アメーバ(遊戯王)
あめーば
効果モンスター
星1/水属性/水族/攻 300/守 350
フィールド上に表側表示で存在するこのカードのコントロールが相手に移った時、
相手は2000ポイントダメージを受ける。
この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。
名前の通り、不定形な液状の身体を持つ水族の効果モンスター。遊戯王OCGの黎明期の頃に登場した古参カードの1つ。戦闘力は低いが、辛うじてクリボーの攻撃を受け止められるくらいの耐久力はある。
ステータスはレベル1相応、単独ではほとんど役に立たないほど貧弱だが、このカードのコントロール権が相手に移ると、その瞬間に2000ものライフダメージを叩き込むという強烈な効果を持つ。一発限りとは言え、2000というダメージは使う側も使われる側も簡単には無視できない数値。特にこのカードが登場した頃は昼夜の大火事などが普通に現役だった時代であり、4桁の効果ダメージとはそれだけで文字通り「桁違い」の威力であった。
しかも、前述したようにこのカード自体のステータスは貧弱そのものなので、送り込まれた後に別のモンスターで攻撃されると、それによって多大な戦闘ダメージまで発生する危険性がある。使われる側にとってはまさに踏んだり蹴ったり。
何らかの形で自分のフィールドから相手のフィールドに送り込まなくては効果を発揮できないため、活用するには他のカードとは一味違う戦術が必要となる。基本的且つ一般的なのは強制転移や死のマジック・ボックスなどでのコンボ。これらに加えてレベルやステータスの低さ故の身軽さを活かし、召喚、転送、除去、回収を安定的に繰り返せば、単純計算で4ターン以内には8000ダメージに到達する。このコンボを主戦力として採用した「転移アメーバ」なるテーマデッキも構築された。
しかし、現在のデュエル環境において4ターンは少々時間をかけ過ぎである。戦闘ダメージも考慮すれば多少短くはなるが、それでもまだ長いと言わざるを得ない。また、いくらステータス的には弱小といっても自分のモンスターを相手に受け渡す行為そのものはディスアドバンテージに繋がりやすく、送り込んだアメーバの除去に失敗すると、それを起点に強力なモンスターを召喚され、一気に巻き返される恐れがある。エクストラデッキからいつどんなモンスターが飛び出してくるかわからない現環境においてはなおさらである。未だにポテンシャルは高いが、相対的に扱いは難しくなっているモンスターと言えるだろう。
余談だが、このカードのイラストに描かれているアメーバの中心部には「人影」のようなものが見える。そしてアメーバの上部をよく見てみると、青い粘液に包まれた人間の手らしきものが2本突き出ている。「アメーバ」とは言っても人間1人(ないし人型のモンスター1体)を取り込める程度には大きいらしい。相手にコントロールが映った時、このように相手プレイヤーを呑み込んでダメージを与えるのかもしれない。そりゃあ大した攻撃力でもないのに2000ダメージも受けるわけだ。大きさも相成って「アメーバ」というよりは「スライム」や「ブロブ」の類のような気がする。