ピクシブ百科事典

アマラとカマラ

あまらとかまら

アマラ(1919?~1921年)とカマラ(1912?~1929年)とは、インドのミドナプールで発見・保護された野生児の姉妹のこと。
目次[非表示]

概要

当時は神秘の秘境とされたインドのミドナプールで発見された双子姉妹がカマラでがアマラ。
に拾われて育ち、伝導旅行に来ていたキリスト教伝導師ジョセフ・シングによって保護される。
その後はシング牧師が運営する孤児院に入れられて育ち、その後の成長と一生を記した『狼に育てられた子 アマラとカマラの養育日記』によって世間に知られるようになる。

野生児を世に知らしめた存在であり、『オオカミ少女』、『狼っ子』、『ウルフ・チャイルド』などの語源になった。

生涯

ある日、インドにキリスト教を伝えに来たシングは、同行者である狩人と共にゴタムリ村に泊まった。
その時なぜか逃げ出す準備していた村人を見つけたシングは『人間の手足を持つが、おぞましい頭を持つ化け物』の噂を聞く。
その化け物に興味を惹かれたシングは、狩人と共に化け物退治に行こうとする一部の村人についていった。

その結果遭遇したのが、後にアマラとカマラと名付けられる二人の少女である。
化け物呼ばわりされたのは、髪の毛が肩や胸の上部を隠すほど伸びていて人の顔が認識できなかったことが原因である。

姉妹は群れのリーダーである母親狼と二頭の大人狼。二頭の幼い狼と共に暮らしていて、ヒンドゥー教神殿を思わせる大きなシロアリ塚を住処にしていた。

村人らは初遭遇の際に怯えて逃げ出してしまったが、何度かの遭遇を得たシングは彼女らを人間だと気付き、後日協力者を得て救出作戦を敢行。
ショベルカーを用いてシロアリ塚を壊し、狼を追い出して姉妹を救出したという。

その後は二人を檻に入れて10日間移動し、シング夫妻の運営する孤児院で育てられることになる。
到着した際に名付けられたのがアマラとカマラという名前で、アマラが『小さな黄色い花』、カマラは『桃色の』という意味を持つ。
いずれの花言葉にも幸せな明るい未来を思わせる言葉があり、シング牧師の想いが伺える。

しばらくは狼の家族と引き離されたからか、部屋の隅に縮こまり背中を向け、関わりたくないという態度を貫いていたアマラとカマラ。
だがシング夫人の一年に及ぶ献身を得て、微かに、しかし少しずつ興味を外に向け始める。

しかしその一年後に、二人は寄生虫による病気を患いアマラが死亡。
カマラはこの時初めて涙を流し、2ヶ月半もの間白痴のような状態になって反応しなくなった。
なんとか回復した後も動物の方に興味を向け、人間にほとんど興味を示さなかった。

その後、夫人のマッサージやあやしを得て人に興味を持ち始めたカマラは、子供らの回すコマを掴み取って回そうとしたり、いものを集めたり、ブランコを気に入って順番を守るようになったりと、徐々に知覚を回復・発達させていった。

そこから人として生きるために赤ん坊や猫に混じって立つ訓練を始め、感情が出るようになり、急速的に人間らしくなっていった。

大嫌いだったを求めるようになり、夜に出歩くことを好まなくなった。
散歩や眠る際はお気に入りの赤い服を着て、自然の水場でなら石鹸で洗うことを許すようになった。
死骸を食べなくなり、犬に吠えられ、犬を嫌がるようになった。
「はい」「いいえ」を首を振って答え、親しい人を頭文字で呼び(ママであるシング夫人は「マー」という具合)、30の単語を独自の言葉で覚えた。

生肉を冷蔵庫から引きずり出したり、普段は四つん這いであることこそ変わらないものの、間違いなく人に近づいていったのである。

しかし、1929年。尿素毒という病気にかかり、朝4時に永眠。アマラのもとへと旅立った。

その裏ではアメリカから彼女を救う代わりに世間に公開するという交渉が行われていたのだが、現地の医師が「カマラが渡米に耐えきれない」と判断したことで破棄されたという。

容姿

シング牧師は『後天的に狼と人の特徴をあわせ持つ』と称した
 顎の骨が発達し、高くなっている。これはアジア人の特徴でもある。
 びっしりと並んで生えているが、とがっており方向が不揃い。犬歯はふつうより長く、鋭い。固い骨や肉を食べていたため歯は白いが、口内は常人より赤かったという。
間接 常に四つん這いで歩いていたため固く、外部が固いまめに覆われ大きく突起し重い。
 普段は眠く生気のない顔つきをしているが、真夜中になると獣の目のように青く光り、活発になった。
 平たく丸い鼻孔を持ち、鼻の穴は大きい。この特徴から原住民であるドラヴィディックの血縁ではないかと言われている。なんでも臭いを嗅いで調べた。
 大きく平べったい。興奮すると震えて色がかわったとされ、かすかな音も聞き分けたという。
 眉は毛深くて長く、目は二つのくぼみに埋めたようで、頬は肉付きがよかった。下顎はとがっている
表情 普段は明るく、カマラは穏やかな微笑みを携えていたが、少しでも怒るとシワをよせ狂暴になった。
 指や腕が長く、膝に届くほどだった。柔軟で力強く、どっしりしていたという。
 内側に凹型へとすり減り、くぼんで犬の爪のようになっていた。
 指が広がって地面についており、それぞれが小さな靴の形に変形。親指はヴェロキラプトルのように上に曲がっていた。かかとは大きなボールのようになって間接を支えていた。膝も釣り合いを取るように重々しく、強靭。
胴体 尻に筋肉がついていない一方で、腰は細く鍛えられ、左右によく曲がるという。

性格

カマラは連れて来られた当時、狼の家族から引き離された事でホームシックを患っており、シング牧師はその様子を『臆病さ、あるいはこわがり』だと考えた。

対してアマラは夫人になつくのが早く、アマラが興味をだして近づき、カマラがそれに着いていく形でおずおずと近づく。というパターンができていた。
これはアマラの方が野生で暮らしていた期間が短く、人格形成の時期の真っ只中だったからだと思われる。
そのためシング牧師はアマラがカマラを人に戻す鍵だと考えていたのだが、病で死んでしまったため、カマラの人になる道が遠のいたと悟ったという。

しかしその後、カマラはその時の悲しみをバネに成長し、『赤いものが好き』『思い通りにいかないと癇癪を起こす気難し屋だが、自分なりに子供達の世話を焼く姉気質』『砂糖入りのミルクやビスケットを好む甘いもの好き』等の人格を形成していった。

関連人物/関連動物

ジョセフ・シング

シング牧師。J.A.L.シングとも呼ばれるキリスト教の伝道師。
同じ牧師仲間からも嘘をつかないと保証してもらえるほど信頼された人物で、秘境とされたインドに孤児院を建てたり、アマラとカマラの名前に『幸せな未来』を意味する花言葉を入れたりと、その優しさは随所に現れている。
しかしその反面過度な秘密主義者で、アマラとカマラが世間に晒されることを嫌がるあまり、10日の無茶な遠出をして二人をただれにしてしまったり、医師に二人の情報を開示することを嫌がってアマラが死ぬ遠因になってしまったりしている。
それに加えて狼の家族から引き離した張本人なためか、アマラとカマラの二人にもほぼなつかれていなかった。
かなりの動物好きで、孤児院には様々な動物が飼われており、中にはハイエナの子供までいたという。化け物に興味を示したのも、珍しい動物見たさだったのかもしれない。

シング夫人

シング牧師の妻にして、アマラとカマラを『人』として育てた最大の功労者。シング牧師が『拾いの親』『名付け親』なら、夫人は『育ての親』にあたる。
人になついている動物と触れ合わせたり、赤ん坊と同じ扱いにして人としての在り方を学ばせたりと、様々な工夫を凝らして心を通わせ、人に戻そうとした。
からし油によるオイルマッサージを得意としており、彼女らの心身をほぐすのに一役買った。
なお、カマラがマッサージをねだる際は夫人の手を自分の胸に押し当てたという。

その甲斐あってアマラになつかれ、カマラには後に『マー、マー』と呼ばれ、傍に付いて頼られるようになるなど、二人が唯一心を許す人間になった。
特にカマラのなつき方は大型犬のそれで、夫人がいない時は一日中不機嫌だったという。

サルバディカリ博士

フルネームはS.P.サルバディカリ。
アマラとカマラを診断した医師で、彼女らが実在していたことを記した人物の1人。姉妹の最期を見届けた人物でもある。
カマラからは外部から来た余所者という扱いで、近寄ると唸られたという。

ゴタムリ村の村人

当時としては無理もないが、アマラとカマラを怪物と勘違いしていた原住民。ちなみに怪物について話した村人の名は「チュナレム」という。
彼らの証言によると、三年前から怪物は確認されていたとされる。
一部の者たちは退治しようとしていたが、結局怯えてしまい、アマラとカマラを捕まえようと再びシング牧師が来たときには、既に村を捨てて散り散りになっていたという。

狩人

シング牧師が伝道旅行の際にボディーガードとして雇った人物。
短気な一面が垣間見え、野生児時代のアマラとカマラを怪物と判断して即座に撃とうとしたり、シング牧師が止めるのも聞かずに母親狼を射殺したりしている。

ベンジャミン

孤児院に来たアマラとカマラが初めて興味を示した赤ん坊。
当初は仲が良かったが、突如アマラとカマラがペンジャミンに噛みつく、引っ掻くなど暴力を行うようになり、それ以来ペンジャミンは怯えて二人に近づかなくなったという。
おそらく、ハイハイの姿が自分の同族に見えて近づいたものの、違うと気付いて攻撃を仕掛けたのだろうとシング牧師は日記に記している。

ローダ

アマラとカマラが来てしばらくに世話を任された孤児院の女の子。
外に出ようとした姉妹と取っ組み合いになり、引っかかれて外に出してしまって以来二人に近づかなくなった。

赤ん坊たち

アマラやカマラと同じく、孤児院に預けられた赤ん坊たち。
アマラが死んだあと、カマラは赤ん坊たちと生活を共にするようになり、散歩に出たり、焼き肉を食べたりと、様々な事をして暮らした。
カマラは赤ん坊たちから様々なものを学ぶうちに愛着を持つようになり、彼女流の世話を焼いたり、怪我をした赤ん坊を見かけた際はすぐさま夫人を呼んだという。
成長して子供になった赤ん坊たちも、癇癪に困ることはあってもカマラを大事な家族として愛した。

シシール・クマリ

いたずら好きな女の子。
カマラが人間らしくなり、フンドシを卒業した時に「カマラはフンドチをつけなきゃダメ」と発言して茶化した。
カマラは気にして、フンドシを食わえて四本足で駆け出し、遠くへ捨てたという。

母親狼

アマラとカマラを拾い育てた牝狼。シロアリ塚を壊すショベルカーに立ち向かい、アマラ達を含む子供を守ろうとした。
餌として連れてきたであろう二人に愛情を注ぐという、他に類を見ない行動を起こし、その崇高な愛情を垣間見たシングは生かして捕らたいと考えるが、その前に狩人の矢が当たり死んでしまう。

狼の家族

アマラとカマラを受け入れた家族。リーダーである母親の他に大人の狼と幼い狼が二匹ずついる。
幼い狼はアマラとカマラの後に産まれたらしく、アマラとカマラは連れ去られそうになった際、幼い狼を体で覆い隠し、守ろうと激しく抵抗した。
大人の狼はシロアリ塚が崩される時に一目散に逃げ出し、幼い狼は二人と引き離されたあと高値で猟師に売られたという。

孤児院に入れられたアマラとカマラは、そのあと何ヵ月も遠吠えを行い、家族との再会を願っていた。

孤児院の動物たち

アマラが死に、一人になったカマラの遊び相手の一匹。
猫の真似をしてじゃれあっていたという。

子犬

一人になったカマラの遊び相手。
狼に近いからか、しばらくは彼らと行動を共にしていた。
しかしカマラが人に近づくにつれ吠えるようになり、カマラも乗せられた子犬を放り投げるなどはっきり決別した。

ヤギ

カマラが後に着いてくる遊びをするのを嫌がった。

ヤギと同じ事をして嫌われるも、唯一狂暴だったことで有名な雄鶏とは友達だった。
しかし別の場所に移動させられ会えなくなってしまう。

ハイエナの子供

シング牧師が買っていた幼いハイエナ。
一目で気に入り、ずっと一緒にいるようになる。離れる時はしぶしぶとだったという。
ハイエナの子の方もカマラを気に入っていて、親友といえる間柄だった。
しかし、一年後にハイエナの子が死亡。
この時にアマラの過去を思い出したのか、雄鶏もいなくなったことで人間と関わる覚悟を決めた。

ハト

カマラが唯一恐怖し嫌った天敵。
経緯は不明だが、死に体のハトにすら動けば怯えていたためかなり筋金入り。死体であれば口で噛んで動かせる。
野生児の時か、目を話していた隙にひどい目にあわされていたのだろうか。

余談

実はアマラとカマラは血の繋がった姉妹ではなく、それぞれ似た場所から連れて来られた赤の他人ではないかとされている。

関連タグ

野生児  孤児 

外部リンク

関連記事

親記事

野生児 やせいじ

兄弟記事

コメント