概要
彼岸花の如く葉や根は存在せず、紅く発光する白い華を咲かせる謎の植物。欧米諸国では「死を呼ぶ花」とも呼ばれ、『マンドラゴラ』に例えられるかの様に動物や、人間の死体の顔面から死の直後に成長して一輪のみ生える為に忌み嫌われるが、発芽速度の度合いは人によって異なる。生態自体も未解明な部分が多いが、閉鎖的空間に囲まれ『アルジャーノン』に侵された知的生命体のみを苗床とする。即ち、咲いている数だけ、その土地に生物の遺体が埋まっている。
この花には、苗床となった生物のL型アミノ酸をD型アミノ酸へと鏡像反転させ、大量の酵素を放出し実を結ぶ性質を持つ。それこそが『ネブラ』や『トゥルバ』をはじめとする『ソムニウム』一族が接種する『アニムスの実』である。この特性を解明した『世界十大頭脳』のひとり『梅崎』は『インド・アジャンター石窟』で発見したこの植物を人類の食料危機を脱する手段として考えていた。