島津の合流後でもあえて森崎を続投させない限り)、森崎でぶっ飛ばし系ストライカーに立ち向かわなければならない場面は残念ながら(?)激減する。
だがⅣのスーパージャパンカップでは翼との対戦時(プレイヤーが操作するのは翼側)、翼の必殺シュートにふっ飛ばされながらもこぼれ球にして、ゴールを守るイベントが用意されている。
森崎「オレがキーパーとして やってこれたのもつばさのおかげだ。このシュート とめてみせる!」
チャーリー(実況)「もりさきくん!ジャ~~ンプ!! ああっ!ふっとばされた~~!! からだを はって!ゴールを まもった!!」
シュートの種類は不問なので、ネオサイクロンだろうと止めてしまう。……だが、その代わりただのシュートでもふっとばされてしまう。
ちなみに別ルートでは、ディアスとパスカルを擁するアルヘンチノスと日本代表が親善試合を行うのだが、この時は若林も若島津もまだ合流しておらず、森崎でディアスのシュートを防がなければならない。
しかも、ディアスが翼の必殺シュートであるサイクロンを模倣して繰り出してくるため、当然森崎は宙を舞うことになる。合掌。
こういった経緯から、「もりさきくん=いつもふっとばされてるひと」というイメージが定着してしまい、
pixivでも、この「もりさきくんふっとばされた!」シーンのネタ絵が多数投稿されている。